日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
13 巻, 10 号
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  • 間接添加に用いたBHA吸収紙の貯蔵中におけるBHAの損失および食品への移行量について
    梶本 五郎, 井上 昭, 湯本 甫, 加茂 公子
    1966 年13 巻10 号 p. 411-415
    発行日: 1966/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    洋半紙(25×75mm,厚さ0.01mm)を2.5% BHAアルコール溶液に30分間浸漬し,4.1mg/枚のBHA吸収量の処理紙を調製した。
    そのBHA吸収処理紙をオコノミアラレ,フライ豆のそれぞれ100gにBHA濃度が0.02%になるよう5枚適当に入れ,いわゆる間接添加法にて食品を保存し,貯蔵中のBHA吸収処理紙中のBHAの損失および食品の移行量などについて検討した。
    (1) BHA吸収処理紙中のBHA定量は,温アルコールにて抽出し,紫外部(291mμ)の吸光度を測定し求めた。
    (2) 油脂および食品中のBHAの定量は(食品の場合はエーテルにて抽出した油脂),まずシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーで大部分の油脂を石油ベンジンにて除去し,ついでメタノールにてBHAを含む部分を抽出し,得られたメタノール抽出部について水蒸気蒸留(170~180℃)を行ない,蒸留物中のBHAをエチルエーテルにて振とう抽出し,2, 6-di-chloroquinonechloride発色法(620mμ)で求めた。BHAの回収率は数回とも86%内外であった。
    (3) 間接添加した処理紙中のBHAは次第に減少し,放置30日間でBHAの損失は約30%, 50日目で45%あった。
    逆に食品中のBHAは除々に増加し,移行率は,30日目で約10%, 50日目で15%である。
    したがって酸化防止剤BHAの間接添加法による保存効果は,BHA吸収処理紙よりBHAが蒸散し,蒸散したBHAが食品に付着したり,あるいは処理紙との接触部分より食品に移行した結果と考えられる。
  • リンゴの揮発性成分(1)
    片山 脩, 渡辺 敦夫, 大和 一宇
    1966 年13 巻10 号 p. 415-419
    発行日: 1966/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    リンゴの揮発性成分を新鮮および加工果実から真空蒸留法によって回収し,ガスクロマトグラフィーにより分離,同定を試みた。検出された成分は26種類でそのうち15成分を同定した。加熱処理によって多くの揮発性成分が損失し,加熱臭も現われる。凍結乾燥した場合もかなり揮発性成分の損失が起こることがある。
  • 白肉種および黄肉種モモの常温における追熟特性について
    真部 正敏
    1966 年13 巻10 号 p. 420-424
    発行日: 1966/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    白肉種および黄肉種モモを常温で追熟させ,その間の肉質の変化を調べた。また,追熟果を罐詰加工し,熟度と品質との関係を追求し,それぞれのモモの加工特性について検討した。
    (1) 生果の果肉硬度は,追熟が進むに従って白肉種はすみやかに低下したが,黄肉種は緩慢であった。
    (2) 罐詰果肉の硬度は,白肉種の採収直後を除いてはいずれもきわめて低かった。
    (3) 追熟中の大久保および罐桃5号の総ペクチン量は,乾物当たり約6%で品種や熟度による差異はあまりみられなかった。
    (4) 糖液の粘ちょう度は,追熟に伴って白肉種はすみやかに低下したが,黄肉種はそのような変化は認められず,つねに高い粘ちょう度を示した。
    (5) 製品の品質からみた追熟適期は,白肉種,黄肉種ともに収穫時中熟のもので4日前後の追熟が適当と考えられる。
  • 片山 脩, 萩沼 之孝, 井上 真紀子, 鈴木 明子
    1966 年13 巻10 号 p. 425-429
    発行日: 1966/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    リンゴジャムおよび果汁にL-アスコルビン酸,エリソルビン酸を単独または混合で添加し,室温および38℃の各温度に貯蔵したときのアスコルビン酸類の変色防止効果を検討した。貯蔵が短期間であれば,いずれも添加の効果を示し変色は防止される。しかし室温でも貯蔵が長期にわたると,L-アスコルビン酸を用いた場合は着色が強まり,またエリソルビン酸の効果も低下する。しかし両者の各50mg%を混合添加した場合は,すぐれた着色防止効果がかなり長期間持続される。
  • 抽出大豆蛋白質の塩化カルシウム凝集について
    柴崎 一雄, 大久保 一良, 佐々木 宏三
    1966 年13 巻10 号 p. 429-434
    発行日: 1966/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル オープンアクセス
    脱脂大豆粉の水抽出液を用い,塩化カルシウム凝集を行なわせたところ,室温,加熱ともに10~20mM/l塩化カルシウムで最大凝集し,そのときの成分挙動を尿素系澱粉ゲル電気泳動分析法によって検討した結果,塩化カルシウム各濃度(2~40mM/l)で,また室温と加熱凝集とで成分的な差異が明らかにされた。すなわち,塩化カルシウム低濃度ではおもにバンド7, 8, 9が,濃度がますにつれてさらに10その他のバンドが検出され,加熱すると10mM/lを境にそれ以下ではおもにバンド10が,それ以上ではおもにバンド6, 7'が検出され,水抽出蛋白質にみられる大部分のバンドが検出された。さらに水抽出各蛋白質区分(水抽出蛋白質,酸沈澱蛋白質,CIF)の塩化カルシウム凝集について検討した結果,各区分とも8mM/l塩化カルシウム(蛋白質濃度0.05%)で最大凝集し,8mM/l以上またはイオン強度の増大で凝集しにくい傾向がみられ,とくにバンド7, 8, 9に相当する成分からなるCIFではその著しい影響がみられた。
  • 離水に及ぼすアルギン酸ナトリウム・カルシウムの影響
    笠原 文雄, 西出 英一, 塚本 清
    1966 年13 巻10 号 p. 435-438
    発行日: 1966/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル オープンアクセス
    Na-AlgのNaの一部をCaでおきかえたNa-Ca-Algを調製し,かつまた,澱粉ノリに添加した場合の離水に及ぼす影響について検討した。
    (1) Na-AlgのNaのCaへの置換は非常に幅広い置換が可能で,Caの導入により粘度の上昇が起こり,Ca導入率25%前後に粘度の極大が認められ,低粘性NaAlg (390cp)を容易に高粘性(1950cp)にすることができる。
    (2) Caの導入により,流動性が悪化し,典型的な非ニュートン流動を示し,導入率15%以上でとくに著しい。
    (3) Na-Ca-Algを水に溶解するとき,瞬時に分散溶解し,Na-Algのように“ままこ”にならない。
    (4) 澱粉ノリにNa-Ca-Algを添加すると澱粉ノリの離水が防止され,Ca導入率により離水率が変化し,Ca導入率が20%以上になると離水は全然認められなくなる。
    なお,Na-Alg同様,Na-Ca-Algを添加すると澱粉ノリはベトつかなくなる。
    (5) 澱粉ノリのノリ化の程度による影響は,Na-Ca-Algの添加により認められず,ノリ化時間が3分というきわめて短い時間のノリ化でも離水が現われず,高粘性Na-Algに比較して非常に良好で,実用上有益である。
  • 荻原 和夫, 永沢 信
    1966 年13 巻10 号 p. 439-442
    発行日: 1966/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    酸味料を含むMC液を加熱処理したときの粘性の変化を検討するためにクエン酸を含むメトローズSM 400について実験をし,つぎの結果を得た。
    (1) クエン酸を0.05~0.5%含む1~15g/lのMC液は90℃ 60分間の加熱処理前後において滴定酸度とpHはともにほとんど変化せず,特別な化学変化はないとみられる。
    (2) クエン酸を含むとMC液の粘性は低下するが,加熱処理によってさらに粘性が低下する。比粘度低下率の加熱による増加は,MCの濃度にかかわらずほぼ一定であるから,比粘度低下率に対する影響はMCの濃度が低いばあいには酸よりも加熱処理のほうがはるかに大きい。
    (3) 加熱温度については70℃くらいを境にして比粘度低下率が急速に増大する。また加熱のはじめ15分間の比粘度低下率が大きく,その後は直線的に徐々に粘性が低下していく。
  • 佐藤 友太郎, 川嶋 浩二
    1966 年13 巻10 号 p. 443-450
    発行日: 1966/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • 1966 年13 巻10 号 p. 451-457
    発行日: 1966/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
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