日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
18 巻, 6 号
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  • (第3報)アスコルビン酸3リン酸エステルの応用
    高木 誠司, 中尾 行宏, 宮脇 勝, 石井 清文
    1971 年 18 巻 6 号 p. 247-252
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    アスコルビン酸3-リン酸エステルのマグネシウム塩(AsA-リン酸Mg)を畜肉加工製品へ応用する目的で,AsA-リン酸Mgを畜肉水抽出液または肉に加えてその挙動を調べた。
    (1) AsA-リン酸Mgは畜肉の酸性ホスファターゼによってアスコルビン酸(AsA)に分解される。この場合畜肉の種類による差は認められなかった。
    (2) AsA-リン酸Mgを基質とした場合に肉中の酸性ホスファターゼは各種の金属イオンで活性化されないが,Ba2+, Zn2+などでやや阻害される。またその至適温度は約40℃であった。
    (3) 肉に加えたAsA-リン酸Mgは塩漬3日以内(5℃)でほとんど分解されてAsAになり,したがって畜肉加工製品の退色を防止する点でアスコルビン酸ナトリウム(AsA-Na)と同一の効果を示す。
    (4) 亜硝酸ナトリウムと共存した製剤中でのAsA-Naは高湿度の下では容易に分解するが,AsA-リン酸Mgは安定であった。
  • 大高 寿彦, 野村 男次
    1971 年 18 巻 6 号 p. 253-258
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    Freeze drying products of citrus juice have not been industrialized in Japan. "Puffing" phenomenon is one of problems to be solved.
    As the result of an investigation on the freeze drying of citrus juice, the following conclusions were obtained:
    Free water to some extent in the citrus juice was necessary for well performed freeze drying. Considerable amount of bound water was contained in concentrated cirtrus juice, which causes puffing phenomenon during freeze drying when it is difficult to evaporate. Freeze drying of concentrated citrus juice of which moisture level is over 50% including free water is possible to perform well. Ice grifting gave the best result for freezing of citrus juice, especially when slow freezing process at comparatively high temp. was employed instead of super cooling at lower temp.
  • (第5報) リコピンおよびβ-カロチンの熱分解について
    中川 弘毅, 櫛田 恒夫, 小倉 長雄, 竹花 秀太郎
    1971 年 18 巻 6 号 p. 259-263
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    リコピンおよびβ-カロチンをn-ヘプタン,ジオキサンおよびTween 20水溶液中に分散,溶解させ,100°~130℃の加熱による分解初期反応を調べた。その結果,
    (1) 各溶媒中での分解初期反応は一次反応である。
    (2) 各溶媒中でβ-カロチンはリコピンに比較して安定である。
    (3) β-カロチンおよびリコピンの分解反応速度は,ジオキサン中で最も速く,ついで,Tween 20, n-ヘプタンの順である。
    (4) 大きい活性化自由エネルギーをもたらす溶媒ほど分解がおそく,活性化エネルギー,活性化エンタルピー,活性化エントロピーが大きいほど,分解速度が速い傾向が認められた。
  • 高坂 和久, 小沢 総一郎, 檀原 宏
    1971 年 18 巻 6 号 p. 264-271
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    ベーコンのγ線処理は,線量としては3 Mradが適正で,15℃に保存して3ヵ月以上,そのshelf-lifeを保つことが認められた。107/g以上の生菌数で,大腸菌群陽性(+)という,人為的に汚染させたベーコンも,3 Mradでは,照射直後生菌数が103以下/g,大腸菌群が陰性(-)となり,3ヵ月後もこの状態を保った。いいかえれば,細菌はほとんど死滅していた。
    また,品質への影響は,照射直後に若干の照射臭を生じたが,1ヵ月後には清滅した。しかし,脂肪の酸化は促進される傾向がみられ,3ヵ月後に酸敗臭が感じられた。
    5 Mradは,照射臭,脂肪酸敗臭において3 Mradより激しく,殺菌効果は3 Mradで十分なことから,必要以上の線量と考えられる。
  • (第1報) モデル食品中の油脂の酸化
    後藤 美代子, 白浜 武人, 中川 貞志郎, 柴崎 一雄
    1971 年 18 巻 6 号 p. 272-276
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    動物性油脂としてヘット,サンマ油,植物性油脂としてサフラワー油,ナタネ油,大豆油,綿実油,脂肪酸としてステアリン酸,オレイン酸,リノール酸を用いてセライトを骨格としたモデル食品を作り,30,0,-20℃の各種温度に12週にわたって保蔵,油の酸化をTBA値,POVを測定することにより検討した。
    その結果,油脂ではサンマ油の酸化が他より著しく,また保蔵温度は30℃のような高温が著しいが,-20℃のような低温では比較的安定であった。これに比較して脂肪酸では飽和のものは安定であったが,不飽和のものでは-20℃のような低温でも不安定で,しかも不飽和度の高いほど酸化が著しかった。
  • (第2報) リノール酸酸化に及ぼす各種食品成分の影響
    後藤 美代子, 柴崎 一雄
    1971 年 18 巻 6 号 p. 277-283
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    精製セライトを骨格としてこれにリノール酸を混合し,各種食品成分(グルコース,シュークロース,可溶性デンプン,グリシン,グルタミン酸ナトリウム,ペプトン,卵白アルブミン)をリノール酸に対し0.1, 1.0,5.0, 10.0%の各濃度に添加したモデル食品を作り,30℃に保蔵し,添加成分のTBA値および重量変化に対する影響を検討した。
    その結果,グルコース,シュークロース,可溶性デンプンは初期段階ではやや酸化促進性が見られたが,その他には明らかな影響はなく,添加濃度にも無関係であった。これに対して,グリシン,グルタミン酸ナトリウム,ペプトン,卵白アルブミンはいずれも抑制作用が見られるようであって,添加濃度の高い方がその作用は大きかったが,リノール酸に対して0.1%添加した場合はあまり影響が見られず,また5.0%以上では,濃度差の影響は大きくないようであった。またこれらの窒素化合物では共通して試料の黄色化と,リノール酸酸化による酸敗臭とは異なった不快臭が見られ,この現象は5.0%以上の添加濃度で顕著であった。
  • (第1報) ジェリー強度,および角寒天1本の重量の分布
    松橋 鉄治郎, 高橋 文一, 北沢 利美
    1971 年 18 巻 6 号 p. 284-287
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    昭和36~43年度,長野県産寒天のジェリー強度別度数分布,および角寒天1本の重量別度数分布を明らかにし,寒天の品質評価改善の基礎資料とした。
  • (第2報) 角寒天および細寒天の融点の分布,ならびに融点とジェリー強度の相関関係
    松橋 鉄治郎, 北沢 利美
    1971 年 18 巻 6 号 p. 288-290
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 昭和43年度長野県産,角寒天および細寒天の合計1,335点の融点(見かけ濃度,1.5%ゲル)は74.5~95.0℃の範囲にあり,その全平均値は85.1℃であった。
    (2) 融点が85℃未満のものの度数分布は63.6%,また90℃以上のものの度数分布は17.4%であった。
    (3) 全試料を一群とした場合融点とジェリー強度とは,有意水準0.999以上で相関した。
    しかし,任意のジェリー強度値における融点の最大隔差は,およそ10℃前後であった。
    (4) 融点・ジェリー強度の関係図において,融点の傾向線(t'm)は,ジェリー強度(s')380~390を境にして,2群に分れると思われた。
  • (第3報) アルゼンチン産オゴノリを主原料とした寒天,および日本産テングサ類を主原料とした寒天の融点および凝固点の分布
    松橋 鉄治郎, 北沢 利美, 高橋 文一
    1971 年 18 巻 6 号 p. 291-295
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 昭和43製造年度における長野県産角寒天および細寒天のうち,主原料がアルゼンチン産オゴノリ(A),または日本産テングサ類(G)であることが比較的明らかな製品,総数248点の融点および凝固点(見かけ濃度1.5%)を測定した結果は,Aのそれぞれの平均値は79.3℃および38.7℃,Gのそれぞれの平均値は87.3℃および35.5℃であった。
    (2) A, G2群の,おのおのの融点の度数分布,ジェリー強度に対する融点の回帰線,凝固点の度数分布,融点と凝固点との関係,あるいは,融点と凝固点の温度差のジェリー強度別分布を比較した結果,両者は互いに異なる寒天群と認められた。
    すなわち,アルゼンチン産オゴノリから調製した寒天は従来の日本産寒天とは異なる性質を示した。
    (3) アルゼンチン産オゴノリをアルカリ処理しなかったものと,九州産およびチリー産オゴノリをアルカリ処理したものとを,いろいろな配合比にして抽出,製造した試製寒天の「融点・ジェリー強度」相関図,などの解析結果も,前記2項の結果とよく符合した。
  • 1971 年 18 巻 6 号 p. 296-298
    発行日: 1971/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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