日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
34 巻, 9 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 松尾 光芳, 田中 真, 横出 正之, 荒木 厚, 吉川 敏一, 藤本 健四郎, 佐久間 長彦
    1997 年34 巻9 号 p. 699-732
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 中塚 喜義, 小坂 英俊, 関谷 喜一郎, 高本 勝之, 大西 利夫, 三木 隆己, 西沢 良記, 森井 浩世
    1997 年34 巻9 号 p. 733-738
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    骨Gla蛋白 (Bone Gla-protein: BGP) は骨芽細胞においてビタミンKに依存して産生される. 閉経後女性や透析導入前の慢性腎不全患者において活性型ビタミンD3の経口投与により血清BGPが増加することが知られており, このことは活性型ビタミンD3による骨芽細胞でのBGP産生の増加を反映していると考えられている. 今回, 我々は高齢男性と若年男性に1α (OH)D3を投与し, 両群での投与後の血清BGPの変動の差について比較検討した. 高度な腎, 肝機能障害およびカルシウム代謝の異常のない, 高齢者群 (年齢75.0±3.4歳) 男性10名, 若年者群 (29.8±1.7歳) 男性8名に1α (OH)D32μgを毎日経口投与した. 投与前, 投与開始24時間後, 1週間後, 2週間後, 3週間後に血清BGPおよび1,25(OH)2Dを両群で, 副甲状腺ホルモン (m-PTH), アルカリフォスファターゼ (ALP), カルシウム (Ca), リンを高齢者群で測定した. 1α (OH)D3投与前の血清BGPは, 高齢者群4.63±1.8ng/ml, 若年者群4.33±0.92ng/mlと差を認めなかった. 血清1,25 (OH)2Dは両群ともに投与後24時間で上昇傾向を認めた. 高齢者群においては投与後一週間に血清BGPが11.5±3.0ng/mlと投与前の約2.5倍に有意に上昇した. この血清BGPの上昇は投与開始後3週間まで持続した. 一方, 若年者群ではBGPの変化は認めなかった. 高齢者群の血清m-PTHは, 投与前は544±257pg/mlと正常上限にあり1α (OH)D3投与開始後, 低下傾向を認めた. 血清ALPについても高齢者群では投与開始後, 低下傾向を認めた. 血清Caは高齢者群で上昇傾向を認めたが, 正常範囲内の変化であった. 高齢者ではビタミンD欠乏が存在し, 骨芽細胞機能は短期の活性型ビタミンD3の投与により亢進する.
  • 須藤 英一, 大賀 栄次郎, 松瀬 健, 寺本 信嗣, 長瀬 隆英, 片山 弘文, 田中 正則, 菊地 延子, 加倉井 周一, 福地 義之助 ...
    1997 年34 巻9 号 p. 739-742
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患 (chronic obstructive pulmonary disease: COPD) 症例5例 (平均年齢65.4±3.7歳) を対象に外来で呼吸法訓練に吸気筋訓練を取り入れた呼吸リハビリテーションを60週 (1年3カ月) 間施行し, その効果維持期間を検討した. 呼吸法訓練は全身リラクセーション, 腹式呼吸, 口すぼめ呼吸を最初は1回/週から1回/6週, その後12週毎に60週 (15カ月) まで継続指導した. 吸気筋訓練は吸気筋訓練器 (Threshold®) を用い, 抵抗圧レベルを口腔内最大吸気圧 (PImax) の15%に設定し, 15分間, 2回/日施行した. 換気機能はリハビリ中変化を認めなかったが, 最大呼気流速 (Vp) がリハビリ前3.0±0.6 (L/sec) から12週後4.1±0.7 (L/sec) に増加し (p<0.02), 以後維持されていた. 口腔内最大吸気圧 (PImax) はリハビリ前49.9±6.4(cmH2O) から12週後67.3±3.0 (cmH2O) に (p<0.05), 48週後には68.0±4.4(cmH2O) (p<0.05), さらに60週後には72.8±3.5(cmH2O) に (p<0.02) 改善した. 10分間歩行距離はリハビリ前666.6±55.0(m)から12週後764.0±49.9(m)に増加した (p<0.05) が, 以後統計学上は48週後のみに有意差をもって改善していた. 今回の結果より, 老年者のCOPD症例においても, 呼吸リハビリにより12週後よりその効果が発現したものの, 以後は改善効果が明かではなく, 機能が維持されていたものと思われる.
  • 扇谷 茂樹, 藤井 芳夫, 藤田 拓男
    1997 年34 巻9 号 p. 743-747
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    人口の高齢化にともない, 骨粗鬆症とその合併症としての骨折や脊椎変形などの運動障害が, 社会医学や医療経済上極めて重要な問題となっている. これらの原因のひとつとして考えられる慢性的な日本人のカルシウム (Ca) 不足状態の解消は急務である.
    18~19歳の女性ボランティアを対象として, 普段の日常生活の範囲内でCa補助食品によるCa補給を行ない, その効果を観察した. Ca補助食品には活性吸収型海草Ca (AAACa) および牛乳を用いた. 服用量はAAACaが1回200mg, 牛乳では1回200ml (Ca約200mgに相当する) で, 1日3回服用させた. 摂取期間は1週間とした. Ca補給以外は普段の食事, 生活, 運動をすることとした. 服用開始後1週間目の早朝に採血を行ない, 尿検体は同日の早朝第1尿を用いた. 尿中成分濃度は浸透圧補正法とクレアチニン補正法を併用した. その結果, Ca補給を行なわない場合と較べて, AAACaならびに牛乳共に, 補給開始後1週間で血清Ca値が増加した. また同時に尿中Ca排泄量が増加し, 尿中骨吸収マーカーであるコラーゲン分解産物クロスラプスやピリジノリン, デオキシピリジノリンの排泄量の低下が認められた. このことは, 骨基質蛋白コラーゲンの分解抑制を意味し, AAACaや牛乳によるCa補給がCa摂取量を増加させる効果があり, 有効に骨吸収を抑制して骨代謝を改善することを示唆するものである.
    最大骨量 (ピークボーンマス) に達していると思われる若い女性でのCa補給の有効性が確認されたことと, 骨量増加が30歳代まで続くことを考慮すれば, 被験者らのような若年期よりCa補給を習慣づけることがピークボーンマスをさらに高め, Ca不足による骨粗鬆症などの予防に有効であると考えられた.
  • 松井 豊, 松井 育子, 日下部 典生, 松村 暢子, 高橋 栄男, 森本 茂人, 荻原 俊男
    1997 年34 巻9 号 p. 748-754
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    非ステロイド性抗炎症薬 (Nonsteroidal anti-inflammatory drugs: NSAIDs) が原因と考えられる大腸潰瘍による突然の下血を呈した5症例を経験した. 5例はいずれも老年者であり, 腰背痛, 関節痛に対してNSAIDsが投与されていた. また4例は糖尿病を合併していた. いずれも, NSAIDs投与6日以降より食欲不振を呈し, その後, 下痢症状を呈するが, 重度のものではなく, 自他覚症状とも強くなかった. 血便, 下血は下痢症状出現時から1~17日後に生じた. 緊急大腸内視鏡検査の所見は, 脾彎曲部を中心に, 5例中1例は粘膜びらん, 4例は潰瘍を呈し, 出血を伴っていた. また, 緊急胃十二指腸内視鏡検査は, いずれも出血を伴う急性胃粘膜病変を呈していた. いずれも原因薬剤の中止, 絶食, 中心静脈栄養, 輸血などの処置にて比較的速やかに治癒した.
  • 近喰 櫻, 藤井 広子, 高崎 優, 海老原 善郎
    1997 年34 巻9 号 p. 755-758
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
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    73歳の女性. 高血圧, 喘息にて外来通院していた. 胸部写真にて右肺尖内側部に腫瘤陰影を示した. 胸部CTスキャンを行い, 右肋骨に接する内部に低吸収域を示す上縦隔腫瘍 (19×23mm径の類円形) を認めた. 病理学的には Antoni B type の melanotic schwannoma と診断された. また二次性高血圧が疑われたため, 術前に尿カテコールアミンを測定した. 総カテコールアミン184.4μg/day, ドーパミン1,134.6μg/day, ノルアドレナリン169.7μg/dayと高かったが, アドレナリン14.7μg/dayと正常であった. 術後に再度測定し, その結果, 総カテコールアミン127.8μg/day, ドーパミン388.6μg/day, ノルアドレナリン117.9μg/day, アドレナリン9.9μg/day と正常になった. 以上により, 本腫瘍はメラニン産生能をもつ交感神経由来の神経原性腫瘍であると考えられた. なお腫瘍摘出後, 高血圧は軽減し喘息発作は改善した.
  • 鈴木 康仁, 吉友 信孝, 中嶋 良行, 橋本 眞徳
    1997 年34 巻9 号 p. 759-760
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1997 年34 巻9 号 p. 761-773
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 第6回日本老年医学会東北地方会
    1997 年34 巻9 号 p. 774-777
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
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