日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
11 巻, 9 号
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  • そ菜の超低温における酵素活性の変化
    根岸 正好, 瓜谷 郁三
    1964 年11 巻9 号 p. 371-376
    発行日: 1964/09/15
    公開日: 2009/04/21
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    (1) 液体窒素により,ホウレンソウの凍結を行ない,パーオキシダーゼを中心とし,ポリフェノールオキシダーゼおよびアスコルビン酸オキシダーゼの活性変化を調べた。
    (2) 凍結方法はホウレンソウの全葉または細切り葉および,それらの磨砕物をポリエチレン袋に詰め,液体窒素中に浸漬し,最大60分間凍結を行なった。解凍方法は4℃および20℃付近にて,空気中および攪拌水中にて行なった。
    (3) パーオキシダーゼ活性は全葉凍結においては解凍温度が高いほど活性増加がみられ,磨砕物凍結においては解凍により活性の増減あるも変化は比較的少ない。しかし,超低温凍結によっても活性低下はみられない。
    (4) ポリフェノールオキシダーゼおよびアスコルビン酸オキシダーゼの変化については,活性がきわめて低いため明らかでない。
    (5) 以上の結果,生凍結の場合,凍結温度の高低にかかわらず,酵素活性の低下はほとんどみられない。したがって,超低温凍結による酵素の不活性化は望みえないため,液体窒素は超急速凍結による組織の破壊防止の手段として利用し,酵素の不活性化手段は他の加熱によらない方法を考究すべきであろう。
  • 大橋 晋
    1964 年11 巻9 号 p. 376-380
    発行日: 1964/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル オープンアクセス
    (1) ペーパークロマトグラフ法によるナリンギン,プルニンおよびナリンゲニンの分離測定について,酢酸エチルによる抽出,濾紙上の展開,塩化アルミニウムメタノール溶液による螢光測定などの諸条件について実験し,夏ミカン果汁に対する適用条件を検討した。
    (2) この方法により,添加法および浸漬法によってナリンギナーゼ処理した夏ミカン罐詰について,ナリンギンおよびその分解生成物の分離測定を行ない,添加法は浸漬法にくらべ,プルニンおよびナリンゲニンの生成量が多く,脱苦味法としてすぐれていることを認めた。
    (3) 無処理対照試料のある場合には改良Davis法でナリンギナーゼの効果を測定できるが,対照試料の無い場合には,ペーパークロマトグラフ法によるナリンギンおよびその分解生成物の分離測定が有効である。
  • アルギン酸ナトリウムによる各種澱粉糊化溶液の安定性
    笠原 文雄, 小林 貢
    1964 年11 巻9 号 p. 380-384
    発行日: 1964/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    各種澱粉糊化溶液にアルギン酸ナトリウムを添加し,その糊化溶液の安定性について,濁度,毛管上昇性,離水量及び澱粉ゲルの状態の4つの観点から測定した結果,つぎの知見を得た。
    (1) 各種澱粉とも多少の差はあるが,アルギン酸ナトリウムの添加量に伴って安定効果を認めた。
    (2) 濁度測定実験では澱粉の種類により差があったが,とくに小麦澱粉の場合に白濁がおそく,添加効果が顕著であった。
    (3) 毛管上昇性および離水量測定では小麦澱粉は他の澱粉よりも遊離水が少なく,かなり他の澱粉と性質の異なることが認められた。
    (4) 毛管上昇距離測定では,アルギン酸ナトリウム無添加の場合5日目で各種澱粉とも最高を示し,老化が行なわれていることが認められた。アルギン酸ナトリウムを添加した場合はいずれも顕著な上昇距離の減少を示した。
    (5) 澱粉ゲルの状態の場合も,とくに小麦澱粉にアルギン酸ナトリウムの添加効果が顕著に認められた。
  • 夏ミカン中のナリンギンの分布状態について
    別所 康守, 真部 孝明, 児玉 雅信, 久保 進
    1964 年11 巻9 号 p. 385-389
    発行日: 1964/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    (1) 1果実各部位のナリンギン含量はアルベド,じょうのうでは1,300mg%程度,ついでフラベドで400mg%程度,果肉部はもっとも少なく100mg%程度であった。
    (2) 木への着果部位によって含量が異なり,これが各個体間の差の一因をなしていると考えられた。
    (3) 1果実内では向日部と日陰部,果頂部と果梗部ではほとんど差が認められなかった。
    (4) 1果粒のうちでは両端よりも中央部,腹部よりも背部の含量が高く,前者で1.2~1.3倍,後者で1.8~2.4倍程度の差が認められた。
    (5) 砂じょう部では柄の部分の濃度が圧倒的に高く他の部分の30倍程度の高濃度に含有していた。また果汁にはきわめて濃度は低く10mg%以下に過ぎなかった。
  • 夏ミカン中のナリンギンの状態について
    真部 孝明, 別所 康守, 児玉 雅信, 久保 進
    1964 年11 巻9 号 p. 389-394
    発行日: 1964/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    1. 夏ミカン果肉中のナリンギンは磨砕処理のみで,既に加熱処理の90%以上が溶出した。
    2. 磨砕後加熱によっても溶出しない部分が一部存在し,これは放置によって増加し,更にセルラーゼ製剤を用いることによって増加した。
    3. 夏ミカン果肉中に存在するナリンギンはその大部分が可溶の状態で存在し,不溶型あるいは結合型と考えられる部分は一部分であると考えられた。
    4. 夏ミカン中のナリンギンは中性付近よりも酸性側で抽出する方が抽出量が多かった。
    5. ナリンギンは室温で水には35mg%程度しかとけないが,果汁中には190mg%程度溶存し得ることがわかった。
  • 水野 卓, 岩田 賢彦
    1964 年11 巻9 号 p. 395-399
    発行日: 1964/09/15
    公開日: 2010/01/20
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    系統的分別法とフェノール・硫酸法を組み合わせることによって,各形態の多糖類を分別定量するつぎの方法を案出した。
    供試料(植物体)を第3図の微量分別操作にかけて各多糖類フラクションに分別し,その1ml(多糖類10~100μg/mlとする)に,4%フェノール水1mlを加え,つぎに濃硫酸5mlを加え,混和,水冷後,30℃に30分間保ったのち,485mμにおける吸光値(E1)を測定し,この値から,分別に使った濾紙(東洋No. 4あるいはNo. 6,径5.5cm)だけの各フラクションの反応液の485mμの吸光値(E0)を差し引いてEを求め,次式によって多糖類μg/mlを算出する。
  • A.M. Altschul
    1964 年11 巻9 号 p. 400-406
    発行日: 1964/09/15
    公開日: 2009/04/21
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  • 1964 年11 巻9 号 p. 407-412
    発行日: 1964/09/15
    公開日: 2009/04/21
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