日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
25 巻, 2 号
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  • (第2報) 貯蔵中の乾めんの品質変化
    柴田 茂久, 今井 徹, 稲荷 佐登美
    1978 年 25 巻 2 号 p. 57-65
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    乾めんのシェルフライフを明らかにする目的で,ひらめん,うどん,ひやむぎおよびそうめんの貯蔵試験を行なった。
    乾めんの貯蔵によりその力学的性質,生地の物性およびゆでためんの物性の強度および弾性が増加した。この変化が食味に与える影響はひらめんおよびうどんの太物はマイナスに,ひやむぎおよびそうめんの細物にはプラスとめん線の太さにより正反対に現われることがわかった。このことは太いめんと細いめんの食べ方の相違に原因があると考えられた。
    また脂肪酸度は貯蔵により増加し,品質変化の指標となることを認めた。
    貯蔵によりゆで時の溶出損失は減少し,調理特性は改善された。
    乾めんのシェルフライフは,東京地区において,ひらめんおよびうどんは1年以内,ひやむぎは1年半,そうめん2年と判断した。
  • 押田 一夫
    1978 年 25 巻 2 号 p. 66-72
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    食塩,酢酸,油の濃度のことなるマヨネーズをバキュウムミキサー及びコロイドミルで乳化調製し,油滴の粒子径,粘度,並びに振動と凍結に対する安定性について検討した。
    コロイドミルでは油濃度90V/V%のマヨネーズは,0/W型の相が反転し,分離状のものしか得られなかった。また,85V/V%のマヨネーズは調製出来たが,振動に対する安定性はバキュウムミキサー製より低かった。しかし,油濃度65V/V%と75V/V%のマヨネーズの安定性は高かった。すなわち,油が高濃度の場合にはバキュウムミキサー製マヨネーズの安定性は高く,油が低濃度の場合はコロイドミル製の安定性が高いことが認められた。
    油滴の平均粒子径と標準偏差,及び,これより算出した分散粒子を包む水相の膜の厚さ,並びに,振動に対する安定性の測定結果から次のことが推察される。
    コロイドミル製マヨネーズは油滴の粒子径が小で標準偏差が小さく単分散系に近いエマルジョンである。従って,74.02V/V%を超える高濃度のエマルジョンは調製困難であり,調製出来た場合でも,油滴の粒子数が多いため,粒子を包む水相の膜が薄く,機械的強度が弱いため破れやすいと思われる。
    また,コロイドミル及びバキュウムミキサー製の両者とも,食塩と酢酸濃度が高くなるに従ってマヨネーズの安定性が低下することは,この膜の強度が食塩と酢酸によって低下し,振動を受けると破れやすくなることが主な原因であると思われる。
    凍結分離に対するマヨネーズの安定性は食塩によって強化され,酢酸によって阻害されることが認められた。また,コロイドミル製マヨネーズはバキュウムミキサー製より凍結に対し安定性が高かった。
  • 太田 英明, 筬島 豊
    1978 年 25 巻 2 号 p. 73-77
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    無機塩がブドウ果汁(キャンベル・アーリー)の色素液(pH3.0)の赤紫色(E520nm)を濃くし,同時に強められた赤紫色は長時間安定であることを見出した。
    1) 供試した無機塩はすべて濃色化効果(吸光度の増大)を示し,塩濃度(0~2.0M)と吸光度(E520nm)との間には良好な直線関係が成立した。濃色化効果は過塩素酸ナトリウム>硝酸ナトリウム,臭化ナトリウム>塩化ナトリウム,硫酸ナトリウム>リン酸2水素ナトリウムの順であった。
    2) 過塩素酸ナトリウムは濃色化効果と同時に,色素液のλmax(525nm)を浅色移動(-15nm)させた。
    3) 無機塩添加による濃色化効果は,有効色素濃度の増大と考えられた。
    4) 塩添加によって強められた赤紫色(E520nm)は40日間の貯蔵にわたって良く保持された。貯蔵中の無添加区との差吸光度変化は,一定もしくは増加の傾向にあった。
  • 太田 英明, 筬島 豊
    1978 年 25 巻 2 号 p. 78-82
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ブドウ果汁(キャンベル・アーリー)の色素液(pH3.0)の赤紫色(ΔE520nm)に対する有機酸の効果を検討したところ,無機塩同様多くの有機酸が濃色化効果(吸光度の増大)を有し,同時にその効果を長時間安定化することを見い出した。
    1) 一塩基性飽和脂肪酸の効果では,脂肪酸の炭素数と差吸光度(ΔE520nm)の対数値との間の直線関係の成立により,分子量の大きい脂肪酸の方がより大きな濃色化効果を有することが明らかになった。
    2) ポリカルボン酸の効果でも,酸濃度と差吸光度(ΔE520nm)との間に直線関係が得られた。マレイン酸が最も大きな濃色化効果を示した。
    3) 多くの有機酸は貯蔵中,有効色素濃度の増分(ΔE520nm)をよく保持した。
    4) 有機酸は貯蔵中の色素溶液に対する影響のし方によって次の3つのグループに分類された。i)濃色化効果が大きく,その効果の持続性に富むグループ;マレイン酸,n-吉草酸。ii)濃色化効果は大きくないが,その効果の持続性に富むグループ;酒石酸,クエン酸など。iii)添加による濃色化効果は大きいが,貯蔵中に退色を促進するグループ;シュウ酸,マロン酸。
  • 小野 文夫, 青山 康雄
    1978 年 25 巻 2 号 p. 83-87
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    油脂可溶化の発現に関与する窒素成分の態様に関し,豚肉および酸沈澱大豆タンパクの塩酸分解を行い,油脂可溶化に及ぼすタンパクの分解度の影響を検討した。
    塩酸分解は抽出率を高め,タンパクの低分子化を促進した。また,抽出物の界面活性はいずれも1N塩酸,1hr分解(90~95℃)で最大となり,高分解度側で低下した。
    界面活性と油脂可溶化能は豚肉抽出物において相関を示し,界面活性の最大となる点で油脂可溶化物は高粘稠化とともに乳化転換液の濁度を強めた。一方,大豆タンパク抽出物は油脂可溶化能を示したもののゲル形成能および凝集性にもとずくとみられる可溶化油量への阻害傾向がみられた。
  • 浅野 三夫, 宇野 和生, 柴崎 一雄, 大久保 一良
    1978 年 25 巻 2 号 p. 88-93
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    登熟過程の大豆種子から蛋白質区分の同時分画を試みた結果,完熟種子同様に粗7Sと11Sグロブリン区分を得ることができ,粗7S区分にプロテアーゼ活性の存在がみられた。
    さらに開花後30日の種子の粗7S区分からセファーローズ4Bでのゲル濾過によって,非尿素系ゲル電気泳動分析および超遠心沈降分析では完熟種子のそれと区別できにくい7Sグロブリンを精製することができた。また,登熟各過程からの粗7S区分についてセファローズ6Bによるゲル濾過挙動を調べた結果,7Sグロブリンとは異なる本プロテアーゼ活性ピークを得ることができ,その活性度は開花後25日の種子で最も高く,登熟するにつれて著るしく低下したが,完熟種子でもごくわずかにみられた。完熟種子から精製した7Sと11Sグロブリンに及ぼす本プロテアーゼ区分の作用を調べた結果,分解生成物に相当するバンド群が7Sグロブリンだけから生じることがわかり,しかも本プロテアーゼの作用でも7Sグロブリンの4次構造は崩壊しにくいことが示唆された。
  • 岡村 太成, 鈴木 忍, 石橋 憲一, 東条 衛
    1978 年 25 巻 2 号 p. 94-99
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    常圧105℃の24時間乾燥法を大豆粉と,そのドウ中の水分の測定に適用して,組成と測定精度との関係を検討した。
    (1) 多量の大豆油に水分を乳濁させても,測定(見掛け)水分値は,その計算値より大きくならない。
    (2) 脱脂大豆粉(P+C)に,水と油との比率を種々変え,加えてつくったドウの場合も,水分測定の精度は非常に高く,とくに,水:油比が,1:2以上であれば,相対誤差が0.5%以内である。
    (3) 組成が異なる水分60%のドウの水分測定の容易性は,統計的に
    (丸大豆粉,P+C+F)>(P+C)=(P)
    である。
    (4) 通常の大豆粉および,そのドウの水分測定には,常圧105℃乾燥法は実用的で,24時間の乾燥を施すと,精度も高い。
    (5) 蛋白含量が乾量基準で組成の52%を超えるドウは,とくに,乾燥初期において,水分の測定が容易でなくなる。
    (6) 高蛋白試料は,本来,比較的大きな熱伝導率をもっているので,この乾燥初期での水分蒸散の遅延は,強大な水との結合力と乾燥固化性に起因するであろう。
    (7) 高蛋白の大豆食品の水分測定は,常圧の場合,105℃の温度では不充分といえる。
  • 田島 真, 安井 鈴江, 早川 清一, 吉川 誠次
    1978 年 25 巻 2 号 p. 100-103
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    幼ラットを大豆及びマグロをタンパク源とした飼料で飼育し,皮下脂肪中に蓄積される奇数炭素数脂肪酸量を分析した。3週間の飼育後の皮下脂肪中の全脂肪酸中の奇数炭素数脂肪酸割合は,大豆区,0.78%,マグロ区,0 33%であった。飼育期間中に摂取した奇数炭素数脂肪酸量と,飼育中に蓄積した体脂肪中の奇数炭素脂肪酸量を比較した結果,蓄積した奇数炭素数脂肪酸は飼料によらない部分が多いことが分った。
  • 正井 博之
    1978 年 25 巻 2 号 p. 104-121
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 25 巻 2 号 p. 122-124
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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