日本化学療法学会雑誌
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44 巻 , 3 号
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  • 野々山 勝人, 井上 松久
    1996 年 44 巻 3 号 p. 123-128
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近アメリカを中心に問題となっているvancomycin (VCM) 耐性のEnterococcus属を検討するため, アメリカで分離されたバンコマイシン耐性Enterococcus faecalis, Enterococcus faeciumを用いて各種抗菌薬に対する感受性動向を検討した。またPCR法を用いてりvanAおよびvanB遺伝子の有無とVCM, teicoplanin (TEIC) のMICとの閲係も検討した。その結果VCM耐性のE. faecalisではペニシリン系薬, カルバペネム系薬, minocycline (MINO), TEICがVCM耐性のE. faeciumではRP 59500, MINO, chloramphenicolが良好な感受性を示した。各薬剤間で感受性相関は認められず多剤耐性化は認められなかった。VCM耐性菌をPCR法で分類した結果, vanA保有株は9株, vanB保有株は16株とそれぞれ検出されたがvanA, vanBの同時保有株は検出されなかった。vanA保有株はVCM (MIC; 50~800μg/ml), TEIC (MlC; 6.25~100μg/ml) の両薬剤に耐性を示し, vanB保有株はVCM耐性 (MIC; 6.25~200μg/ml), TEICに感受性 (MIC;≦0.2~0.39μg/ml)を示した。
  • 鈴木 隆男
    1996 年 44 巻 3 号 p. 129-135
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    臨床分離メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 15株を用いて, アミノ配糖体耐性とarbekacin (ABK) 耐性変異株の出現を調べた。15株のうち12株はgentamicin (GM), tobramycin (TOB) 耐性で, そのうち2株はABK耐性であった。残り3株はGM感受性TOB耐性であった。これらの菌株のうち, GM, TOB耐性ABK感受性である5株から10-4の頻度でABK耐性菌 (MIC: 25 or 50μg/ml) が分離された。また, GM感受性TOB耐性ABK感受性株からはABK耐性菌は10-6の頻度で分離され, そのMICは12.5または25μg/mlであった。アミノ配糖体修飾酵素のうち, 6'アセチル転移酵素 (AAC (6')) および2''リン酸転移酵素 (APH (2'')) の両活性を有する酵素AAC (6')/APH (2'') 産生遺伝子を保有するプラスミドpMS 91をもつ黄色ブドウ球菌MS 353 (pMS 91) からABK耐性変異株が10-5の頻度で分離され, この耐性変異株ではAAC (6')/APH (2'') 量が元株の約6倍に上昇していた。黄色ブドウ球菌のファージを用いた形質導入実験から, この変異, すなわちABK高度耐性は, プラスミド上のアミノ配糖体修飾酵素AAC (6')/APH (2'') 産生遺伝子の変異によるAAC (6')/APH (2'') の産生量の増加にもとつくと結論された。
  • 木下 智
    1996 年 44 巻 3 号 p. 136-142
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    内因感染症である歯性感染症におけるβ-lactam薬耐性菌出現機構を解明するため, 口腔常在菌叢における耐性菌の状態と耐性因子の伝達について検討した。口腔常在菌表の唾液よりβ-lactam薬耐性菌をcefaclor (CCL) 32μg/ml添加選択培地にて検索したところ50名中46名より本耐性嫌気性グラム陰性桿菌が検出された。分離した嫌気性グラム陰性桿菌91株はPrevotella melaninogenica, Prevotella interrnediaなどの黒色色素産生性グラム陰性桿菌が多数を占めていた。分離菌株のうちβ-lactamase産生株は88株 (96.7%) で認められた。嫌気性グラム陰性桿菌に対するMIC90はCCLで>256μg/ml, mpicillinで256μg/mlと大きく, ついで, oeftizoxime, oefteramが128μg/ml. cefazolinが64μg/ml, latamoxefが16μg/mlであり, cefmetazoleおよびimipenemはそれぞれ2および≦0.25μg/mlと小さかった。歯性感染症由来のβ-lactamase陽性・β-lactam薬耐性P. intermedia T5001をdonor, β-lactamase陰性・β-lactam薬感受性のBacteroides capillosus K8085をrecipiemtとしてβ-lactam薬耐性因子の伝達を行ったところ, 7.9×10-5の頻度で耐性化した。得られたtransconjugamtsはβ-lactamase陽性で, β-lactam薬耐性を示した。Donor, recipiontおよびtransconjugantsからplasmidはともに検出されなかった。以上の事実は, 歯性感染症におけるβ-lactam薬耐性菌の出現に, 発症以前より口腔に常在する耐性菌の関与および耐性菌から耐性因子が伝達されることによる感受性菌の耐性化の関与を示唆している。この耐性因子は染色体上にあるものと考えられる。
  • 小俣 裕昭, 秋元 芳明, 藤井 彰
    1996 年 44 巻 3 号 p. 143-147
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    下顎埋伏第3大臼歯を抜歯した患者を対象とし, 術前にlomefloxacin (LFLX) 200mgを経口投与し, 血清, 歯肉, 下顎骨および歯嚢中の濃度をpaper disk法で測定し, 以下の結果を得た。
    1) 血清中LFLX濃度のpeak時間はLFLX投与後3時間に認められ, 1.37μg/mlであった。
    2) 歯肉中ピークLFLX濃度はLFL-X投与後3時間に認められ, 2.24μg/gであった。また, ピーク時間における歯肉/血清の濃度比は1.60であった。
    3) 下顎骨中ピークLFLX濃度はLFLX投与後3時間に認められ, 0.77μg/gであった。また, ピーク時間における下顎骨/血清の濃度比は0.58であった。
    4) 歯嚢中ピークLFLX濃度はLFLX投与後3時間に認められ, 1.77μg/gであった。また, ピーク時間における歯嚢/血清の濃度比は1.22であった。
    以上の結果より, 歯肉を除く下顎骨および歯嚢中のLFLX濃度は, oral streptococciのMIC80値を越えていなかった。しかし, LFLXが良好な口腔組織移行性を示したことより, 連続投与後では, より高い口腔組織濃度が得られると推察され, 歯性感染症に対しても有用であると考えられた。また, 術後感染予防のためのLFLXの使用は, 手術前日よりの連続投与が必要であると思われた。
  • 副島 林造他
    1996 年 44 巻 3 号 p. 148-157
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系合成抗菌剤であるsparfloxacin (SPFX) のクラミジア呼吸器感染症に対する有効性, 安全性および有用性について検討を行い, 次の結果を得た。
    1) 原則として, SPFXの1日量200mgを1日1~2回に分割経口投与とし, 3~14日間投与した。総投与症例97例のうちクラミジアによる呼吸器感染症と診断された症例は21例であった。
    2) 有効性評価が可能であった肺炎, 急性気管支炎, 咽喉頭炎および感染を伴った気管支喘息などの18例に対する有効率は88.9%(16/18) であった。
    3) 菌種別の有効例はChlamydia pneumoniae 9例中7例, Chlamydia trachomatis 4例中4例, Chlamydia sp. 5例中5例であった。起炎菌が分離された症例はC. pneumonioeの1例のみであり, 本剤投与後除菌された。
    4) 副作用は95例中11例 (11.6%) に嘔気, 嘔吐, 頭痛, 下痢, 発熱などが, 臨床検査値異常変動は90例中8例 (8.9%) にS-GPT上昇, 好酸球増多などが認められたが, いずれも軽度ないし中等度で一過性であった。
    以上よりSPFXは成人クラミジア呼吸器感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
  • 熊澤 淨一, 松本 哲朗, 守殿 貞夫, 荒川 創一, 大森 弘之, 公文 裕巳, 永山 在明, 小川 暢也
    1996 年 44 巻 3 号 p. 158-170
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    複雑性尿路感染症に対する新規なキノロン系経口抗菌薬pazuflomcin (PZFX) の至適用量を検討する日的で, ofloxacin (OFLX) を対照薬とした群間比較試験を実施した。対象疾患は, カテーテル留置症例および前立腺術後感染症を除く, 尿路に基礎疾患を有する複雑性尿路感染症で, PZFXは1日300mg分3 (PZFX-300群) および600mg分3 (PZFX-600群), OFLXは1日600mg分3 (OFLX群) で7日間連続投与し, UTI薬効評価基準 (第3版) に準じて効果判定を行った。
    1) 総投与症例数108例 (PZFX-300群36例, PZFX-600群39例, OFLX群33例) 中, 臨床効果の評価対象例はPZFX-300群31例, PZFX-600群28例, OFLX群26例計85例であった。
    2) 総合臨床効果は, PZFX-300群84%(26/31例), PZFX-600群89%(25/28例), OFLX群77%(20/26例) の有効率であった。
    3) 細菌学的効果は, PZFX-300群87%(41/47株), PZFX-600群90%(35/39株), OFLX群82%(32/39株) の消失率であった。
    4) 副作用の発現率は, PZFX-300群6%(2/36例), PZFX-600群では認められず (0/39例), OFLX群6%(2/33例) で, 症状は投与中止または終了後にすべて消失した。臨床検査値異常変動は, PZEX-300群およびPZFX-600群では認められず (0/36例および0/37例), OFLX群で3%(1/32例) に認められた。概括安全度は, PZFX-300群97%(35/36例), PZFX-600群100%(37/37例), OFLX群97%(31/32例) であった。
    5) 担当医判定による有用率は, PZFX-300群87%(27/31例), PZFX-600群81%(21/26例), OFLX群89%(24/27例) であった。
    以上より, PZFX-300群とPZFX-600群の臨床効果, 細菌学的効果および安全性から, 複雑性尿路感染症に対する本剤の至適用量幅は1日300~600mg分3と考えられた。
  • 1996 年 44 巻 3 号 p. 171-176
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 44 巻 3 号 p. 176-192
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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