カラシ加工製品としてのカラシ漬,練りカラシ,種子状カラシ(香味成分であるアリル芥子油を含有した乾燥種子),粉末カラシ(種子状カラシを粉砕したもの)について香気持続性を検討した。
1. 練りカラシ
(1) 粗sinigrin,粗酵素液でクエン酸および炭酸ソーダを用いた条件でmyrosinase活性の至適pHは5.0~6.0,温度50~60℃であった。
(2) アミノ酸類は生成されたアリル芥子油を減少させる原因になり,食用油,ソルビット,水飴は減少防止効果があった。
(3) アリル芥子油の持続性には食塩とpHの影響が大きく,塩分4.5%でpH3.8~3.3,塩分9.1%ではpH4.0~3.6が良好であった。
2. 種子状カラシ
(1) 種子中でのアリル芥子油生成は種子対浸漬湯の重量比1対2がよく,浸漬温度は65℃,時間は4時間が最適であった。
(2) 生成されたアリル芥子油の持続性は浸漬種子を十分に乾燥するほどよく,温度も70℃附近が適し,さらに乾燥種子を粉末にする場合,種子浸漬時にグルコースを添加すると持続効果が認められた。
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