日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
10 巻, 8 号
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  • 梶田 武俊
    1963 年10 巻8 号 p. 311-315
    発行日: 1963/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    茶の無機成分をポーラログラフ法によって測定し,品質との関係について検討を行ないつぎのごとき結果を得た。
    (1) 茶葉に含まれるカルシウムは上位葉よりも下位葉に多く,銅はカルシウムとは逆に上位葉に多くみられた。
    (2) 製造工程の進むにしたがって鉄の増加を認めたが,これは製造工程中に使用する機械からの介入によるものと思われた。
    (3) カルシウムは玉露のごとく上位葉を原料とする上級茶に少なく,番茶のように下位葉,木茎の混入する下級茶に多くみられた。
    また紅茶のカルシウムも緑茶と同じように上質のものに少なく,質の劣るものに多くみられた。いっぽう銅は玉露に多く,煎茶,番茶の順に少なくなっていた。
    (4) 同じ煎茶においても上質のものほどカルシウム含量が少なく,銅はこれとは逆に上質のものに多くみられた。
    (5) 浸出時間が長くなるほど鉄の溶出量は増加するが,カルシウムおよびマグネシウムの溶出量には変化がみられなかった。
    カルシウムの溶出率は茶の品質によって異なり,上質茶ほど大であった。ところが原茶に含まれているカルシウムは上質茶ほど少ないので溶出量には大差はない。
    以上の実験は限られた試料であり,結論を出すことは早計であるが,茶の品質と無機成分,とくにカルシウム,銅との間にはきわめて深い関係を有することは明らかであり,逆に茶の品質を銅,カルシウム量から判定することが可能であるように思われた。
    今後はさらに多くの試料についてマンガン,ニッケル,コバルトなどについても検討するとともに,成分移行の問題についても追究したいと考えている。
  • 温州ミカン中のペクチン質について
    樽谷 隆之, 真部 正敏
    1963 年10 巻8 号 p. 316-320
    発行日: 1963/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    低メトキシルペクチンの製造試験の第1段階として,今後生産が飛躍的に増加すると予想される温州ミカンについて,その果汁残査がペクチン源として適当であるか否かについて検討した。その結果
    (1) 温州ミカンのペクチン含量はかなり高く,夏ミカンに比べても決して劣るものでないことがわかった。
    (2) ペクチンの抽出には塩酸の希薄溶液による方法がすぐれていた。そこで,さらに塩酸の抽出条件を検討し,収率および製品の性質からして,0.04Nの塩酸液で,85℃, 60分程度が温州ミカンの場合適当なように思われた。
    (3) ペクチン抽出液からペクチンを沈殿精製するのには,アルコール法よりもアルミニウム塩法がよいようで,このようにして得たペクチンは,メトキシル基は8%以上であった。このものはH.M.P.で,そのままで十分利用価値があるが,L.M.P.製造のペクチンとしても活用できるものと思われた。
  • アルギン酸プロピレングリコールエステル未反応部分の金属塩の影響
    西出 英一
    1963 年10 巻8 号 p. 320-324
    発行日: 1963/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    乳酸菌飲料安定剤にPGAを用いた場合,PGAの未反応部分に存在する金属塩が乳酸菌飲料の安定性にいかなる影響を与えるかを検討した結果,つぎの結論を得た。
    (1) PGAの未反応部分に存在する金属塩が安定性に与える影響は著しく,つぎの順序である。
    Na>Mg>Ca>H
    この結果,Na塩が一番安定性が良好であることがわかった。
    (2) エステル化度は高いほどよい。
    (3) 粘度は26~42cp程度がよい。
    (4) 流動性と安定性との関係はニュートン流動をしめすものほど安定である。
  • 中村 延生蔵, 山田 幸二
    1963 年10 巻8 号 p. 324-327
    発行日: 1963/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • 中村 武次郎, 神野 廉平
    1963 年10 巻8 号 p. 328-330
    発行日: 1963/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    (1) ユズ塩水漬けにおける銅の加用効果とその挙動を検討した。
    (2) 銅は果実中に多く移行し,とくに表面緑色部に集積する。銅加用量が多い区ほど,漬液中に溶存する銅の比率は大となる。
    (3) 使用基準による銅の加用では,塩蔵後の平均含有量も当然これをこえることはないが,果実への移行のばらつきが大きいので個別にはこえることもある。基準以下の加用では,ユズの緑色保存には好結果が得られない。
  • 伊瀬知 仁
    1963 年10 巻8 号 p. 331-334
    発行日: 1963/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    液体麹を使用してみその試醸を行なった結果,酵素力が不十分なため液体麹単独でのみそ醸造は困難であった。プロテアーゼ剤を液体麹に補助的に使用すれば,ホルモール-Nの生成量や鑑評の結果は固体麹仕込に近い製品が得られる。しかし,直接還元糖の生成量は少なかった。
    固体麹と液体麹を併用すれば,20分麹の甘みそ仕込みにおいて固体麹の使用量を5分麹程度にまで減ずることができる。残りの15分麹に相当する部分については,澱粉質原料を製麹加工しないでも仕込みに使用することができる。したがって製麹困難な微砕米,白糠などの安価代用原料の利用も可能であると思われる。
  • 竹林 やゑ子
    1963 年10 巻8 号 p. 334-337
    発行日: 1963/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • とくにペクチントランスエリミナーゼならびにマセレーションの機構について
    小沢 潤二郎
    1963 年10 巻8 号 p. 338-344
    発行日: 1963/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • 1963 年10 巻8 号 p. 345-350
    発行日: 1963/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
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