下顎埋伏第三大臼歯を抜歯した患者を対象とし, 術前にcefdinir (CFDN) 200mgを経口投与し, 血清, 歯肉, 下顎骨, および歯嚢中のCFDN濃度をペーパーディスク法で測定し, 以下の結果を得た。
1) 血清中CFDN濃度のピーク時閥はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, 1.39μg/mLであった。
2) 歯肉中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, 0.60μg/gであった。またピーク時間における歯肉/血清は, 0.42であった。
3) 下顎骨中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, 0.25μg/gであった。またピーク時間における下顎骨/血清は, 0.18であった。
4) 歯嚢中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, 0.51μg/gであった。またピーク時間における歯嚢/血清は, 0.35であった。
以上の結果より歯肉, 下顎骨および歯嚢中の平均ピークCFDN濃度は, 歯性感染症より分離されたoral streptococciのMIC
80値を超えており, CFDNは歯科臨床上有用な抗菌薬であると推察された。
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