振動流動層を用いておからの乾燥を行なった。本実験で得られた結果を要約すると以下のとおりである。
(1) おからのように嵩が大きく,形状が不定でしかも付着性のある材料でも,設定した空気流速に対して適当な振動条件を与えれば,材料が移動,混合し,条件によっては層全体をほぼ均一含水率で乾燥することができた。
(2) 材料の移動性は材料の性状,空気流速および振動強度などに依存するが,空気流速または振動強度が大きくなるにつれて移動性または層含水率の均一性は増大した。
(3) おからを篩でふるい,試料の径を小さく揃えたものは,篩を通さないそのままのおからより低い振動強度で均一乾燥ができた。
(4) おからはその形態,性状から,無加振の場合には,乾燥用空気は層内の空隙の粗な部分から選択的に吹き抜けを起こし,含水率のばらつきが大きくなり乾燥効率が低下した。従って,乾燥時間は層の入口空気条件から計算される値よりも長くかかった。
(5) しかし,これに振動を加えた場合には,材料の移動,混合によって含水率の均一性が増し,吹き抜けが防止され,乾燥時間は理論値にほぼ等しかった。
(6) よって,おからの乾燥に対しては,層含水率の均一性と乾燥効率の良さの両面で振動流動層乾燥の有用性を認めた。
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