精製セライトを骨格としてこれにリノール酸を混合し,各種食品成分(グルコース,シュークロース,可溶性デンプン,グリシン,グルタミン酸ナトリウム,ペプトン,卵白アルブミン)をリノール酸に対し0.1, 1.0,5.0, 10.0%の各濃度に添加したモデル食品を作り,30℃に保蔵し,添加成分のTBA値および重量変化に対する影響を検討した。
その結果,グルコース,シュークロース,可溶性デンプンは初期段階ではやや酸化促進性が見られたが,その他には明らかな影響はなく,添加濃度にも無関係であった。これに対して,グリシン,グルタミン酸ナトリウム,ペプトン,卵白アルブミンはいずれも抑制作用が見られるようであって,添加濃度の高い方がその作用は大きかったが,リノール酸に対して0.1%添加した場合はあまり影響が見られず,また5.0%以上では,濃度差の影響は大きくないようであった。またこれらの窒素化合物では共通して試料の黄色化と,リノール酸酸化による酸敗臭とは異なった不快臭が見られ,この現象は5.0%以上の添加濃度で顕著であった。
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