新規キノロン系合成抗菌薬pazufloxacin (PZFX) を耳鼻咽喉科領域感染症患者に投与し, その有効性, 安全性について検討した。
対象は中耳炎20例, 副鼻腟炎8例, 扁桃炎8例, 外耳炎5例, 右術後性頬部嚢胞化膿症1例の計42例で, 年齢は17~79歳 (平均48.2歳) であった。投与方法は1回100~200mg, 1日2~3回経口投与し, 投与期間は1~14日間であった。
効果判定が可能であった30例での臨床効果は, 著効15例, 有効10例, やや有効4例, 無効1例で有効率は83.3%であった。細菌学的効果は, 判定が可能であった30株中, 消失24株, 不変6株であり, 菌消失率は80.0%であった。
副作用として1例に軽度の嘔気・悪心, 他の1例に中等度の皮疹が認められた。また, 臨床検査値の異常変動は1例に軽度の好酸球の増多が認められた。
以上の成績から, 本剤は耳鼻咽喉科領域の感染症に対して有用性の高い薬剤であることが示唆された。
抄録全体を表示