新規キノロン系合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の産婦人科領域感染症に対する有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的でofloxacin (OFLX) を対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。用法・用量は, GPFXでは1回300mgを1日1回, OFLXでは1回200mgを1日3回とし, 原則として7日間連続経口投与し, 以下の成績を得た。
1) 臨床効果: 総症例244例中臨床効果 (主治医) 解析対象201例の有効率は, GPFX群98.0%(98/100), OFLX群93.1%(94/101) であり, 両群間に有意差は認められず, 有効率の差の90%信頼区間は0.2%-9.7%であり, 同等性が検証された。また, 小委員会判定による臨床効果 (委員会) の有効率は, GPFX群92. 頼区間は-4.2%~9.2%であり, 主治医判定と同様に同等性が検証された。
2) 細菌学的効果: 細菌学-効果が判定されたのは118例であり, 菌陰性化率は, GPFX群89.7%(52/58), OFLX群95.0%(57/60) であり, 両群間の消失率に有意差は認められなかった。
3) 副作, および臨床検査値異常変動: 副作用の発現率は, GPFX群7.6%(9/119), OFLX群6.0%(7/117) であり, 臨床検査値異常変動の発現率は, GPFX群4.8%(5/104), OFLX群0.9%(1/108) であった。また, いずれも両群間に有意差は認められなかった。
4) 安全性: 安全率は, GPFX群86.8%(92/106), OFLX群92.7%(101/109) であり, 両群問に有意差は認められなかった。
5) 有用性: 有用率は, GPFX群91.4%(85/93), OFLX群90.5%(86/95) であり, 両群問に有意差は認められず, 有用率の差の90%信頼区間は-6.0%-7.7%であり, 同等性が検証された。
以上の成績より, 産婦人科領域感染症に対しGPFX 300mg 1日1回投与は, OFLX 1回200mg 1日3回投与と同等の臨床的有用性が確認された。
抄録全体を表示