日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
16 巻, 8 号
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  • 石田 欽一
    1969 年 16 巻 8 号 p. 341-345
    発行日: 1969/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    色素の安定性に影響を及ぼす砂糖中の因子を検索するため,色素としてインジゴカルミンを,試料として甘蔗グラニュ糖,甜菜グラニュ糖を用い,試験を行ない次の結果を得た。
    (1) 50%砂糖溶液のフェリシアナイド還元力と色素退色性には相関性がみられ,還元力が大きい砂糖液は色素の安定性が悪いことが認められた。また甜菜グラニュ糖2種(Beet-A, Beet-C),甘蔗グラニュ糖(Cane)の溶液の北側散光下保存中におけるフェリシアナイド還元力を測定した結果,Beet-Cの還元力が保存初期に変化することを認めた。
    (2) Beet-C溶液中の色素はEDTAを添加することにより安定性がよくなり,その安定性はEDTA 0.5~0.75×10-3M程度で最高となる。
    (3) イオン交換樹脂処理をした砂糖溶液中の色素の安定性は,強塩基性樹脂処理が一番よく,次いで未処理,強塩基性樹脂→強酸性樹脂処理,強酸性樹脂処理の順であった。
  • (第1報)N-(4-hydroxy-3-methoxybenzyl)-3, 7-dimethyloctanamideおよびN-(4-hydroxy-3-methoxybenzyl)-nonanamideの合成
    蔡 平里, 上田 博夫, 辰巳 忠次
    1969 年 16 巻 8 号 p. 346-349
    発行日: 1969/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) とうがらしの辛味成分であるカプサイシンの酸部分である炭素数10のイソ脂肪酸に類似した酸を,天然に広く存在する鎖状モノテルペンより合成し,これとバニリルアミンからカプサイシン系辛味物質を合成し,天然のカプサイシン辛味成分混合体およびバニリルノナンアミドとその辛味を比較検討した。
    (2) 辛味についての官能審査の結果,NELSONの報告とはやや異なり,バニリルノナンアミドは,天然のカプサイシン辛味成分混合体に比べて辛く,バニリルジメチルオクタンアミドはさらに辛かった。
    (3) プラスターに添加した場合の皮ふに対する刺戟性では,バニリルジメチルオクタンアミドは,バニリルノナンアミドの約1/2であった。
  • 相良 孝昭, 佐伯 剛, 山口 誠
    1969 年 16 巻 8 号 p. 350-354
    発行日: 1969/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) マイクロフォンによる歯切れ音の解析
    漬物を実際にかんだときに発生する音声の信号成分は,500~8000Hzの範囲では,ほぼ均一に分布している。また,この歯切れ音は,短時間で減衰する「破裂音」のくり返しである。
    (2) 破壊振動測定装置による漬物食感の測定
    i) 漬物類の歯切れを測定するための装置として,電歪振動子による振動ピックアップを用いた「破壊振動測定装置」を試作した。
    ii) 試作した「破壊振動測定装置」によりたくあん漬の歯切れを測定し,官能評価と比較した結果,振動波形の積分値が漬物の歯切れの目安として十分使えることがわかった。
  • (第2報)N-(4-hydroxy-3-methoxybenzyl)-4,8-dimethylnonanamideおよびN-(4-hydroxy-3-methoxybenzy1)-5,9-dimethyldecanamideの合成
    察 平里, 上田 博夫, 辰巳 忠次
    1969 年 16 巻 8 号 p. 355-358
    発行日: 1969/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) カプサイシン系辛味物質における辛味と化学構造の関係について,辛さはその脂肪酸部分の分子量に左右されるよりも,その炭素鎖の主鎖の長さ,すなわち,酸の分子の長さに影響されるものと推定した。
    (2) ゲラニオールを原料として,4, 8-ジメチルノナン酸および5, 9-ジメチルデカン酸を合成し,そのバニリルアミド(5)と(6)について,さきに報告したバニリル3, 7-ジメチルオクダンアミド(4)と,その辛味を比較し上記仮定の妥当性を検討した。
    (3) 辛味の比較試験における結果は次のとおりである
    (4)≫(5)>(6)
    (4) 側鎖メチル基を有する飽和脂肪酸のバニリルアミドは,メチル基をもたない直鎖脂肪酸のとは異なり,辛さのマキシマム・ポイントが酸の主鎖の長さだけについてみた場合,短かいほう,すなわちC9→C8に移動していることがわかった。
  • (第3報)工場規模におけるラードの性状
    岡田 安司, 小山 吉人
    1969 年 16 巻 8 号 p. 359-364
    発行日: 1969/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    工場規模および実験室的規模においてスープ別添ラーメンを製造し,ラードおよび製品の酸化安定性を検討した。
    (1) 37℃における製品の保存試験では,P.O.V.は変動しながら増加傾向を示したが,Co-Vはほとんど変化せず,6ヵ月後も変敗臭は認められなかった。
    (2) 工場規模におけるラードの製造日数の経過においては,P.O.V., Co-Vの変動による熱酸化は小さく,A.V.の増加による加水分解的変質および着色性がみられた。製造時間の経過による誘導期の変動は小さく,実験室的規模におけるフライ試験に比べ,BHTの損失は少ないようてある。
    (3) 実験室的規模においては,フライ時間の経過とともに,P.O.V., Co.V, A.V.の増加がみられ,新油添加によりラードの酸化安定性の回復が認められた。フライ製品の保存試験(60℃)では数日の誘導期の差異が認められたにすぎなかった。
    (4) ラードおよび製品の酸化安定性は添加抗酸化剤(BHT)の残存性に大きく影響される。BHT含量(mg/50g)とラードの誘導期日数(x)およびフライ経過時間(分,t)との間にはlog(y-c)=a+bxおよびlogy=loga+blogtなる関係式が認められた。
  • (第4報)ゴマ油添加ラーメンおよびラードの性状
    岡田 安司, 小山 吉人
    1969 年 16 巻 8 号 p. 365-368
    発行日: 1969/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    工場規模および実験室的規模において,ゴマ油添加ラーメンを製造し,ラードおよび製品の酸化安定性を検討した。
    (1) 工場規模て製造された製品の37℃における保存試験では,フライ槽のラードの性状と類似したP.O.V.,Co-Vのバラツキがみられた。Co-Vは変動しながら増加傾向を示したが,Co-Vはほとんど変化は認められなかった。
    (2) 実験室的規模におけるフライ油はフライ時間の経過とともに,Co-V, A.V.は前半減少傾向を示したが,P.O.V.は増加傾向が認められた。新油添加により誘導期の回復がみられたが,総じて誘導期の直線的減少が認められた。フライ製品の保存試験(60℃)では,市販ラードのみの製品と比べ,ゴマ油使用製品はかなりの誘導期の延長が認められた。
    (3) ゴマ油添加ラードの保存試験では,ゴマ油20%までの添加ては,ほぼ直線的に誘導期の延長が認められた。
  • 津村 信蔵, 石川 雅子
    1969 年 16 巻 8 号 p. 369-371
    発行日: 1969/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    放線菌Streptomyces phaeochromogenusのグルコース異性化酵素生産に対するフィチン酸塩額の効果を試験した。可溶性フィチン酸塩は酵素生産に対してほとんど効果はなく,添加量が多いと,菌体収量や活性に対して阻害作用がある。これに対して難溶性phytinの添加は酵素生産を増進する効果があり,とくに単位菌体当りの活性に著るしい効果がある。phytinの添加によって,培養液のpHが著しく酸性側に傾くことが抑制され,これが添加効果の一因と考えられるが,ほかに難溶性phytinがコバルトイオンを吸着することも,効果の発現に関与するものと推定される。
  • 二宮 恒彦
    1969 年 16 巻 8 号 p. 372-380
    発行日: 1969/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1969 年 16 巻 8 号 p. 381-386
    発行日: 1969/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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