日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
26 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山田 研一, 大内 尉義, 楠田 憲治, 島田 和幸, 井藤 英喜, 平澤 博之, 加藤 暎一
    1989 年 26 巻 3 号 p. 209-251
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 米山 美智子, 朝戸 裕子, 水内 知子, 木田 厚瑞
    1989 年 26 巻 3 号 p. 252-255
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    加齢に伴う脊柱後弯症は身長の低下を招く. そこで連続記録600例より抽出した心肺疾患を有しない健常老年者91例につき, 身長, および arm span と呼吸機能, kyphotic angle の各関係を検討した. Arm span は身長と相関性が極めて高く, 身長の代わりに Arm span を用いても肺活量予測値の算出では平均1.2~3.9%の誤差しか与えないことが判明した. 1秒量についても同様であった. 立位不能の老年者では呼吸機能の予測値算出に身長の代わりに Arm span を用いることも可能と考えられた.
  • 杉原 伸幸, 松崎 益徳, 加藤 由起子
    1989 年 26 巻 3 号 p. 256-264
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    目的: 高齢者において腹部大動脈石灰化が骨脱灰化とどの程度の関連があるかを検索するため, 我々は全身コンピューター断層撮影 (以下, CTと略す) を用い定量的方法で計測して, 両者の関連を比較検討してみた.
    対象及び方法: 入院及び外来患者の高齢者(137例, 男性46例, 女性91例, 60歳から96歳, 平均77.6±7.7歳〔Mean±SD〕) で, 腹部CT及び腰椎CTを2週間以内に施行した. 一定のCT閾値 (115HU) 以上の腹部大動脈石灰化像について, 外周をトレースして個々の面積 (単位は voxel: cm3) を, 腹部大動脈の腸骨動脈分岐部直上より上方に, 1cm毎10スライス相当加算した. それらの合計値について, 腹部大動脈外径の最大径・最小径による楕円面積 (単位は voxel: cm3) を10スライス相当加算した血管容積で除して補正し, 血管容積に対する石灰化率 (以下, CAIと略す: 単位は%) を算出した. 骨量については, 腰椎CT検査時において腰背部に骨量ファントム (京都科学標本, B-MAS) を同時撮影して, 腰椎 (L2, L3, L4) の海綿骨部に設定した関心領域の平均CT値を, ファントムからの一次回帰式より椎体内の推定CaCO3 (以下, BMCと略す: 単位はmg/cm3) を計算した. 原則として, 第3腰椎の骨量をBMCとした.
    結果: CAIは, 男性では70・60・80歳台の順に漸増し, 女性では加齢とともに増加した. CAIの男女間の差は, 60歳台では女性に比べ男性の方が有意に高値で (男性0.963±0.917vs女性0.134±0.208; p<0.05), 逆に70・80歳台では男性に比べ女性の方がより高値を示したが有意ではなかった. BMCは, 男女とも加齢とともに低下し, 男性に比べ女性の方が低値で, とくに70歳台で有意に低値であった (男性85.6±36.1vs女性44.1±34.9; p<0.001). CAIとBMCとの関連をみると, 70・80年台の女性において有意な負の相関をみた (70歳台: 男性r=0.136, NS, 女性r=0.400, p<0.01; 80歳台: 男性r=0.079, NS, 女性r=0.334, p<0.05).
    結語: 腹部大動脈石灰化は, 男性に比べ閉経後の高齢女性において, 腰椎の骨粗鬆症との関連がより強く示唆された.
  • 河野 和彦, 建石 徹, 遠藤 英俊, 山本 孝之, 葛谷 文男
    1989 年 26 巻 3 号 p. 265-271
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    Watershed infarct が他のタイプの脳梗塞といかなる相違点を有するかを痴呆の発症頻度, 血液検査から検討した. 脳梗塞患者の対象は, 老人病院に入院していた陳旧性脳梗塞患者218名 (非痴呆56名, 痴呆162名) である. 梗塞は頭部CT所見上4種類 (穿通枝梗塞, watershed infarct, Binswanger 型白質変化, 脳主幹動脈閉塞) に分類した.
    watershed infarct は, 55名 (非痴呆10名, 痴呆45名) にみられた. その発生部位をみると, 非痴呆患者では梗塞の位置に左右の頻度の差がないのに対して, 痴呆患者では右大脳半球に梗塞をもつ者が左半球のそれより2倍多かった. 一旦, watershed infarct がおきてから痴呆化する危険因子として, 血圧が高いこと, 前方や右半球ないし両側半球に梗塞が発生すること, 患者が女性であること, などが推定された. また, 脳室の拡大度を示す計測値とGBSスケールとの相関性の有無の検討により, watershed infarct がある例では, 穿通枝梗塞の患者と異なり, 脳萎縮と関係なく痴呆が進行することが示唆された. watershed infarct は, 高齢者, 痴呆患者の増加にともない, 重要性が増すものと考えられた.
  • 宮本 昭彦, 山口 巌, 久賀 圭祐, 杉下 靖郎, 伊藤 巌
    1989 年 26 巻 3 号 p. 272-278
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2009/11/24
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    各年齢層の洞不全症候群 (SSS) 患者に対する薬理学的自律神経遮断 (TAB) の全過程において, 実測固有心拍数 (IHRo) 異常群とIHRo正常群の間で, 1) 加齢による変化と, 2) 自律神経の関与に対する反応の差異について検討した.
    16歳から72歳のSSS患者35例 (男21例, 女14例, 平均年齢50歳) を対象に, 安静時心周期 (BCL) 測定後, atropine sulfate 0.04mg/kgの2分間の静注において30秒毎および5分後と, それに引き続く propranololo. 2mg/kg静注 (静注速度1mg/分) において, 5, 8, 10分および静注終了時 (IHRo決定時) の心周期 (CL) を測定した. 各症例の予測固有心拍数 (IHRp=118.1-0.57×年齢) を求めて, IHRpの下限以上を正常群, それ未満を異常群とし, さらに60歳以上と未満とに分類した.
    これらの成績として次の結論が得られた. 1) BCLは異常IHRo群が正常IHRo群より有意に大であり (60歳以上群; p<0.05, 60歳未満群; p<0.01), 自律神経によって代償されえない洞結節機能障害の存在が示唆された. 2) atropine sulfate 静注後のCLがIHRpCLの上限よりも大であることは異常IHRo群に特異的であるが, 一方, atropine sulfate 静注のみでは異常IHRo群の一部が正常と判定される可能性がある. 3) 異常IHRo群および正常IHRo群において, 60歳未満群は副交感神経優位の傾向を示し, 特に異常IHRoを示す60歳未満群においては, 副交感神経による negative chronotropy を最も強く受けていると考えられた. 4) atropine sulfate 静注後よりIHRo決定時に至る過程において, 正常IHRo群には年齢による差異は認められなかったが, 異常IHRo群では60歳以上群において, CLの有意の延長が認められた. 5) propranolol 静注に対する反応に関して, 異常IHRo群では, 交感神経による positive chronotropy はCLの正常上限境界における critical な要因と考えられた.
  • 杉原 仁, 永井 俊彦, 比留間 博之, 山脇 功, 上野 寿樹, 中野 忠澄, 村井 容子, 村井 善郎, 井上 剛輔, 百名 祐介, 中 ...
    1989 年 26 巻 3 号 p. 279-283
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2009/11/24
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    症例は84歳女性. 膝関節痛を主訴とし, 貧血, 高グロブリン血症の精査のため入院. 身体所見では膝関節に炎症症状があり, 血液検査上, 正球性正色素性貧血, 著名な血沈の亢進, β, γグロブリンの増加, IgG, IgAの著増を認めた. また骨髄所見では plasma cell が増加していた. 両側頭動脈に索状肥厚と拍動減少を認めたので左側頭動脈の生検を施行し側頭動脈炎の所見が得られた. プレドニン40mg/dayの投与を開始後血液検査上は急速に改善を認めたが, 膝関節痛に対しては消炎鎮痛剤の併用が必要であった. 本症例は過去の症例報告中本邦最高齢の患者と思われた.
  • 1989 年 26 巻 3 号 p. 284-310
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2009/11/24
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