日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
12 巻, 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 液糖中の固型物量の測定
    長谷 幸, 高月 信子, 鈴木 繁男
    1965 年 12 巻 12 号 p. 507-513
    発行日: 1965/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    ショ糖を主体とした種々の混合液糖の固型物量測定法として,乾燥法,比重法,屈折率法を比較検討した結果,下記の結果を得た。
    (1) ブドウ糖溶液はショ糖溶液よりも低い比重を示し,ブリックス度として表わすときは,真の固型物量よりも小さい数値を示す。両者の混合溶液は中間的な数値を示す。
    (2) レフブリックス度もブリックス度とほぼ同じ関係にある。
    (3) 液糖の固型物量測定法として,プラスチックス・フィルム法を用いる場合は,90℃ 5時間,95℃ 4時間の条件が適当と思われる。混合糖液はショ糖単独の溶液よりも,水分は出にくいようである。果糖が存在するときは,熱による分解に留意すべきである。
    (4) ブリックス度測定の際は,2倍希釈が適当である。
    (5) ショ糖溶液は,乾燥法による固型物量とブリックス度がよく一致した。混合糖液では,乾燥法によるものが0.2~0.5%高い数値を示した。これは,ブドウ糖,果糖などの比重,屈折率がショ糖よりも小さいための影響と考えられる。混合率によりその数値が異なってくるが,ブリックス度で固型物量を表わすときには,この点に留意する必要があると思われる。
  • 混合糖液中のブドウ糖の測定
    長谷 幸, 福本 義之, 鈴木 繁男
    1965 年 12 巻 12 号 p. 514-521
    発行日: 1965/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    現在目標とされている混合液糖中の,ブドウ糖量測定法について検討した。次亜ヨウ素酸法を用い,その際におけるアルカリの種類と濃度と使用量,反応時間,測定時の温度などの条件を変えて,共存するショ糖,果糖の影響の少ない測定条件を求めることを目的として,本実験を行ない,下記の結果を得た。
    (1) ショ糖,果糖の共存量が多くなると,その影響をうけて,測定値は過大となる。とくに水酸化ナトリウム溶液を用いる条件で著しい。
    (2) 供試液10ml中のブドウ糖量を約0.1gに規制し,それに対して0.1Nヨウ素溶液20ml, 0.25N炭酸ナトリウム溶液20ml,反応時間30分間の条件では,相当多量のショ糖,果糖の共存下でも比較的正確に,ブドウ糖量を測定し得る(約2%以内の過大値で)。
    (3) 果糖はショ糖よりもブドウ糖測定値に,大きい影響をあたえる。測定時の温度による影響も大きいので,20℃付近での測定が望ましい。
    (4) 0.1Nヨウ素溶液1mlに相当するブドウ糖量は,測定条件によって多少変動する。同一条件でも,測定時の温度が異なると変動するので,試料と同時に基準ブドウ糖液の測定を行ない,その数値を基準として求めることが望ましい。
  • 大豆蛋白質の澱粉ゲル電気泳動分析
    柴崎 一雄, 大久保 一良
    1965 年 12 巻 12 号 p. 521-527
    発行日: 1965/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    トリス-クエン酸緩衝液,尿素およびメルカプトエタノールを用い大豆蛋白質の澱粉ゲル電気泳動法の検討を行なった。古くからの各種の抽出法および新しい分画法で得られたものを凍結乾燥して試料とし,成分あるいは純度を調べた。抽出率のもっともよい緩衝溶液抽出蛋白質の泳動の結果,少なくとも陽極方向に泳動する11成分と陰極方向に泳動する3成分が検出された。水抽出および酸沈殿蛋白質の泳動図は非常によく似ており,緩衝溶液抽出蛋白質とほぼ同様の成分が検出された。陽極方向に泳動する成分8, 9, 10と陰極方向に泳動する成分12, 13, 14は低温,透析処理で同一挙動を示し,CIFとグリシニンにとくに多く検出された。本泳動法で検討すると古くから行なわれた硫安分画法では十分に分画されないことが明らかにされた。WOLFらが大豆蛋白質の主成分であると考えた水抽出液の低温不溶区分(CIF)には少なかったが,緩衝溶液,水抽出および酸沈殿蛋白質の泳動図で最も呈色度が強く主成分と考えられた成分10およびアルブミンと推定される2分画区分を得ることができた。
  • 酸化防止剤の使用条件と油脂食品の保存性との関係
    梶本 五郎, 井上 昭, 湯本 甫, 加茂 公子
    1965 年 12 巻 12 号 p. 527-532
    発行日: 1965/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    オコノミアラレ中に混ぜられているチラ紙,洋半紙をBHA濃度の異なるアルコール溶液に浸漬し,BHAの吸収量の異なるBHA処理紙および処理洋紙を調製し,オコノミアラレ,フライ豆,ピーナッツ,即席麺などに対しBHA濃度が0.01~0.03%になるようBHA処理紙および処理洋紙をいれまぜ,いわゆる間接添加法にて保存実験を行なった。
    (1) フライ豆,オコノミアラレ,ピーナッツなどにBHA濃度が0.01~0.03%になるようBHA処理紙および処理洋紙(BHA吸収量3mg/枚~3.2mg/枚)をいれたものは,保存性が高められ,噴霧法(酸化防止剤を含まない大豆油で,フライ豆,オコノミアラレを調製し,またピーナッツなどにBHA濃度が0.01%になるよう0.1% BHAアルコールを噴霧したもの)と効果は変わらず,高い酸敗防止性を示した。
    (2) 酸化防止剤の種類と(BHA, BHT, PG, BHAとBHTの等量混合物)間接添加法による保存性実験ではBHAがもっとも酸敗防止効果があり,ついでBHT,BHAとBHTの等量混合物の順で,PGは効果が認められなかった。
    (3) フライ豆,オコノミアラレ各150gにBHA濃度が0.01%になるようBHA吸収量1mg/枚のBHA処理紙は15枚,吸収量3mg/枚のものは5枚,7.5mg/枚のものは2枚と枚数のみをかえて保存性を調べたが,その効果はほとんど差がなかった。
  • 西出 英一
    1965 年 12 巻 12 号 p. 533-534
    発行日: 1965/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    PGA中の解離基の挙動を知るため,コロイド滴定法を用いて種々検討した結果,つぎのような知見が得られた。
    (1) プロピレングリコール基で囲まれた解離基でもコロイド滴定法が適用でき,解離基の挙動が推測できる。そのコロイド滴定曲線はNa-algのそれとはかなり異なり,特異な曲線をしめす。
    (2) PGA中の解離基はpH 3~7.5域で一定解離をしめす。
    (3) PGA中の解離基は濃度に比例して増大する。
    (4) 当量/g値が濃度の減少により増大することより,PGA中の解離基はNa-algの解離基とはことなった挙動をしめすことがわかった。
  • オソン類の生成
    倉田 忠男
    1965 年 12 巻 12 号 p. 535-542
    発行日: 1965/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1965 年 12 巻 12 号 p. 543-550
    発行日: 1965/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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