日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
11 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 永沢 信
    1964 年 11 巻 6 号 p. 227-229
    発行日: 1964/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    ケイ酸を含む原料水を用いて製氷を行なうと,氷の下部全面が白色不透明に濁るが,これは原料水中のケイ酸が凍結の途中で含水ケイ酸ゲルを形成して不溶化するためであることを確めた。また原料水中にCa2+, Mg2+,Fe3+などの成分を含むときには,これらの成分はカルサイトの結晶構造を持った固形物として含水ケイ酸ゲルと共存するように思われた。
  • 中村 武次郎, 神野 廉平
    1964 年 11 巻 6 号 p. 230-235
    発行日: 1964/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    グリーンアスパラガスをつぎの4区に分けて凍結させ-20℃に4ヵ月貯蔵し,凍結初期より最終時にわたり,組織の鏡検,成分分析を行ないつぎの結果を得た。
    (1) “生”材料液体窒素凍結区は,外観,組織の状態とも全期間を通じ,“生”材料のそれとほとんど変らず良好であったが,風味抜けの現象を来たすので食味不良であった。
    (2) “ブランチング”処理液体窒素凍結区は,組織の破壊・ドリップ液もほとんどなく,外観風味とともに良好であったが,穂首などの破損を来たすことが多かった。
    (3) “生”材料冷凍庫凍結区は,組織の破壊もみられ,風味抜けをおこし不良であった。
    (4) “ブランチング”処理冷凍庫凍結区は,風味抜けは少ないが,組織の破壊がきわめて大きく,肉質軟化し“筋っぽく”不良であった。
    (5) アミノ酸は,種類,含有量とも多少減少傾向にあり,直接還元糖,全窒素は各処理別の差異が認められた。還元型ビタミンCはブランチングしたものは多少減少の傾向にあるが,“生”材料においては急速に減少した。これらの成分分析の結果は,ドリップ液との関係を考慮する必要があり,なお食味の結果から,これら表示成分以外の因子が関与しているものと思われる。また,2項の“ブランチング”処理液体窒素凍結区の破損防止のために,適切な凍結およびブランチングの方法条件を設定する必要があろう。
    この試験を行なうにあたり,農業試験場猪瀬敏郎園芸部長,農業改良課岡昌二専門技術員のご支援を受けた。
    また,日本酸素株式会社より技術指導を受け,とくに凍結処理に際し,同社川口工場小林義和氏の御協力を得た。なお,日本冷蔵株式会社山田耕二氏より有益な御助言をいただいた。さらにこの研究の一部は,農林省総合助成事業試験費によった。
  • 卵殼の強度
    尾崎 直臣
    1964 年 11 巻 6 号 p. 235-242
    発行日: 1964/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 卵殼の強度を,新鮮時・貯蔵後別に,また加圧方法(卵の長軸方向,長軸に直角方向,あるいはフラット使用)を変えて,圧縮試験機を用いて測定し,別に同一鶏の多数の卵についてのくりかえし測定をも行ない,同時に得た卵殼の厚さ,卵重量,shape indexなどについてめ測定値をもあわせて,統計学的に各種の比較検討を行なった。
    (2) 新鮮時と貯蔵後によって強度に差は認められなかった。力の加え方に関しては,長軸方向の場合のほうが長軸に直角な方向の場合より強度が大であった。また鶏によってもその卵殼の強度に差が認められた。新鮮時・貯蔵後,加圧方法および鶏の各2者相互間の交互作用は認められなかった。卵の両端にフラットをあてがうと,破壊に要する力は著しく増加する。
    (3) 全体的にいうと,鈍端と鋭端とでは強度にとくに大きな差はないようであるが,長軸方向の力が加えられたとき鈍端がこわれる卵は鋭端がこわれる卵よりも,一般的に卵殼が厚く強度が大である傾向がある。しかし同一鶏の卵の間ではこのような傾向は認められなかった。
    (4) 強度,卵殼の厚さ,卵重量およびshape indexの各2者相互間の相関係数を,新鮮時・貯蔵後,加圧方法の別によって求めた結果,いずれの場合にも,強度と卵殼の厚さとの間には正の相関関係の存在することが認められたが,強度と卵殼の厚さとの間以外には有意な相関は認められなかった。ただし,フラット使用の場合の強度とshape indexとの間には弱い正の相関関係の存在する可能性が考えられる。同一鶏の多数の卵を対象としたときにも,強度と卵殼の厚さとの間に正の相関関係の存在が認められた。この場合には,さらに,強度と卵殼の厚さとの間以外にも,鶏によっては相関関係が存在する場合もあったが,一般的な結論は下し得なかった。
  • 果汁の成分について
    大久保 増太郎, 前沢 辰雄
    1964 年 11 巻 6 号 p. 242-246
    発行日: 1964/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    和ナシ長十郎のジュース原料としての適性を知るため,熟期ごとの果汁歩留りの測定と,生果汁についての成分分析を行ない,つぎのような結果を得た。
    (1) 長十郎ナシの家庭用ジューサーによる果汁歩留りは約80%であった。
    (2) 時期別の果汁の糖含量の変化からみて,ジュース原料としての採取期は青果としての出荷適熟期のものより,10~15日後の完熟以後のもののほうが有利である。
    (3) 果汁中の糖はショ糖,果糖,ブドウ糖で,適熟期以後の全糖分は9~10%であった。
    (4) 有機酸はリンゴ酸が主体で,総酸量はリンゴ酸として0.11~0.15%であった。また芯中にはクエン酸も多く,そのほか乳酸,コハク酸が認められた。
    (5) 芯果汁中のアミノ酸はアスパラギン酸,グルタミン酸,アスパラギンなどが多く,そのほか11種のアミノ酸が検出され,従来認められていなかったプロリン,γ-アミノ酪酸,グリシン,スレオニン(田村ら16)は不確かながら認めている)なども検出された。
  • 稲垣 長典, 小谷田 衣子
    1964 年 11 巻 6 号 p. 247-248
    発行日: 1964/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    ミソとミルクを配した「ミソ・ミルクスープ」を作成し,それを凍結乾燥により粉末化した。この場合ビタミンA, B1, Cを強化して,各ビタミンがどれだけ安定化されるかを検討した。「ミソ・ミルクスープ」を貯蔵し,貯蔵日数の経過に伴なう各ビタミンの残存量を測定した結果,40日程度の貯蔵期間では,Aにおいては残存率は高く,「ミソ・ミルクスープ」と単にミルクだけに強化したものとの差はほとんど認められなかった。Cについてもほとんど同様の結果である。Cの残存率については,A, B1より高くでているが,これは,アミノ・カルボニル反応によるC以外の還元性物質の除去に定量方法において注意したが,これらの影響が若干出ているかもしれない。B1においては,残存率はAおよびCより低く,また,「ミソ・ミルクスープ」に強化したもののほうが残存率がやや高い結果を示した。
  • 堤 陽太郎
    1964 年 11 巻 6 号 p. 249-257
    発行日: 1964/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1964 年 11 巻 6 号 p. 258-264
    発行日: 1964/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top