日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
33 巻, 6 号
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  • 猪俣 孟, 西岡 木綿子
    1996 年 33 巻 6 号 p. 419-423
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 山本 達雄
    1996 年 33 巻 6 号 p. 424-429
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 吉本 照子, 川田 智恵子
    1996 年 33 巻 6 号 p. 430-439
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    交通環境が在宅高齢者の保健行動や社会的活動にどのような影響を及ぼすかを明らかにするために, 公共交通機関が不便な地方都市近郊地域の神奈川県A郡A町を選択し, 在宅高齢者の外出実態および交通環境に対する意識を調査した. 二段無作為確率比例抽出法により, A町の4つの地域の中からH地区を選択し, さらにH地区在住の60歳以上の男女の中から計238名 (1/5抽出) を抽出した. H地区はA町内でも比較的交通の便が悪い. 郵送留置調査法を適用した. 回答者190名 (回収率83.3%, 転居, 死亡, 入院を除く) のうち, 一人で外出可能な166名について分析した結果, 1) 運転免許保有率は男性60歳代90%, 70歳代58%であり, 全国平均に比べて高い. 女性60歳代は20%である, 2) 外出頻度には, 性・年齢・仕事の有無が影響し (性・年齢・仕事の有無に関する三元配置分析による), 友人訪問は女性および無職者が多い. 趣味・町内会・老入クラブへの参加等のための外出は70, 80歳代および無職者が多い, 3) 利用する交通手段は, 男性60歳代は車, 70歳以上はバス, 自転車, 歩行であり, 女性はどの年代もバスと誰かの車に同乗 (以下, 同乗と略す) である, 4) 男女ともに50%以上の人が交通環境に問題を感じているが, 女性の方が問題を感じる人が多い (p=0.04). 問題の内容は性差 (χ2検定による), 年齢差 (クラスカルウォリス検定による) がある: i) 男性に多い問題は車運転時の不安であり, 女性に多い問題は, 坂, 駅の階段の昇降やバス乗降のつらさや交通手段の不便さに外出のおっくうさである, ii) 男女ともに80歳代は, 同乗や電車・バス利用時に人に助けてもらうことへの気がねが多い, iii) 因子分析 (バリマックス法) の結果をもとに, 各年代の交通環境の身体・心理・経済的な問題を要約すると, 男女ともに60歳代では交通手段の不便さと経済的負担などの公共交通機関の利便性の問題があり, 80歳代では坂・駅の階段昇降, バス乗降におけるつらさおよび同乗や電車・バス利用時に人に助けてもらうことへの気がねなど身体心理的問題がある.
    無職化や加齢にともない, 友人訪問や趣味等の外出が増大する一方, 交通環境に対する身体的および心理的問題が増大する. 高齢者の外出実態と交通環境に対する意識の関連を考慮して, 車を運転しやすい環境つくりや気がねなく利用できる交通手段のサポートシステム等が必要と考えられる.
  • 第一報 その実態と管理上の問題点について
    佐々木 明徳, 木暮 大嗣, 小川 公啓, 櫻井 博文, 勝沼 英宇, 前畑 幸彦, 高崎 優
    1996 年 33 巻 6 号 p. 440-443
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    寝たきり老人の血清Na代謝の特徴及びその異常について, 健康老人を対照として検討した.
    (1)寝たきり老人は慢性消耗性疾患を有する症例が多かった.
    (2)寝たきり老人の平均血清Na濃度は有意に低く, Na摂取量, 尿中Na排泄量はともに有意に少なかった. これより寝たきり老人は慢性的なNa不足状態にあると思われた.
    (3)寝たきり老人は血漿PRA, ADHの高値傾向, Aldosterone の低値傾向を認めた. これより有効循環血漿量の低下, ADH分泌亢進状態, Na保持能低下傾向が推測された.
    (4)24時間内因性 Creatinine clearance, 尿中 Albumin, 尿中β2-microglobulin の検討では, 寝たきり老人は高度な腎機能障害を認めた. これより潜在的な水排泄障害の存在が考えられた.
    寝たきり老人の血清Na異常には, 慢性的Na摂取量の不足, Na保持能の低下, 腎予備力の低下が関係していた. その発生には医原性の要因も大きいと思われ, 全身管理においてこれらを念頭においた注意が必要と思われた.
  • 医学部学生の老年学・老年医学についての意識調査に関する研究 (第1報)
    袴田 康弘, 若月 芳雄, 小沢 利男, 林 潤一, 蟹沢 成好, 松瀬 健, 村川 浩一, 入来 正躬
    1996 年 33 巻 6 号 p. 444-451
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    高齢化社会における医学の果たすべき役割は大きく, その人材を育成するための老年医学の発展は大いに期待されている. 大学における老年医学教育の現状と学生の要望を調査するために, 老年学・老年医学教育に対する学生の意識調査を行った. 老年医学講座を設置している全国14の医科系大学において, 講義が全て終了した時期に, 各大学の6年生全員を対象に調査票を用いてアンケート調査を実施した. 10大学 (回収率; 74.1%) から合計849人 (回収率; 60.1%) の回答が得られた. 老年医学講座の講義内容に対して学生の24.5%が充分であると答え, 39.4%は不十分であるとしている. 講義内容の項目ごとの理解度はそれぞれ低い数値を示し, 全般に老年医学は学生にとって難解であると捉えられている (41.4%). 大学別の調査結果の比較から, 老年医学の各項目ごとの学生の理解度は, 専門を異にする大学ごとの講義内容の違いが影響していると推測された. 老人病院や老人健康施設の見学をした経験のあるものは35.4%と低値であり, 老年者と同居した経験のないものも多く (58.8%), 老年者と関わった経験のない学生が多い. その一方, 老人病院や老人健康施設の見学を講義の中に取り入れることを希望し (63.9%), 少数ながら自主的に老年者と関わるものもいる (13.2%) など, 高齢社会への学生の意識は高いことが明らかになった.
  • 医学部学生の老年学・老年医学についての意識調査に関する研究 (第2報)
    袴田 康弘, 若月 芳雄, 北 徹, 小沢 利男, 深沢 俊男, 林 潤一, 蟹沢 成好, 松瀬 健, 村川 浩一, 入来 正躬
    1996 年 33 巻 6 号 p. 452-459
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    高齢化社会に対応できる医師を育成するため, 老年医学の発展は大いに期待されているが, この期待に対し, 医学教育体制が充分に応えているかを検討する必要がある. 老年医学教育の現状を調査するために, 老年医学講座を設置していない20の医科系大学の6年生を対象にアンケート調査を実施した. 老健施設への見学は42%の学生が経験しているに過ぎず, 学生の過半数が老年医学の講義は難解であり講義内容は不十分 (59%) と考えている. 老年者と関わるボランティア活動の学生の数はむしろ多く, 老人福祉への関心も高い数値を示すなど, 高齢社会への関心は高いものがあるが, 高齢者の疾患, 基礎老化学などについての講義の不足などがあるとし, 老年医学講座は56%が各大学に設置されるべきと回答し, 14%が不要としている.
    老年医学講座を設置していない大学では, 痴呆(73%), 脳血管障害(51%), 癌(24%), 骨粗鬆症(19%)の順に老年者の特徴的疾患と学生は捉え, 大学間に格差は認めなかった. 一方, 老年医学講座を設置している大学の調査では, この序列が痴呆 (77%), 脳血管障害 (44%), 骨粗鬆症 (29%), 癌 (16%) の順で, 各大学の教育内容により特定の疾患を重要と考える傾向がみられるなど, 学生は老年医学の捉え方に影響を受けていると考えられた. 現状では老年学・老年医学の教育においてわが国では統一的な体系がなく, 各大学でそれぞれの老年医学教育が行われていることが明らかになった.
  • 問診表を用いた脳ドック受診例での検討
    寳學 英隆, 松本 昌泰, 入野 忠芳, 橋本 弘行, 半田 伸夫, 鎌田 武信
    1996 年 33 巻 6 号 p. 460-464
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/11/24
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    めまい, 頭痛など脳循環不全を疑わせる非特異的自覚症状と無症候性脳梗塞 (SCI) 発現との関係を明らかにするため, 脳ドック施設でMRI検査を受診した脳卒中の既往や神経学的異常を有さない例で, 非特異的自覚症状を訴え紹介された外来患者 (P群) 82例 (56±8歳: 平均±SD) と症状を有さない脳ドック例 (D群) 76例 (55±7歳) におけるSCIの発現, 危険因子の合併を検索した. 同時に, 全例に非特異的自覚症状の種類や程度に関する問診表を実施した. P群におけるSCI合併率は18%とD群の7%に比し有意に高値を呈し, 特に症状別の検討では, めまい, 頭痛を訴えてMRIを受診した例におけるSCI合併率はそれぞれ40%, 18%と高値を呈した. SCIを合併しためまい例では動揺性めまいを, 頭痛例では頭重感を主とする訴えがほとんどで, これらのうち2/3の例に高血圧を合併した. 問診表による検討では, 動揺性めまいや, もの忘れを強く訴える例においてSCI合併率が有意に高かった. また, 全く症状を有さない例においてSCIを合併した例はなかった. SCI合併例と非合併例との比較では, 合併例において平均年齢が有意に高く, 高血圧の合併率が有意に高かった. 以上, SCI発現において脳循環障害の存在を疑わせる非特異的自覚症状の関与が示された.
  • 第1報: 非侵襲的検査法としての心筋SPECTと加算平均心電図の臨床的有用性について
    松木 俊哉, 安達 典子, 近藤 昭, 林 恭一, 松岡 孝, 姫井 孟
    1996 年 33 巻 6 号 p. 465-469
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/11/24
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    糖尿病患者および健常者を対象に, 加算平均心電図検査, 201Thallium chloride, 123I-metaiodobenzylguanidine (以下MIBG) による心筋SPECTを経過を追って調べた. また心室遅延電位 (late potential, 以下Lp) 陽性例に対して Trimetazidine hydrochloride を1年間内服して, Lpへの効果を検討した.
    65歳以上の高齢糖尿病患者ではLpの陽性率が健常者に比べて有意に高く, 心筋に部分的障害を有する例が多いことが示唆された. 123I-MIBGによる心筋SPECTの取り込みの推移が加算平均心電図所見とよく一致し, 両者は臨床上非侵襲的に心筋障害の状態を把握しうる有用な検査法と考えた. Trimetazidine hydrochloride の内服は, Lpの改善, およびMIBGの取り込みの明らかな改善を認める場合があり, 同薬が高齢糖尿病患者の心筋障害を改善する可能性が示唆された.
  • 1996 年 33 巻 6 号 p. 470-486
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/11/24
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