日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
36 巻, 11 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 小柳 津周, 田村 弘
    1989 年 36 巻 11 号 p. 873-877
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    精製配合飼料(コーンスターチ: 50.8%,カゼイン: 23.3%,セルロース: 3.0%,ミネラル: 4.0%,水分: 8.9%)を摂取しているラットにGA-HCl, FGA及びBGAを3週間飲水投与(0.4g/rat/week)し,その血清中のT-Chol, TG及び血清や肝臓総脂質の脂肪酸組成を測定した結果,次のような結果を得た.
    (1) 体重の増加は, FGAやBGA投与により低下した.しかし,肝臓TL含量は影響を受けなかった.
    (2) 血清中のT-Cho1やTGの濃度は, FGAやBGA投与により低値を示した.
    (3) 血清や肝臓TL中の総ポリエン酸の割合は, BGA投与で低下した.
  • 内藤 茂三
    1989 年 36 巻 11 号 p. 878-883
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    穀類,穀粉,豆類および豆類加工品のオゾン処理とそ の貯蔵中に生ずる脂質の変化を検討するために上記試料 に0.05~100ppmの濃度でオゾン処理を行なった.脂 質の脂肪酸組成, POVおよびAVを測定した結果は 以下のとおりであった.
    (1) 0.05-5.Oppmの濃度でオゾン処理した穀類, 穀粉および豆類の脂質の脂肪酸組成, POVおよびAV の変化は僅少であった.しかし5ppm以上の濃度で処 理した晒しあん, 50ppm以上の濃度で処理した穀粉は 著しく不飽和酸が減少し, POVが増加した.
    (2) 0.05-5.0ppmの濃慶でオゾン処理した穀類, 穀粉および豆類を10℃と30℃で60日間貯蔵後の脂質 の脂肪酸組成, POVおよびAVの変化は僅少であっ た.しかし50ppm以上の濃度でオゾン処理した穀粉 を10℃と30℃で60日間貯蔵した場合,貯蔵期間の延 長に伴い不飽和酸の含有量が減少し, POVが増加した. またこの傾向は10℃貯蔵よりも30℃貯蔵の方が著しい ことを認めた. <BR.(3) 貯蔵期間を延長することを目的としてオゾン処理 を行う場合,穀類および豆類は5~50ppm,穀粉は 0.5~5ppmが最適であると考えられる.
  • 稲場 久二, 畠中 義雄, 影山 修, 松村 康生, 森 友彦
    1989 年 36 巻 11 号 p. 884-890
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    The effects of oil and protein on the degree of se1f-supporting (property) and texture of starch gels were investigated. The results obtained can be summerized as follows: (1) The degree of self-supporting (property) was equal to a control (=starch alone) or reduced by addition of oil and/or protein except for a few cases. (2) On the effects to the texture, "hardness" had a tendency to increase due to addition of oil, while this term decreased by addition of protein. When a sample was prepared together with oil and protein, they exhibited an additive effect to the hardness of gels. The effects on "cohesiveness" and "adhesiveness" were changeable depending on the combination of oil and protein.
  • 弘中 和憲, 新堂 健, 石橋 憲一
    1989 年 36 巻 11 号 p. 891-897
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    ナガイモの粘弾性を計測する目的で,ねじり振動式粘弾性測定装置を製作し,強制振動の振幅,振動数および加熱温度の粘弾性におよぼす影響を検討した.併せて,ナガイモの曳糸性も測定し,曳糸の引き上げ速度および加熱温度の影響を調べた.実験結果は,以下の通りに要約される.
    (1) 強制振動の振幅に関して,すりおろし液では振幅の影響が認められた.しかし,すりおろし液を遠心分離して得られる粘稠液では,振幅依存性を持たなかった.すりおろし液の粘性および弾性係数は,振幅の増大に伴ってともに減少した.
    (2) すりおろし液および粘稠液ともに,振動数依存性が認められた.振動数の増加につれ,粘性の減少および弾性係数の増大がみられ,粘稠液で著しかった.
    (3) 20~60℃の加熱温度範囲内では,粘性および弾性係数の低下は,両液とも観測されなかった. 60℃以上で,粘稠液は急激な粘性および弾性の減少が起こった.とくに,この低下は弾性係数で著しかった.
    (4) 曳糸の引き上げ速度に関して,すりおろし液では依存性はみられなかった.粘稠液では7cm/s近辺で最大となった.
    (5) すりおろし液および糖稠液ともに, 60℃以上で曳糸性の急激な低下が観察された.
    本研究において,終始御指導を賜わりました北海道大学伊藤和彦教授に心から感謝いたします.また,御指導を賜わりました同大学南部悟教授,八鍬利郎教授,坂村貞雄教授(現酪農学園大学教授)に深謝いたします.
  • 小沢 修, 大塚 耕太郎, 内田 隆次
    1989 年 36 巻 11 号 p. 898-902
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    アルギン酸カルシウムに固定化したCryptococcuslaurentii OKN-4菌体とラクトースとを反応させ, 4'ガラクトシルラクトース(4'-GL)を生産させる際にパン酵母を併用すると,
    (1) 副生するグルコースがパン酵母によって消費されるため反応系から除かれ, 4'-GLの生成速度と生成率が上昇し, 20時間目で生成率40%(全糖分に対し)以上となった.この時4'-GL以外のオリゴ糖は生成しなかった.
    (2) 本反応系はpH 3~7で可能で,反応温度は40℃が最適であった.
    (3) 基質として食用ラクトースが使用できた.
    (4) パン酵母の必要量は乾燥菌体重量比でCryptococcusの0.2倍であった.
    (5) パン酵母を1回毎の使い捨てであるが,本反応系のバッチ繰り返し反応は可能で, 20回目でも4'-GLの生成量は初期の80%であった.
  • 大田 修明, 末永 光, 長浜 正治, 山下 純隆, 平野 稔彦, 山口 剛
    1989 年 36 巻 11 号 p. 903-909
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    カキ,キウイフルーツ果汁を原料とするワインの発酵試験において次のことが明らかとなった.
    (1) 清酒用協会酵母9号は亜硫酸耐性および固定化菌体の高生菌率維持において優れており,連続ワイン醸造用酵母として好適であった.
    (2) 発酵条件としては,発酵温度15℃,固定化酵母添加率30%,発酵槽の径(D)と発酵液深(L)の比D/L 0.7, N2あるいはCO2通気速度100ml/min,溶存酸素濃度2%が適正であった.
    (3) 50日間の連続発酵試験においてリアクター能力安定化後のエタノールの生成率,生産能は滞留時間12,6, 2.6時間においてそれぞれ11, 10, 7vol%および7.5, 13.4, 21.6 (g/l・h)であり,乳酸,酢酸,ピルビン酸低含有の癖のない,軽い飲み口のワインを,雑菌の汚染なく醸造した.
  • 藤田 孝輝, 原 耕三, 橋本 仁, 北畑 寿美雄
    1989 年 36 巻 11 号 p. 910-915
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    Bacillus subtilis var. saccharolyticusを5%ショ糖, 5% Corn steep liquor, 0.6% (NH4)2 HPO4,0.02% KCl (pH 7.0)からなる培養基を用い, 30℃で16時間ないし24時間タンク培養することにより静置培養時の40倍のレバンシュクラーゼ活性を有する培液液を得るごとができた.培養液中には水解活性を示すインベルターゼも含まれているが反応時のpHを5.0に調整することによってショ糖水解活性を抑えることができた.ショ糖10kgとキシロース10kgを酵素液20l(30000単位)に溶解し, pH 5.0に調整した後, 50℃,20時間反応させた.反応液から活性炭カラムクロマトグラフィーにより5.7kgのキシロシルフラクトシドを得た.
  • 片桐 充昭, 清水 純夫
    1989 年 36 巻 11 号 p. 916-919
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    豆もやし(大豆,グリーングラム,ブラックグラム)を空気中で栽培(8~9日)した後,低密度ポリエチレン袋(340mm×480mm,厚さ0.04mm)の中に二酸化炭素ガス,窒素ガス,酸素ガスおよび空気を用い,それぞれのガスと共にもやし(5~20g)を密封, 30℃,暗所に18時間静置したところ,二酸化炭素ガス処理によって,もやし子葉中に多量のGABAが蓄積し,大豆140.8mg/100g,グリーングラム131.9mg/100g,ブラックグラム88.8mg/100gであった.また,二酸化炭素ガス処理大豆もやしを空気中に放置すると,蓄積されたGABAは急速に減少し,4時間放置によって,ほぼ処理前の状態まで低下した.
  • 東野 哲三, 藤田 修二, 李 忠富
    1989 年 36 巻 11 号 p. 920-923
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ODPの酵素的酸化生成物であるo-キノンのAsAによる還元反応を利用し,差スペクトル法に基礎を置くニホンナシPPOの各種ODP酸化活性測定法について検討した.その結果,各種ODPにおけるAsA酸化量(△E243)と反応時間との間並びにPPO濃度(酵素液添加量)とAsA酸化量との間には正比例的関係のあることが認められ, AsAの酸化速度すなわち単位時間当たりの△E243値を測定することにより, ODP酸化活性を求め得ることが明らかとなった.以上の結果に基づいて,ニホンナシPPOのODP酸化活性測定法を設定した.この方法により,ナシ果実発育過程におけるCA, ECおよびPCの各酸化活性を測定したところ,これらの酸化活性はいずれも発育初期には高かったが,後期には著しい低下がみられた.
  • 大石 勉, 林毅 彦
    1989 年 36 巻 11 号 p. 924-926
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    小麦粉と水とマルトースを原料として,固定化乳酸菌(Lactobacillus sanfrancisco)を用いて,サワー液種製造を行い,以下の結果を得た.
    (1) 製パン等に使うサワー液種を,固定化乳酸菌を使用して作ることができた.
    (2) 固定化乳酸菌を使用したバイオリアクターでサワー液種の繰り返し回分発酵を行ったところ, 45日間安定した発酵が可能であった.
  • 北田 善三, 玉瀬 喜久雄, 佐々木 美智子, 山添 胖, 前田 有美恵, 山本 政利, 米谷 力
    1989 年 36 巻 11 号 p. 927-933
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    各種茶に含まれるAsA,トコフェロール(α,β,γδ),カロチン(α,β)およびクロロフィル(a, b)を測定した.
    (1) 測定方法は, AsAが電気化学検出器を用いた逆相分配クロマトグラフィーで,カロチンおよびクロロフィルは非水溶媒を用いた逆相分配クロマトグラフィーで行った.また,トコフェロールは,フロリジルミニカラムを用いた前処理と順相分配クロマトグラフィーによる迅速かつ簡易な分析法を相発した.
    (2) AsAは,半発酵茶,発酵茶からはほとんど検出されず,煎茶,抹茶から12~367mg/100gの範囲で検出された.なお,煎茶の平均含量は167mg/100gであった.
    (3) トコフェロールは, α-トコフェロールがすべてから, γ-トコフェロールが一部から検出された.抹茶および煎茶におけるα-トコフェロールの平均含量は13.5mg/100gで,半発酵茶,不発酵茶より数倍高濃度であった.
    (4) カロチンは, β-カロチンが煎茶,抹茶,玄米茶から検出され(平均念量3.2mg/100g), β-カロチンがほうじ茶,ウーロン茶の一部を除いてすべてから検出された(平均含量27.9mg/100g).
    (5) クロロフィルは,ほうじ茶,ウーロン茶以外のすべてからa,b両方が検出され,煎茶についてカロチンとの相関を求めたところ,相関係数0.912の高い正の相関を示した.
    (6) 茶浸出液中のAsA,トコフェロール,カロチンを調べたところ, AsA以外はほとんどが検出されず,従って,茶に含まれる保健性成分を活かすには,抹茶などのように直接茶葉を摂取することが必要である.
  • 田島 真, 小山(松本) 典子, 木津(西尾) 泰子
    1989 年 36 巻 11 号 p. 934-939
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    Nucleic acid contents of 29 kinds of Japanese foods, including 7 kinds of meats and poultries, 3 kinds of eggs, 11 kinds of seafoods, 2 kinds of cereals, 2 kinds of legumes, 2kinds of fungus, 1 kind of fruit and 1 kind of yeast, were determined by SCHMIDT-THANNHAU-SER-SCHNEIDER method or ion-exchange chromatography. The nucleic acid contents ofalmost all samples were in the range of 200 to 400mg per 100g of fresh weight. The sampleswith high nucleic acid content were pork liver, salmon roe, purple laver and baker's yeast. Although proportion ratio of nucleic acid nitrogen to total nitrogen of almost all the sampleswas 2%, that of the samples containing high nucleic acid was more than 10%.
  • 不破 英次
    1989 年 36 巻 11 号 p. 940-946
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 36 巻 11 号 p. A53-A57
    発行日: 1989/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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