Pazufloxacin mesilate (PZFX mesilate) は, ciprofloxacin (CPFX) に比べC
maxは高く, T
1/2が短いという特性を有する新規注射用ニューキノロン薬である。今回, 緑膿菌によるマウス全身感染モデルに対するPZFX mesilateの分割投与時, 遅延投与時および高菌量感染時の治療効果を, CPFXおよびceftazidime (CAZ) と比較し, その生体内効果と関連するpharmacokinetic/pharmacodynmic parameterについて検討し, 以下の結果を得た。
1) 1, 2および4回背部皮下投与時のPZFX mesilateの50% effective dose (ED
50値) はそれぞれ0.0991, 0.161および0.239mg/mouseであり, 分割投与により有意 (P<0.05) に上昇した。CPFXのED
50値も有意 (P<0.05) に上昇したが, CAZのED50値は有意 (P<0.05) に減少した。
2) 分割投与時のED
50値における血清中のPZFX mesilateおよびCPFXのC
max/MICは投与回数にかかわらず, それぞれ一定であった。また, 各投与回数時における両薬剤のAUC
0-24h/MICはそれぞれ類似した値を示した。CAZの両パラメーターは, 投与回数に応じて減少した。
3) 感染7時間後に治療を開始した場合, PZFX mesilateおよびCPFXのED
50値はそれぞれ2.20倍および7.11倍に, 高菌量感染時のED
50値はそれぞれ35.3倍および53.6倍に上昇し, その程度はPZFX mesilateに比べCPFXの方が大きかった。
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