日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
21 巻, 3 号
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  • (第4報) コンアラキンIとIIのカラムクロマトグラフィによる分画精製
    四ッ橋 一公, 柴崎 一雄
    1974 年 21 巻 3 号 p. 111-115
    発行日: 1974/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    コンアラキンIとIIをSephadex G-200によるゲルろ過カラムクロマトグラフィでコンアラキン画分から分画し,再ゲルろ過およびDEAE-Sephadex A-50にょるイオン交換カラムクロマトグラフィで精製した。
    コンアラキンIは,沈降定数1.7S (蛋白質濃度0.75%)で,pH 8.6でイオン強度による解離会合変化をせずまたサブユニット構造を形成していないが,ゲル電気泳動の結果,数種類の蛋白質からなる多成分系であった。紫外部吸収スペクトルは274nmに最大吸収(E1%1cm=4.02)を示した。
    コンアラキンIIは,2.1S(蛋白質濃度0.72%)のサブユニットからなる7.8Sの蛋白質で,イオン強度を減少させると13.0S成分に会合した。ゲル電気泳動におけるサブユニット間の易動度の差異は認められなかった。紫外部吸収スペクトルは279nmに最大吸収(E1%1cm=7.25)を示した。
  • (第12報) 大豆水抽出蛋白質の溶解法に及ぼすpHと加熱の影響
    大久保 一良, 柴崎 一雄
    1974 年 21 巻 3 号 p. 116-121
    発行日: 1974/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    各pHにおける水抽出蛋白質の溶解性に及ぼす加熱の影響を調べた結果,pH3.5~6.5では加熱処理により等電点近くの極小値がさらに低くなり,その巾が広がって幾分アルカリ側にずれ,とくにpH6の70℃以上でその溶解度差に著しい極小値が認められた。しかし,pH6.5~8.5および3.5では加熱することによりその溶解性が増した。また,規準溶媒への溶解性に及ぼすpHと加熱の影響を調べた結果,pH3~7の70℃以上の加熱処理で著しい不溶化が認められたが,より酸性あるいはアルカリ性では加熱処理による不溶化は認められなかった。
    水抽出液の各蛋白質成分の挙動に及ぼすpHと加熱の影響について検討した結果,主会合体成分は,pH3~9におけるより高い加熱処理でも検出されたが,より酸性およびアルカリ性になるにつれて解離し,さらに凝集体に変化する傾向のあることが認められた。また,C (11S)とD(7S)成分は必ずしも同一挙動を示さず,pH3以下ではD成分が,pH9以上ではC成分がむしろそれぞれ安定であった。さらにC, D成分の解離B, B'については,処理pHと温度のその存在領域が認められ,pH3以下ではBの,pH9以上ではB'のそれぞれより広いその存在領域のあることがわかった。
  • (第5報)コンアラキンIとIIの分子形とサブユニット構造について
    四ッ橋 一公, 柴崎 一雄
    1974 年 21 巻 3 号 p. 122-125
    発行日: 1974/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    コンアラキンIは多成分系で,N末端アミノ酸がGly, Thr, Ser(1:1:1,DNP法),平均分子量が17,000(1.8S,沈降-拡散法)の3主成分からなっていた。それらの平均軸比は,分子を偏長回転楕円体で水和量30%と仮定すると,摩擦係数f/f0=1.233から2.9,固有粘度〔η〕=0.043dl/gから3.2と推定された。
    コンアラキンIIは,N末端アミノ酸がGly,(I)Leu,Asp, Glu(2:1:1:1)で,平均分子量38,000の5本のサブユニットからなり,その単量体(8.2S,分子量180,000)の軸比はf/f0=1.442から5.5,〔η〕=0.073dl/gから5.6,二量体(13.3S,370,000)ではf/f0=1.433から5.4,〔η〕=0.067dl/gから5.1と推定された。
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