急性細菌性副鼻腔炎に対するgatmoxactn (GFLX) の有用性を, 薬剤感受性試験, 臨床効果, 安全性, 組織移行性から検討した。GFLX投与前に中鼻道から膿性鼻汁を採取し, 分離された
Streptococcus pneumoniae 17株に対するGFLXの抗菌活性を調査したところ, MIG
90は0.5μg/mLであり, levofloxacin (LVFX), clavulanic acid amoxicillin (CVA/AMPC), cefcapene (CFPN) のMIC
90: 1μg mLよりも強い抗菌活性を有していることが確認された。
Haemophilus influenzae 10株に対しては, フルオロキノロン系抗菌薬 (GFLX, LWX) がMIC
90: ≦0.06μg mLと最も抗菌活性が強く,
Moraxella catarrhalis 11株でも, フルオロキノロン系抗菌薬が最も強い抗菌活性を有していた (MIC
90: ≦0.06μg/mL)。GFLXの臨床効果では, 著効率は21.6%, 有効率は86.3%と高く, 安全性についても, 全例において低血糖は認められず, 重篤な副作用も認められなかった。また, 膿汁中のGFLX濃度を投与1~12時間後に測定したところ, 0.69~7.04μg gであり, 今回分離された
S.pneumoniae, H.influenzae, M.catanhalisのMIC
90を十分に超える濃度が膿汁に移行しており, 優れた組織移行性が認められた。
以上のことから, GFLXは急性細菌性副鼻腔炎に対して, 良好な臨床効果が期待できる薬剤であると考えられる。
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