耳漏を伴う小児急性化膿性中耳炎の33症例58検体において病原細菌の薬剤耐性化について調査・検討した.耳漏においては
Streptococcus pneumoniaeが33%(33例中11例),
Haemophilus influenzaeが21%(33例中7例) に分離されたが, 上咽頭擦過液では
S. pneumoniaeが全体の64%(25例中16例),
H. influemaeが52%(25例中13例) と高率に分離された。肺炎球菌が確認された20症例ではペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP: penicillin resistant
S. pmumoniae) が65%13例/, penicillinintermediately resistant
S. pneumoniae (PISP) が15%(3例), penicillin susceptible
S. pncumoniae (PSSP) が20%(4例) の割合を占めており, PRSPではpenicillin GのMICのピークが2μg/mLと高値を示した。分離培養された肺炎球菌について経口セフェム薬であるcefaclor, cefdinir, cefpodoxime, cefditoren (CDTR) の感受性を測定したところ, 薬剤によってかなりの違いがみられ, MICが累積ですべて1μg/mL以下だったのはCDTRのみだった.
H. influcnzacについてもMICがすべて1μg/mL以下だったのはCDTRのみで, 回薬剤は0.125μg/mLのラインでは累積で80%のMICが下回っていた。
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