日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
19 巻, 8 号
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  • (第3報) 余剰スラッジの蛋白酵素分解におよぼす酸加熱前処理の影響
    星野 直司, 白石 正之
    1972 年 19 巻 8 号 p. 347-352
    発行日: 1972/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    余剰スラッジの利用性を高めるために可及的栄養素の破壊をさけて,アミノ酸濃縮物をえる方法として,温和な希酸添加熱処理とプロナーゼ(Str. griceusの産生した蛋白分解酵素)消化とを併用した分解方法を,可溶性全N,遊離アミノ酸,アンモニアおよびトリプトファンなどを指標として検討し,次のような結果を得た。
    (1) 希塩酸添加熱処理後のスラッジ酵素分解物中の可溶性全N量が,全N量の約80%以上となる前処理条件は,(1) 塩酸添加量がスラッジ乾物g当り10mlの場合では,120℃, 60分加熱では0.5N以上,30分加熱では1N以上であり,140℃では60分加熱で0.25N以上,30分加熱では0.5N以上の条件であった。そのさい,140℃, 60分加熱で,酸濃度が1N以下では,トリプトファン溶存量は全量中の30%以上であった。(2) 塩酸添加量がスラッジ乾物g当り約60mlでは,120℃, 60分加熱で0.1N以上,30分加熱で0.5N以上,140℃, 60分加熱で0.01N以上,30分加熱で0.05N以上の条件であった。そのさい,140℃, 60分加熱で酸濃度が0.1N以下では,トリプトファン溶存量は全量中の約65%以上であった。
    (2) 塩酸の代わりに硫酸を用いても類似の結果がえられた。
  • (第4報)酵母体蛋白質のアルカリ抽出について
    星野 直司, 白石 正之, 海老根 英雄, 渡辺 篤二
    1972 年 19 巻 8 号 p. 353-358
    発行日: 1972/08/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    圧搾パン酵母,その90および130℃乾燥物とn-パラフィン資化性酵母(candida属)を用い,その含有蛋白質を希アルカリ中で加熱抽出,分離する方法を,可溶性N,遊離アミノ酸,アンモニア態Nさらに三塩化酢酸,タングステン酸および等電点沈澱蛋白態N量などを指標として検討した。その結果,(1)両種酵母ともに0.063~0.25Nの苛性ソーダの適量とともに80~90℃で30~60分間,1~2回抽出すれば,含有N量の約80%以上を可溶化し,pH 4.5等電点沈電あるいは三塩化酢酸で沈澱してくる蛋白質が約35%,タングステン酸処理で沈澱するより低分子の蛋白質は約25%であった。
    (2) パン酵母とn-パラフィン酵母の好適抽出条件を比較すると,パン酵母の方がやや強い条件を必要とし,生菌や90℃乾燥物と130℃乾燥物を比較すれば後者の方が抽出性は幾分悪くなる。
    (3) パン酵母およびn-パラフィン酵母に0.125N苛性ソーダ20倍容添加し80℃, 60分間抽出上清液のpH 4.5等電点沈澱蛋白質のpH 4.5希塩酸洗滌物は,粗蛋白量で80%以上,粗灰分は0.1%以下であった。
  • (第5報)酵母体蛋白賀のアルカリ抽出液のSephadexG-50による分画
    星野 直司, 白石 正之, 海老根 英雄, 渡辺 篤二
    1972 年 19 巻 8 号 p. 359-364
    発行日: 1972/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    n-パラフィンを炭素源として培養したCandida酵母および一部パン酵母を用いて,濃度および温度条件の異ったアルカリ抽出液また脱イオン水,5% TCA, 0.5%食塩水などによる抽出液について,Sephadex G-50による分子篩分画を行ない蛋白区分と核酸態物質区分に大別して比較した。
    その結果,0.125N苛性ソーダを酵母乾物g当り20ml添加して80℃, 60分間抽出すれば,pH 4.5等電点沈澱蛋白(分子量約3.5万以上と推定される)が粗蛋白中の約35%,分子量約2,000以上の蛋白では約47%が回収された。等電点沈澱蛋白には核酸態物質はほとんど移行しない。脱イオン水,0.5%食塩水および5%TCAの80℃, 60分間抽出液には,いずれも分子量が約3.5万以上の蛋白質が若干溶出され,溶出量は溶剤で差異が認められた。
  • (第1報) トマト抽出物のカロチン漂白能と抗酸化能
    三木 登, 赤津 一衛
    1972 年 19 巻 8 号 p. 365-370
    発行日: 1972/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    トマトパルプ中にあるカロチノイドは遊離のものに比べきわめて安定であることが知られている。一方果実,そ菜中にある抗酸化能をもつフラボノイドが存在することも多くの研究者によってすでに報告されている。トマトパルプ中にあるカロチノイドが安定である理由の1つとして,筆者らは抗酸化物質の存在をとり上げた。今回の実験では生トマト,トマトジュースおよび数種のフラボノイドの抗酸化能についてBLAINらが行ったcupplate assayで調べた。その結果,
    (1) トマト抽出物中にカロチン漂白能と抗酸化能を認めた。これらはBLAINらの結果と一致した。
    (2) Quercitrinに強い抗酸化能が認められた。次いでrutin, quercetinであった。Naringenin, nariginにはわずかしか認められなかった。
    (3) Cup-plate assayにおいて,カロチン漂白能が抗酸化能を大幅に上まわったとき,cupのまわりにdarkzoneをはさんで2重のbleaching zoneのできることを認めた。
    (4) トマトジュース中にも抗酸化能が認められた。しかし製品によってその活性の度合は異っていた。その原因はトマトの品種,熟度,産地などの差によるものであろうと考察した。
  • (第1報) クリ果のCA貯蔵による発芽抑制と褐変防止効果
    加藤 薫, 山下 育彦, 西岡 克浩
    1972 年 19 巻 8 号 p. 371-375
    発行日: 1972/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    クリ果をフラッシュ方式でCA貯蔵を行ない褐変防止と発芽抑制効果に対する最適貯蔵条件をみいだすため試験を行なった。
    (1) 減量は常温放置区では1か月で40%であるが,CA区やAIR区は大きな差はなく貯蔵200日目で4~8%である。しかしCA区でも湿度が低いと減量が著しい。
    (2) 貯蔵中AIR区でも発根発芽は起こらなかった。したがって,0℃で完全に低温を保持すればほぼ完全に発根発芽を抑制するものと思われる。
    (3) 水浸加熱試験の結果AIR区では3か月で褐変が起こり,CA区では5か月目ごろより褐変が始まったが,CO2:O2の9:3, 6:3は7か月でも褐変の少ないことが認められ,この程度の高炭酸ガスは,クリ果の加工時に起こる褐変を防止するのに役立つと思われ。
    (4) 褐変基質であるポリフェノール含量は貯蔵中増加するが,CA区はAIR区に比べて少ない。出庫後の含量はいずれも急増するが,とくに(CO2:O2) 9:3区は著しく増加した。
    (5) カビの発生は6か月目から出はじめ,10か月目には全体の10%になった。湿度の低いものでは若干少なかった。
    (6) 褐変状態,ポリフョノール含量,カビの発生などから考えて,加工用のクリ果としての貯蔵限界はAIR区で3~4か月,CA貯蔵では8か月ぐらいと思われる。また食用のクリ果としては10か月間の貯蔵は十分可能であると思われる。
    (7) クリ果のCA貯蔵条件としては,温度0℃のとき湿度85~90%,ガス組成CO2=6%, O2=3%が最適条件と思われる。
  • 関口 正勝, 松岡 博厚, 笹子 謙治
    1972 年 19 巻 8 号 p. 376-379
    発行日: 1972/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    うずら卵を用い,アルカ液浸漬法による皮蛋の製造を試み次の結果を得た。
    (1) 浸漬液の組成は,NaOH;5.0%, NaCl;10.0%,紅茶;2.0%のものが最も適することが認められた。浸漬期間はほぼ12日間がよく,浸漬後パラフィンコーテングし15日間以上熟成することが望ましい。
    (2) 揮発性塩基態窒素量は,浸漬期間中にはわずかな増加しかなかったが,熟成中にかなりの増加が認められた。
    (3) 硫化水素量は,浸漬期間中に著しく増加し,卵黄では熟成中に変化はなかったが,卵白では減少する傾向にあった.
  • II. 穀類のリポ蛋白質と糖蛋白質について
    山内 文男
    1972 年 19 巻 8 号 p. 380-386
    発行日: 1972/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1972 年 19 巻 8 号 p. 387-397
    発行日: 1972/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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