日本化学療法学会雑誌
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53 巻 , 4 号
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  • 板橋 繁他
    2005 年 53 巻 4 号 p. 259-267
    発行日: 2005/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Piperacillin (PIPC) はPRSPを含むStreptococcus pneumoniaeやBLNARを含むHaemophilus influenzaeに優れた抗菌力を有する。このことを臨床的に検証するため, S. pneumoniaeH. influenzaeが起炎菌と考えられる肺炎や慢性呼吸器疾患の二次感染に対するPIPCの臨床的有効性を検討した。
    今回の結果は, 臨床効果が全体で98.4%の有効率を, またS. pneumoniaeおよびH. influenzaeの起炎菌別消長がそれぞれ92.9%, 95.8%の消失率を示し, PIPCの有効性を示す結果であった。細菌学的効果は単数菌感染で96.9%(うち, S. pneumoniae100%, H. influenzae93.8%), 複数菌感染で84.2%, 全体で92.2%が陰性化していた。
    今回検出されたS. pneumoniae, H. influenzaeに対するPIPCのMICは, S. pneumoniaeではMICrangeが≦0.06~4μg/mL, MIC90が4μg/mLであり, H. influenzaeではMICrangeが≦0.06~8μg/mL, MIC90が0.25μg/mLであった。PISP, PRSP, BLNARに対する抗菌力は, PISP+PRSPのMIC90が4μg/mL, BLNARのMIC90, が0.25μg/mLであった。
    以上のことより, PIPCはPISP, PRSPを含むS. pneumoniaeとBLNARを含むH. influenzaeによる市中肺炎や慢性呼吸器疾患の二次感染に対して臨床的に有効な薬剤であることが示された。S. pneumoniaeH. influenzaeは市中肺炎や慢性呼吸器疾患の二次感染の起炎菌である確率が高く, この意味から考えるとPIPCは市中肺炎や慢性呼吸器疾患の二次感染のエンピリックセラピーに適した抗菌薬といえよう。
  • 石原 浪砂, 榎本 耕一, 阿部 健一, Montay Guy, 谷古宇 秀
    2005 年 53 巻 4 号 p. 268-273
    発行日: 2005/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    経口ケトライド系抗歯薬であるtelithromycin (TEL) の既存製剤 (300mg錠) の服用性を改善する目的で, 体積を約75%に縮小した小型製剤を開発した。それに伴い両製剤の生物学的同等性を検討するため, 溶出試験ならびにヒトでの生物学的同等性試験を実施した。溶出試験では, 規定されたいずれの試験液においても, 既存製剤, 小型製剤とも15分以内に平均85%以上溶出し, ガイドラインにおける基準に適合したため, 両製剤の溶出挙動は同等と判定された。ヒト生物学的同等性試験 (600mg単回投与) では, 最高血漿中濃度 (Cmax), 血漿中濃度一時間曲線下面積 (AUC0-Z) の平均値の比 (小型製剤/既存製剤) がそれぞれ94.2%, 97.0%で, 両側90%信頼区間も生物学的同等の許容域である80~125%の範囲内であったことから, 同等と判定された。
    以上の結果から, TEL小型製剤は既存製剤と生物学的に同等であることが確認された。
  • 永山 在明
    2005 年 53 巻 4 号 p. 274-276
    発行日: 2005/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1999年4~8月に子宮頸管炎の患者から分離された新鮮な臨床分離Chlamydia trachomtis18株に対するtelithromyctn (TEL) のin vitro抗クラミジア活性をclarithromycin (CAM), erythromycin (EM) およびazithromycin (AZM) と比較検討した。
    その結果, MIC rangeとMIC90はそれぞれTEL (0.008~0.031μg/mL, 0.031μg/mL), CAM (0.008~0.031μg/mL, 0.031μg/mL), EM (0.125~0.25μg/mL, 0.25μg/mL) およびAZM (0.063~0.25μg/mL, 0.25μg/mL) であった。TELはCAMと同程度の高い活性を示し, EMおよびAZMに比べてMICめで約8倍強い活性を示した。
    以上の結果より, TELはC. trachomatis感染症に対して臨床上有用な薬剤となる可能性が示唆された。
  • 小林 寅哲, 雑賀 威, 金山 明子, 松崎 薫, 長谷川 美幸, 佐藤 弓枝
    2005 年 53 巻 4 号 p. 277-279
    発行日: 2005/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Helicobacter pyloriの抗菌薬による除菌療法が保険適応となった翌年から3年間 (2001~2003年) に, 除菌療法前の患者由来臨床検体より分離されたH. pylori300株 (各年100株) の経年的感受性推移について検討した。
    その結果clarithromyctn (CAM) のMIC rangeは3年間ほとんど差がみられずMIC90はいずれの年度分離株に対しても16μg/mLとまったく変化はなかった。MIC50, MIC80, も同傾向で, ほとんど変化はみられなかった。
    AmoxiciIIin (AMPC) のMIC rangeの最小値は3年間いずれも≦0,015μg/mLと低い値を示し, 最大値は2003年が最も高く0.5μg/mLであった。MIC50, 80, 90は3年間ほとんど変化がなかった。CAMに対する耐性率は2002年度の株は19%と若干高かったが, その他の年度は14~15%と差はなかった。
    以上の結果からH. pylori除菌治療に保険適応が認められた翌年からの3年間でH. pyloriのCAMおよびAMPCの感受性にほとんど変化は認められなかった。
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