家鶏腸内細菌のミロシナーゼよう活性に関するスクリーニングテストを近代的な腸内フローラ検索法を応用して実施した。
本実験は68羽の正常鶏を用い,ナタネ種子から得たProgoitrinを基質とし,goitrinの分析は分光測光法によった。
(1) 沸騰水処理で自家ミロシナーゼを失活させたナタネ油粕を投与した家鶏の小腸,直腸および血液中からgoitrinが検出された。
(2) 各種消化管内容物のインキュベーションテストの結果から直腸内容物には一貫してprogoitrinからgoitrinへの加水分解能が認められ小腸,直腸内容物にも,ときにミロシナーゼよう活性が認められた。しかし,その他の部位の内容物にはミロシナーゼよう活性は全く認められないことを知った。
(3) ミロシナーゼよう活性を有する細菌は盲腸内容物及び盲腸糞から分離され,それらはCatenabacterium, Bifidobacterium, Bacteroidaceae, Streptococcus,及びEnterobacteriaceaeなどと推定される各種腸内細菌であった。
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