日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
14 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 凍結乾燥カキ(貝)の吸水率および吸湿性について
    山崎 濶, 砂川 満男, 今井 寛
    1967 年 14 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1967/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    凍結乾燥カキの貯蔵中における吸水率および吸湿性の変化について試験を行なうとともに抗酸化剤,EDTAで処理したものの復元性におよぼす影響について実験し,つぎのような結果を得た。
    (1) 煮熟カキは水戻しした場合,きわめて短時間で復元するが,保水性が悪く風味はほとんど感じられなかった。生カキは60分間程度でほぼ復元し,3ヵ月間貯蔵を行なっても新鮮物に近い風味を保持し得た。
    (2) 凍結乾燥カキの吸水率は貯蔵後1~2ヵ月間はほとんど変化を認めないが,3ヵ月間も貯蔵すると明らかに吸水率は低下した。
    抗酸化剤およびEDTAで処理したものは無処理のものに比べ,吸水率が高く復元性の向上が認められ,また貯蔵中における吸水率の低下も抑制された。
    (3) 凍結乾燥生カキの吸湿速度は煮熟カキよりも速く,無処理>抗酸化剤処理>EDTA処理の順に吸湿量は大であった。また貯蔵中における吸湿量は経時的に大となる傾向が認められた。
    (4) 吸水率と吸湿量とは逆相関の関係があるように思考されるが,この点については今後さらに検討を試みたい。
  • 薄層クロマトグラフィーによる芳香中性化合物について
    門田 利作, 中村 武彦
    1967 年 14 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 1967/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    以上の実験結果をまとめてみるとつぎのようになる。
    (1) 日向夏の外果皮に対する収率は2.12%で全果に対して0.44%であった。これを他の柑橘類レモン,オレンジと交献12)によって比較してみるとそれぞれ全果に対し0.80%, 0.40%前後であるので,日向夏はこれら柑橘類に比べて精油含有量に大きな差はないようである。
    (2) 日向夏芳香中性化合物中,炭化水素化合物として,テルペン系のα-ピネン,d-リモネンを確認でき,かつ他の柑橘類と同じくd-リモネンが主成分であると思われる。
    (3) 炭化水素化合物以外に含酸素化合物としてテルペン系のシトラル,リナロール,ゲラニオールが確認され,また脂肪族としてカプリルアルデヒド,デシルアルデヒド,ノニルアルコール,デシルアルコールが確認できた。
    (4) ここで確認されたテルペン系および脂肪族化合物は他の柑橘類精油中にも含まれているにかかわらず,日向夏の芳香には一種独特のものが感じられる。これがなにに由来するかいろいろな要因によるものと思われるが,まず第1に考えられることは特有の微量物質の存在,成分の含量比などと思われる。引きつづきガスクロマトグラフ法で研究する予定である。
    本報の一部は1964年10月16日宮崎市で行なわれた日本農芸化学会西日本支部大会で講演した。
  • 中林 敏郎, 柴田 明良
    1967 年 14 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 1967/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    果実や野菜類の乾燥物の紅変現象について検討した結果。
    (1) ほとんどの果実や野菜はアスコルビン酸を加えて加熱すると乾燥に伴って紅変する。
    (2) カブを用いた実験からα-アミノ酸がアスコルビン酸と反応して紅色色素を生成することを確かめた。
    (3) レダクトン類のうちアスコルビン酸とエリソルビン酸のみが紅変し,その酸化で生ずるデヒドロ体がアミノ酸と反応する。したがって亜硫酸,システイン,チオ尿素は紅変を阻止する。
    (4) α-アミノ酸の他にアンモニウム塩やエチレンジアミンでも紅変する。
  • 米その他食品中の水銀含量について
    古谷 貞治, 筬島 豊
    1967 年 14 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 1967/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • フェノール-硫酸法の再検討
    安部 章蔵, 酒井 宏美
    1967 年 14 巻 1 号 p. 20-24
    発行日: 1967/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    菓子類に含まれる構成糖類を,分別定量する目的で従来のフェノール硫酸法を再検討して,これをつぎのように改良した。
    試料糖液(10~100γ/ml含有)1mlを試験管に採り,試薬調製後5℃で3日間以上エイジングした7%フェノール試薬0.5mlを添加する。よく混和して7.5~12.5分の間にさらに85%硫酸6mlを静かに加える。水冷しながら十分混合後,沸騰湯浴中で10分間加熱し,冷水中で冷却後30~120分の間に490mμの波長で吸光度を測定する。
    以上の条件で測定してブドウ糖など,各種標準糖液の場合,1.5~2.0%以下の誤差で測定できた。またペーパークロマトグラムから溶出した溶出液について定量した結果4%以下の誤差で測定できた。したがって,この方法は菓子類の糖構成を知るための分離定量法として適当と考えられる。
  • 大亦 正次郎, 沢 勤
    1967 年 14 巻 1 号 p. 25-27
    発行日: 1967/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    醤油諸味醗酵中の成分変化とEhおよび色度の変化の関係を調べ,以下のごとき結果を得た。
    (1) 丸大豆仕込と脱脂大豆仕込では,諸味中のEhの変化と着色の変化の状況が異なる。
    (2) 丸大豆の場合は醸造期間中のEhおよび着色度の変化は小で淡色になる。
    (3) 脱脂大豆の場合は濃色になり,Ehの変動も大である。
    (4) いずれにしても諸味の醗酵経過中には酸化的褐変の可能性は少ないように考えられる。
  • 北尾 次郎, 松田 好祐, 時田 鉄二, 島津 陽子
    1967 年 14 巻 1 号 p. 28-30
    発行日: 1967/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 慶田 雅洋
    1967 年 14 巻 1 号 p. 31-40
    発行日: 1967/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1967 年 14 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 1967/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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