日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
16 巻, 10 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 三好 英晁
    1969 年 16 巻 10 号 p. 441-445
    発行日: 1969/10/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    カラシ加工製品としてのカラシ漬,練りカラシ,種子状カラシ(香味成分であるアリル芥子油を含有した乾燥種子),粉末カラシ(種子状カラシを粉砕したもの)について香気持続性を検討した。
    1. 練りカラシ
    (1) 粗sinigrin,粗酵素液でクエン酸および炭酸ソーダを用いた条件でmyrosinase活性の至適pHは5.0~6.0,温度50~60℃であった。
    (2) アミノ酸類は生成されたアリル芥子油を減少させる原因になり,食用油,ソルビット,水飴は減少防止効果があった。
    (3) アリル芥子油の持続性には食塩とpHの影響が大きく,塩分4.5%でpH3.8~3.3,塩分9.1%ではpH4.0~3.6が良好であった。
    2. 種子状カラシ
    (1) 種子中でのアリル芥子油生成は種子対浸漬湯の重量比1対2がよく,浸漬温度は65℃,時間は4時間が最適であった。
    (2) 生成されたアリル芥子油の持続性は浸漬種子を十分に乾燥するほどよく,温度も70℃附近が適し,さらに乾燥種子を粉末にする場合,種子浸漬時にグルコースを添加すると持続効果が認められた。
  • 張 堅二, 山内 邦男, 津郷 友吉
    1969 年 16 巻 10 号 p. 446-452
    発行日: 1969/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) バター脂肪をランダムエステル交換(random interesterification)するときの条件を細かく検討した結果,触媒(ナトリウムメトキサイド)量0.3%, 60℃で1時間処理を適当と認めた。
    (2) バター脂肪のエステル交換による性質の変化を調べた結果,融点と高融点グリセリド(HMG)含量は処理により増大した。硬度の変化は試料により異なった。また,エステル交換によりパルミチン酸(C16)がHMGに集中してくることが認められた。
    (3) 結晶化法で分別したバター脂肪のフラクションの性質を調べた結果,沃素価,融点および硬度はフラクション間で著しく相違した。このフラクション間の性質の相違はバター脂肪をあらかじめエステル交換したときにさらに増大した。C16酸は天然のバター脂肪では各フラクションに比較的均等に分布しているが,エステル交換すると高融点側のフラクションに集中する傾向があり,C18-1では逆の傾向が認められた。
    (4) エステル交換したのちに結晶化法で分別したバター脂肪の各フラクションをさらにそれぞれエステル交換したときの性質の変化を調べた結果,高融点側のフラクションは再処理によりあまり変化しなかったが,低融点のフラクションは再処理により明らかに変化することを認めた。
  • 前梶 健治, 今井 寛
    1969 年 16 巻 10 号 p. 453-457
    発行日: 1969/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    The effect of factors as temperature, moisture of powder and atomospheric oxygen on the deterioration of konjac powder during storage was studied. The degree of the deterioration of powder was determined by estimation of reduced viscosity of aqueous solution.
    Under the condition that surrounding oxygen is replaced by nitrogen, the reduction velocity of apparent viscosity is expressed as
    -Δη'/ti=a1iC+b1i
    and under oxygen is in contact with powder, as
    -Δη'/tj=a2iCC2+b2i
    where -Δη' is the reduction of apparent viscosity (poise), t the period of storage (day), a and b the constants and C the content of moisture (%). An increase of temperature results in the increase of ai and decrease of bi.
    For prevention of deterioration, it is necessary to keep the value of reduction velocity in the range -Δη'/t≤0. The content of moisture (C) in the range of this value is given by
    C≤20-0.3T
    wher T is the temperature (°C.). This equation is true regardless of atomospheric oxygen, therefore, the substitution of surrounding oxygen with inert gas has no effect on the prevention of deterioration of konjac powder within the value of the range.
  • 慶田 雅洋, 綿貫 雅章, 津郷 友吉
    1969 年 16 巻 10 号 p. 458-463
    発行日: 1969/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    有胞子乳酸菌B. coagulansの4菌株(IAM 1115,同1146,同1171および同1194)の香気生産性について検討した。B. coagulansにはくえん酸の利用性は認められなかった。B. coagulansを他の乳酸菌と併用した混合スターターを使用した場合には,製品の香味が改良されることを認めた。すなわちヨーグルト製造の際にはB. coagulans IAM 1194の併用が良好な風味を示し,カテージチーズの製造の場合には同IAM 1146およびIAM 1171を使用した場合に酸味および香気の強い製品が得られ,ジアセチルおよびアセトイン含量も対照に比較して高い値を示した。この増加がB. coagulansに由来するものであるか否かについてはさらに検討する必要がある。カテージチーズを48時間冷蔵した場合に,B. coagulans添加区ではアセトインの増加が認められた。
  • (I) 醋酸の揮発性について
    伊奈 和夫, 中沢 悦子
    1969 年 16 巻 10 号 p. 464-468
    発行日: 1969/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 食酢中の酢酸の香り立ちをGLC, Head space vapor法にて検討し,塩類を添加する方法により醸造酢,混合酢,合成酢の香り立ちの差を認めることができた。
    (2) 混合酢,合成酢にアルコール性水酸基を有する物質またはアミノ酸を添加することで両酢中の醋酸の香り立ちを醸造酢と同じようにすることができた。
  • 第5報 大豆3-sn-phosphatidylethanolamineの構成脂肪酸
    木村 繁昭, 柴崎 一雄
    1969 年 16 巻 10 号 p. 469-473
    発行日: 1969/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    大豆3-sn-phosphatidylethanolamineは硝酸銀薄層クロマトグラフィーで4バンドに分離されRfの大きいものよりSBE-1~4と命名した。SBE-1はリノール酸45.0%,オレイン酸12.3%, SBE-3はリノール酸19.4%,アラキドン酸9.0%,エイコサトリエン酸,エイコサジエン酸おのおの1.9%, SBE-4はアラキドン酸37.3%で不飽和度により分画されることが明らかになった。いっぽう硝酸銀カラムクロマトグラフィーで構成脂肪酸を異にするフラクションI, II, II', III, III', IV, V, VI,VIIに分画されたので,おのおのの構成脂肪酸を同様に明らかにした。なおフラクションIIはSBE-1に,フラクションVIはSBE-3に相当した。
  • (第5報)スイカ(Citrullus vulgaris)果実の揮発性成分
    片山 脩, 金子 勝芳
    1969 年 16 巻 10 号 p. 474-479
    発行日: 1969/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    スイカ果実の揮発性成分を低温真空蒸溜法で回収,ethyl chlorideで抽出,濃縮し,ガスクロマトグラフイーおよび薄層クロマトグラフィーにより分離,検出を行なった。
    カラムにPEG 1500を用いたガスクロマトグラムで58成分,Tween 60のカラムで46成分が検出された。PEG1500による相対保持時間から26成分を推定したが,このうち17成分はTween 60での推定と一致した。2, 4-DNPH処理によるカルボニル化合物除去を行なった揮発性成分のガスクロマトグラムでは9成分の消失がみられた。しかし2, 4-DNPH誘導体の薄層クロマトグラフィーで分離されたカルボニル化合物は7成分であった。スィカ果実の果肉部と果皮部では揮発性成分の量的な組成に差異がみられ,果肉部では高沸点成分の占める比率が大きく,反対に果皮部では低沸点成分の比率が大きいことが認められた。
  • 宮崎 基嘉
    1969 年 16 巻 10 号 p. 480-485
    発行日: 1969/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1969 年 16 巻 10 号 p. 486-490
    発行日: 1969/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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