日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
26 巻, 8 号
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  • スモモ果実に関する食品化学的研究(第4報)
    小宮山 美弘, 原川 守, 辻 政雄
    1979 年 26 巻 8 号 p. 325-330
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 6品種のスモモ中のポリフェノール含量とその組成を明らかにし,破砕時の酵素的褐変との関係について検討した。
    (2) 全ポリフェノール含量は167(サンタローザ)~250mg%(ソルダム)であった。フラバノール型タンニンとクロロゲン酸の比率はおおよそ1:1で,両者で全ポリフェノールの86~99%を占めた。
    (3) 破砕時の酵素的褐変度合はメスレーが最も大きく,以下ソルダム,大石早生,ビューティおよびホワイトプラムの順序で,サンタローザは全く変化しなかった。
    (4) 酵素的褐変度はpH4.5~5.0,温度は35℃付近が最も大きかった。
    (5) ポリフェノール抽出液はメタ重亜硫酸カリウムの添加により30℃で50日間は安定であった。
  • スモモ果実に関する食品化学的研究(第6報)
    小宮山 美弘, 原川 守, 辻 政雄
    1979 年 26 巻 8 号 p. 331-336
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    山梨県産大石早生スモモを3℃と20℃にそれぞれ30日および8日間貯蔵し,また低温貯蔵の影響を調べるため3℃から20℃に経時的に移して貯蔵した。20℃で貯蔵すると硬度と重量は急激に減少し,果皮は赤色化して,この間で品質は著しく低下した。化学成分組成にも変化が認められ,主にアミノ態窒素とシュークロースが増加し,滴定酸度,グルコースおよびフラクトースが減少した。収穫期のペクチンはほとんどが塩酸可溶性ペクチンであるが,貯蔵中水溶性ペクチンの増加に伴い急激に減少した。3℃に貯蔵した場合,軟化と重量の減少を除くと顕著な変化は認められなかった。一方3℃から20℃に貯蔵した場合は20℃貯蔵と同様な変化を示した。スモモジュース中の遊離アミノ酸はいずれの場合も貯蔵中増加の傾向で,特に20℃で8日間貯蔵後のアラニンが,収穫期のそれの7~8倍に増加した。
    また貯蔵中のスモモの呼吸量は貯蔵温度上昇に伴い増加した。
  • ブドウ果汁の品質に関する研究(第8報)
    太田 英明, 吉村 浩三, 山田 公政, 筬島 豊
    1979 年 26 巻 8 号 p. 337-341
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ある種の無機塩,有機酸および糖の添加によるアントシァニン色素溶液の濃色化機構を解明するために,過塩素酸ナトリウム(NaClO4)添加に伴うmalvidin-3,5-diglucoside chlorideの分光学的およびポーラログラフ的挙動を酸性溶液中で検討した。
    (1) pH 2.3でNaClO4濃度の増加に伴いフラビリウム塩の吸光度(λmax520nm)は増大し,また紫外部のλmax275nmの吸光度も増加した。
    (2) pH 4.0でNaClO4添加に伴い第1波(-0.46Vvs. SCE)は陽電位移行すると共にその波高は増大した。これに対して第2波(-0.92V vs. SCE)の波高は減少し消失した。
    (3) NaClO4添加に伴う分光学的およびポーラログラフ的挙動はpHの低下によるそれらの変化と良く対応していた。
    (4) NaClO4の添加によって,フラビリウム塩(発色形)-カルビノールベース(非発色形)の平衡がフラビリウム塩側に移行した。
    (5) 以上の結果から,アントシアニン色素溶液のNaClO4添加による濃色化効果(E520nmの増大)は,カルビノールベース(非発色形)をフラビリウム塩(発色形)に変化させることに起因すると推定した。
  • 伊藤 均, EDWARD G. SIAGIAN
    1979 年 26 巻 8 号 p. 342-345
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    揚かまぼこのガンマー線照射による貯蔵期間延長を目的として,10℃における貯蔵効果とミクロフローラの変化について検討した。供試品は保存料無添加のもので,照射前にK-セロハンで窒素ガス置換包装を行った。
    非照射品は3~6日貯蔵で1g中の菌数が105~106個に達し,MicrococcusやMA菌,乳酸菌,酵母菌,糸状菌などが増殖してきた。いぽう,300krad照射すると酵母菌のみが増殖してきたが,生育がゆるやかなため1g中の菌数が105個に達するのに約20日要した。各分離株の放射線感受性をしらべたところ,灰黒色の糸状菌Spicariaが著しい放射線抗抵性を示した。食味に対するガンマー線照射の影響は500kradでもほとんど認められなかった。
  • 醤油成分による油脂可溶化現象(第10報)
    小野 文夫
    1979 年 26 巻 8 号 p. 346-350
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    糖と蛋白質からなる混合ミセル溶液を水相とする油脂可溶化方法を油溶性色素の被覆処理に応用した。パプリカオレオレジンおよびβ-カロチン油溶液の可溶化物を60℃下で減圧乾燥したのち解砕して顆粒化を行ったところ,色素の高い被覆率とともに,安定性の顕著な改善を認め,水分散性の付与ともあわせ,油溶性色素の加工適性は高められた。
  • スモモ果実に関する食品化学的研究(第7報)
    小宮山 美弘, 原川 守, 辻 政雄
    1979 年 26 巻 8 号 p. 351-355
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    山梨県産ソルダムスモモを3℃と20℃にそれぞれ15日および30日間貯蔵し,また低温貯蔵後の品質を調べるため3℃から20℃へも経時的に移して貯蔵した。20℃で貯蔵すると硬度と重量は急激に減少し,果皮と果肉は赤色化し,貯蔵後7~10日間で品質は著しく低下した。化学成分のうち,主にアミノ態窒素,全糖およびポリフェノール成分の増加が認められた。収穫期のペクチンはほとんどが塩酸可溶性ペクチンであるが,貯蔵中水溶性ペクチンの増加に伴い急激に減少した。3℃で貯蔵した場合,軟化と重量の減少を除くと顕著な変化は認められず,30日間の貯蔵が可能であった。いっぽう3℃から20℃に貯蔵した場合は,急激な品質変化を生じた。スモモジュース中の全遊離アミノ酸はいずれの場合も増加したが,貯蔵後期には減少した。プロリンは20℃で顕著に増加し,アラニンは収穫期の8倍量まで増加した。
  • 吉田 博, 菅原 龍幸, 林 淳三
    1979 年 26 巻 8 号 p. 356-359
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    大分県産春子の干しシイタケ8銘柄について,その呈味成分と考えられる遊離糖,遊離糖アルコールおよび有機酸含量を比較検討した。
    (1) 遊離糖としてトレハロース,遊離糖アルコールとしてD-マンニットとD-アラビットが確認された。乾重量あたりのトレハロースは3.7~9,4%,D-マンニットは22~6.2%,D-アラビットは1.2~7.7%であり,冬?系銘柄にはトレハロースとD-アラビットが,香信系銘柄にはD-マンニットが多かった。
    (2) 有機酸含量は乾重量あたり,1.1~1.5%で,10種類の有機酸が同定された。主要な有機酸はリンゴ酸,フマル酸,ピログルタミン酸,クエン酸で,この4種の有機酸で全有機酸量の86~92%を占めた。なお,香信系銘柄にはフマル酸が,冬?系銘柄にはピログルタミン酸とクエン酸が多い傾向にあったが,リンゴ酸は両系に差がみられなかった。
  • 高橋 浩司, 近藤 泰男, 沢野 勉, 森 雅央
    1979 年 26 巻 8 号 p. 360-361
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    Three kinds of coffee beans (Colombia, Santos, and Madagascar) roasted to four roasting stages respectively, were brewed by the cup-test procedure, and pH values were measured immediatly. The pH value of any kind of coffee fell to minimum at light roast, but began to rise at a subsequent roasting stage. The degree of this falling pH increased by order of Madagascar, Santos, and Colombia. Along the lowering temperature from 70°C to 26°C, the pH fell within ranges of 0.04-0.26. Santos indicated relatively susceptible effect of temperature on the otherhand, Colombia indicated moderate effect, and Madagascar, indicated little effect. It was suggested that these results correlated to organoleptic quality of coffee used in this experiment.
  • Studies on the Soaking Process of Soybeans (Part 1)
    中村 以正, 来栖 恵二, 中川 允利
    1979 年 26 巻 8 号 p. 362-364
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    The rate of water absorption of U.S. soybeans has been measured at temperatures ranging from 5°C to 70°C, and initial moisture levels ranging from 4.2 to 12.7%. The rate of water absorption was markedly influenced by the soaking temperature; apparent activation energy for the water absorption was calculated to be 9400cal. mole-1. Apparent specific surface area of soybeans increased linearly with an increase in water content of beans. Rate coefficient of water absorption, on the contrary, decreased with an increase in water content of the beans. No fundamental difference was observed in the rate of water absorption of sound and abrased soybeans.
  • 1979 年 26 巻 8 号 p. A32-A37
    発行日: 1979/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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