日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
14 巻, 9 号
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  • 梶田 武俊, 三宅 桂子, 菅木 和美, 高田 厚子, 岸田 典子, 長谷川 千鶴
    1967 年 14 巻 9 号 p. 381-385
    発行日: 1967/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    茶の浸出条件を異にした場合の,溶出カリウム,ナトリウム,リン量が茶の品質によってどのように変化するかを追求し,次のような結果を得た。
    (1) 製茶においては品質のよいものほど,カリウム,ナトリウム,リンを多く含み,ことにカリウムは茶の灰分中,もっとも主要な無機成分であることを認めた。
    (2) 浸出温度が高く,また浸出時間が長くなるほど,カリウム,ナトリウム,リンのいずれも溶出量は増加することを認めた。
    (3) 浸出水の沸騰時間による影響は,茶の種類によってまちまちで,カリウム,ナトリウム,リンいずれも溶出量に一定の傾向は認められなかった。
    (4) 浸出する水の種類による影響は,ナトリウムは井戸水でもっとも多く溶出され,カリウム,リンは水道水よりも井戸水,純水で溶出率が高いことを認めた。
    このように水の種類によって溶出される成分量に差異を生ずる原因については目下検討中である。
    (5) カリウム,ナトリウム,リンはいずれも製茶品質のよいものほど溶出量もまた多く,茶の品質と溶出量との間に密接な関係があることを認めた。
    (6) 葉位別においては,カリウム,リンは上位葉ほど多いが,ナトリウムは一定の傾向がみられなかった。
  • L-アスコルビン酸およびエリソルビン酸の分解におよぼす無機酸の影響
    梶田 武俊
    1967 年 14 巻 9 号 p. 386-389
    発行日: 1967/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    以上の実験結果を要約すると,AA・EA水溶液にH2SO4およびクエン酸を添加し,強酸性下で酸素を通気しつつ30℃で180分反応させると,両酸間に約40%の差がみられた。なおこの差には再現性があり,濃度変化および混合割合と分解率間には直線的関係が成立することを認めた。これらの結果より分解を利用することにより,AAとEAとの分離定量が可能であると考えられる。
  • 野口 雅敏, 山田 憲司, 清水 英男, 牧田 勝行
    1967 年 14 巻 9 号 p. 390-393
    発行日: 1967/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    トマト果実中の硝酸性窒素含有量について収穫期による時期的な変動,果実部位での含有量の差異,熟度,缶詰にした場合の錫の溶出との関係について実験を行なった。
    (1) トマト果実中の硝酸性窒素の含有量は収穫の初期には比較的多く,中期,末期になると次第に減少することがわかった。
    (2) トマト果実中での硝酸性窒素は部位によって差異があり,果底,果側部に多く認められた。
    (3) トマト果実中の硝酸性窒素量と缶詰にした場合のジュースの錫の溶出量との間には相関があり,未熟果の場合は完熟果と比較して硝酸性窒素の含有量も多く溶出錫量も多かったがオレンジジュースにみられるような急激なものではなかった。
    (4) 果実中の硝酸性窒素量と,pH,錫の溶出について実験を行なった結果,高濃度の硝酸性窒素を含む場合にはpHによってかなり影響されることがわかった。
    (5) トマトジュースにHTF缶を適用した場合,従来のジュース用缶と比較して錫の溶出量は1/5に減少することがわかった。
  • Aspergillus niger製剤(ベルセラーゼ)の細胞分離活性について
    三沢 豊, 松原 良, 羽田野 誠, 原 稔, 犬塚 猛雄
    1967 年 14 巻 9 号 p. 394-399
    発行日: 1967/09/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    われわれは第1報においてAspergillus niger産生セルラーゼ剤がペクチナーゼ,ヘミセルラーゼ,セルラーゼ,プロテアーゼ,アミラーゼ,リパーゼなどの各種酵素活性を有していることを明白にした。
    今回は同一酵素剤について天然食品へ応用する目的から,その細胞分離作用および細胞膜溶解作用について検討を行ない,Aspergillus niger製剤が両作用を併せ持っていこるとを確認した。また細胞分離作用の活性度および酵素特性については起源の異なる酵素剤との比較を行なった。その結果を総括的示したものが第1表である。
    本表によればAspergillus niger製剤はRhizopus sp.産生の細胞分離酵素剤およびTrichoderma viride産生のセルラーゼ剤に比して活性が強く,酸性(pH 3.0)に至適pHを有し,酸処理に対し安定で,いわゆる耐酸性細胞分離活性を有することが明白となった。
    すなわち,食品中の種々の栄養物質は遊離の状態で存在するのではなく,細胞膜に包まれ,さらに細胞は細胞間物質により相互に接着されて組織を形成しているので細胞分離作用および細胞膜溶解作用を併有するAspergillus niger製剤は無理なく食品中に含まれる栄養物質の遊離化を行なうことができるのである。この特性は食品加工上きわめて重要な意義を持つものと考えられる。
  • 異性化液糖の製パンへの利用
    田中 康夫, 小柳 妙子, 津村 信蔵, 佐藤 友太郎
    1967 年 14 巻 9 号 p. 400-406
    発行日: 1967/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    グルコースを酵素的に異性化して調製した異性化液糖について,食パンおよび菓子パンへの利用を,蔗糖と比較のもとに検討した結果はつぎのとおりである。
    食パンでは,生地の粘弾性,生地醗酵,パンの体積および品質ともほとんど差はないが,パンの品質では異性化液糖使用のもののほうがややすぐれているようである。
    菓子パンでは,生地の粘弾性に与える影響では両糖間にほとんど差はないが,生地醗酵では異性化液糖使用比率の増大につれて醗酵の低下が大きくなる。したがって同一条件で製パンした場合,パンの体積,品質ともに劣るが,ホイロ時間の延長によって,品質的にはほとんどそん色ない菓子パンを作ることが可能である。また異性化液糖による菓子パンは甘味がすぐれているため,使用量を減らすことによって醗酵の低下を防ぐとともに,コストの低下をもはかりうる可能性も考えられる。
  • 本邦産蕃椒の辛味成分含量
    小菅 貞良, 古田 正次, 小田 卓二
    1967 年 14 巻 9 号 p. 407-410
    発行日: 1967/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    本邦主要産地産のとうがらし,1, 2級品計42点について,辛味成分含量を測定した。同成分含量の差異は著しく,0.1~0.6%にわたるが,0.25%内外のものがもっとも多かった。また,市販の1, 2級間においては同含量の差は全く認められなかった。
    なお,ペーパークロマトグラフィーにより,本全試料には2辛味成分が含有されるのを認めた。
  • 玉利 勤治郎
    1967 年 14 巻 9 号 p. 411-426
    発行日: 1967/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1967 年 14 巻 9 号 p. 427-430
    発行日: 1967/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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