(1) 1959年度より罐詰加工期間の延長と中生温州,とくに藤中温州の加工適応条件を知るため試験を実施した。
(2) 1959年度試験において,中生温州は10, 11月に採取したものは果肉の黄色が強く,肉質もろく,普通温州と同条件で脱皮した場合ブロークン率が高く,ファンシー歩留りが悪いので,中生温州についての適応した脱皮条件を知る必要が認められた。
(3) とくに10月採取した中生温州の罐詰加工は歩留り,果肉色,肉質から不適当と認められた。
(4) 1959年度試験の結果,中生,とくに藤中温州に適応する脱皮条件を知るため,1960年度酸,アルカリの濃度,時間について試験した結果,11月採取のものについては塩酸0.4% 50分,カセイソーダ0.2% 7~8分,12月に採取したものは,塩酸0.4% 60分,カセイソーダ0.2% 10分が適当と思われた。
(5) 中生種は普通種に比較すると,塩酸,カセイソーダの濃度,処理時間とも相当異なるので,11, 12月中の両種の混合脱皮は絶対避けなければならない。
(6) 中生種も年を越したものについては,大体普通温州と同一条件で加工できると思われるが,なお果肉色の比較とともに第2報において報告したいと考えている。
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