日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
27 巻, 5 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 山本 俊幸
    1990 年 27 巻 5 号 p. 537-539
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 馬嶋 慶直
    1990 年 27 巻 5 号 p. 540-544
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 丹羽 英人, 柳田 則之
    1990 年 27 巻 5 号 p. 545-549
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老人は若年者に比較して聴覚域値は上昇しておりそれを老人性難聴という. 老人性難聴は生理的なものであるか疾患であるかを定義することは難しい. 狭義では年齢的変化以外に原因の見られない場合を老人性難聴とし, 広義では老人で難聴のある場合を老人性難聴とするのが適当である. 老人性難聴の原因は長年社会的雑音にさらされた結果の騒音性難聴も一因であり又年齢的変化から来る動脈硬化による聴覚系全体の機能低下も一因である. 各種の要因が集って出来たものである.
    聴覚機能検査上での年齢的変化を見ると, 純音聴力検査では30歳代で8KHzに域値上昇が始り, 60歳代で全周波数にわたって域値の上昇があらわれる. 70~80歳代では急激に城値上昇は進行する. 語音明瞭度検査上では純音音聴力検査と比例した語音明瞭度の低下が見られる. 周波数歪語音明瞭度は著明に悪化する. 老人性難聴の特徴である.
    他の内耳機能検査, 絡迷路機能検査では老入性難聴の特徴は少い.
    老人性難聴の治療方法はなく, 補聴器によるリハビリテーションのみである. 補聴器の適合検査は若年者の感音性難聴に比較して難しく, 老人性難聴では良好な明瞭度は得られない.
  • 福島 保喜
    1990 年 27 巻 5 号 p. 550-554
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老人の呼吸困難は極めて日常的な症候でありながら, その臨床的解釈は必ずしも容易ではない. 呼吸困難指数の共軛数を換気予備率として, 20例の呼吸困難患者につきその指数の年齢分布を見たところ, 大部分が30%以下であった. 呼吸困難の程度毎に動脈血酸素分圧を見ると, 呼吸困難を訴えずに動脈血ガスが呼吸不全域にある老年者のいる事実と, 反面正常の動脈血ガスでありながら呼吸困難を訴える者のいることが知れた.
    この事情を理解するために呼吸困難を発生要素に分解して, 夫々に関わる老年者呼吸器系のかく器官の老化とそれらを検出する測定指標の関連度を吟味した.
    呼吸中枢の需要に応ずる様式は奏効器である換気装置の能力に拠って左右され, 安静時には呼吸困難を感じない最少作動で呼吸を維持し, 必要時にはやや過剰に中枢性駆動が働いて呼吸困難を強く感じ, その後の酸素消費の増加による困難感覚は緩らかにしか増えない経過をとっている.
    老人にみる呼吸困難の要因で注目すべきは, 過換気症候群, 骨折後塞栓症, 糖尿病性肺毛細管異常, 低燐血症などが挙げられる.
    老人の呼吸困難の対策には, 病因の重症度を適確に把握して, 障害呼吸器とその補助装置の改善のみならず, 栄養をも含めた心身のリハビリテーションが考慮されねばならない.
  • 久保田 一雄, 桜井 敏雄, 中里 享美, 森田 豊穂, 白倉 卓夫
    1990 年 27 巻 5 号 p. 555-558
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    4例の老年者鉄欠乏性貧血患者及び11例の健康老年女性を対象として, 経口鉄剤としてのクエン酸第一鉄ナトリウムからの鉄吸収に及ぼす緑茶飲用の影響を検討した. どちらの群でも, 血清鉄は服薬後2~4時間で最高値に達し, 24時間後にはほぼ前値に戻った. 両群でこの鉄吸収に対して, 緑茶による抑制効果は認められなかった.
  • 降圧療法と精神機能
    濱本 真, 津島 隆也, 宮崎 徳蔵, 赫 彰郎
    1990 年 27 巻 5 号 p. 559-563
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老年者に対する降圧療法は, 心血管系疾患予防の立場からその有用性が広く認められているが, 反面過度の降圧による重要臓器血流障害が問題となっている. そのため降圧目標に対する検討が必要である. 今回我々は, 重要臓器のうち脳機能に注目し, 収縮期血圧 (SBP) の降圧目標に関する検討を神経心理学検査, 総頚動脈血流測定結果を用いて行った. 対象: SBP170mmHg以上の高血圧施設老人200名を初期にエントリーし, ランダムに性・年齢をマッチさせた40ペア, 80名 (平均年齢77.0±5.1歳) を抽出し対象とした. 方法: 対象を血圧のコントロール目標としてSBP160mmHg台にする群 (A群) と, 140mmHg台にする群 (B群) の2群に分けた. 各々の群に対して降圧前後に神経心理学検査, 血圧測定, ドップラー法による総頚動脈血流量測定を行った. A・B群間, および個々人の降圧前後の各パラメーター値についてt検定および paired t検定を行った. 結果: A・B群間では降圧前後に神経心理学的検査・総頚動脈血流量に有意の差を認めなかった. 各群での降圧前後の検討では, A群においては右総頚動脈血流量のみ低下を認め, 長谷川式簡易知的機能スケール (HDS) の有意の低下は認められなかった. B群においては降圧によりHDS, 左右総頚動脈血流量の有意の (p<0.01) 減少がみられ, 精神的活発度は低下することが観察された.
    以上より老年者の降圧療法においては, SBPで140mmHg台よりも160mmHg台を目標とするマイルドなコントロールの方が精神機能を維持するためにはよいと思われる.
  • 佐藤 祐造, 山之内 国男, 中嶋 博久, 篠崎 隆, 藤井 了, 近田 直人, 鈴木 陽一朗, 近田 研, 加藤 克己, 押田 芳治, 大 ...
    1990 年 27 巻 5 号 p. 564-569
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    加齢及び加齢と身体的非活動性がインスリン感受性に及ぼす影響を検討する目的で以下の研究を行った. 対象は糖尿病でない非肥満の63~85歳の14名であり, 歩行を含めた日常生活を営む aged control (AC) 群7名と寝たきりの aged sedentary (AS) 群7名である. 又運動活動を行っていない男子学生10名を若年対照 (YC) 群とした. 全例, 75g OGTTと euglycemic insulin clamp (EIC) 法を施行し, 耐糖能とグルコース代謝量 (GM), グルコース代謝率 (MCR) を算出し比較検討した.
    その結果OGTTにおいてAC群は, YC群と比較して血糖値及びIRIの反応に有意差は認めなかった. 又, AS群はOGTTの前, 60, 120分でYC群より有意に血糖値の上昇を認め(p<0.05), IRIの分泌能低下と反応遅延のパターンが認められた. 一方, EIC法より求められたインスリン感受性の指標となるMCRは, AS群, AC群, YC群それぞれ5.31±0.68, 8.57±1.20, 9.60±0.35ml/kg/minとAS群は他のAC群, YC群より有意に低値を示した(p<0.05, p<0.01). 以上の結果から加齢そのものによる耐糖能および末梢インスリン感受性の低下は, ほとんど問題にならないが, それに身体的非活動性が併存する場合は, インスリン分泌低下を伴う耐糖能異常と著明なインスリン感受性の低下がみとめられ, グルコース代謝に重大な影響を与えるものと考えられた.
  • 大塚 篤弘, 三上 洋, 片平 克俊, 荻原 俊男
    1990 年 27 巻 5 号 p. 570-572
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    アルツハイマー型痴呆老年者における血圧日内変動を携帯型自動血圧計 (ABPM-630) を用いて検討した. 対照とした痴呆のない老年者においては血圧と脈拍は昼間に高く夜間に低い血圧日内変動を示した. 一方, アルツハイマー型痴呆老年者においては脈拍の日内変動は対照群と同様に認められたが, 血圧に関しては夜間の降圧が消失していた. 即ち, 血圧のみに日内変動の障害が認められた.
  • 複数の刺激周波数による検討および体性感覚誘発電位との関連性
    兼重 裕, 松本 博之, 千葉 進, 野呂 浩史, 梁田 由樹子, 菊池 進, 平山 とよ子
    1990 年 27 巻 5 号 p. 573-577
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    加齢に伴う振動覚低下の特徴と機序を検討するために, 20歳台から90歳台までの正常者の振動覚閾値 (VPT) を測定した. 振動刺激周波数は63Hz, 120Hz, 250Hzの3種類を用い, 測定部位は両側第II指末節の腹側とした. 同時に伝導路に共通部分の多い体性感覚誘発電位 (SEP) を記録して対比検討した.
    VPTは40歳台より上昇傾向を示したが, 高い周波数で特に閾値の上昇が大きく, 若年層でみられた周波数別の閾値のパターン (63Hz>125Hz>250Hz) が高齢者 (80~90歳台) では逆転した (63Hz<125Hz<250Hz). 身長補正をしたSEPのN9, N13, N20および中枢伝導時間 (CCT: N20-N13) は加齢とともに延長傾向を示した. しかし, VPTとの間にはどの周波数においても関連性を認めなかった. したがって, 加齢に伴う著明な振動覚低下は中枢神経後索路系の変化や末梢神経伝導速度の遅延だけでは説明し得ないと考えられた. 若年層でみられたVPTの閾値パターンは Pacini 小体の特性を表していると考えられ, 加齢に伴うその退行変性とVPT上昇との関連性が推測された.
  • 小林 陽二, 渋谷 敏道, 福生 吉裕, 赫 彰郎
    1990 年 27 巻 5 号 p. 578-583
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    各種動脈硬化性疾患や血栓性疾患の発症, 進展における tissue plasminogen activator (TPA), tissue plasminogen activator inhibitor (PAI-1) の意義を検討するため102名の平均54.6歳の健常者を対象として, TC, TRG, β-Lp, HDLC, LDLCおよびアポ蛋白との関連性を検討し次の結果を得た. 肥満度とTPAは有意 (r=-0.21, p<0.05) の負の相関を示した. これに対し, PAI-1は肥満度と有意 (r=0.182, p<0.1) の正相関傾向を示した. 肥満度がTPAとPAI-1で異なる相関性を示した事が注目され, 肥満が高度であると凝固系優位状態となることが示唆された. TPAと血中各種血清脂質はアポ蛋白を含めて有意の関連性は認められなかったが, PAI-1はTG, β-Lpと有意 (r=0.292, p<0.01, r=0.211, p<0.05) の正相関を示した. これに対しHDLCとは有意 (r=-0.286, p<0.01) の負の相関を認めた. このことから高脂血症状態においては線溶系低下, 凝固系優位状態が考えられた. 以上の結果より, TPA, PAI-1は動脈硬化性疾患や各種血栓性疾患の発症や進展において, 血清脂質との関連性などより, 重要な作用をなしている可能性が考えられた.
  • 片山 素美, 山積 清隆, 紀 健二, 都留 正展, 深沢 俊男, 嶋田 裕之
    1990 年 27 巻 5 号 p. 584-588
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    60歳以上の高齢者における肝重量の加齢的変化につき, 肝重量に影響を及ぼす病的因子を可及的に除外した剖検582例 (男性291例・女性291例) を対象として, 定量的に検討した.
    肝重量および肝重量体重比はいずれも加齢と共に減少した. 肝重量および肝重量体重比はいずれも肥満の影響を受け, 肥満者では前者は高く, 後者は低値を示した. 肥満度別に検討しても肝重量および肝重量体重比は逐齢的に減少した. 男女の比較では同じ年齢では, 女性は肝重量は低い傾向を示したが, 肝重量体重比は高い傾向を示し, 肥満度別の検討でも同様の結果であった.
  • 谷崎 勝朗, 周藤 真康, 貴谷 光, 河内 和久, 御舩 尚志, 奥田 博之, 高橋 清, 木村 郁郎
    1990 年 27 巻 5 号 p. 589-594
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    加齢により気管支喘息における気道細胞反応がどのような変化を示すかについて検討を加えた. 対象は, 60歳以上の気管支喘息28例 (平均年齢65.0歳) で, その対照としては, 40歳以下の気管支喘息23例 (平均年齢31.0歳) を選んだ. また気道細胞反応は, 気管支肺胞洗浄法により採取した細胞成分の出現率を比較検討することにより観察した.
    1. 全症例における気道遊走細胞の出現率は, 老年者気管支喘息では, マクロファージ65.7%, リンパ球15.5%, 好中球8.9%, 好酸球9.5%であった. 一方, 若年症例では, マクロファージ61.8%, リンパ球17.1%, 好中球4.1%, 好酸球16.1%であり, 老年症例では好中球の, また若年症例では好酸球の出現率が高い傾向がみられた.
    2. 気管支喘息をその臨床病態より3つの病型に分類し, 各臨床病型における気道遊走細胞の出現率を検討した. その結果, 老年症例と若年症例の間には, 今回の検討では有意の差はみられなかった. しかし, 老年症例では, 好中球に関しては, Ia気管支攣縮型に比べIb気管支攣縮+過分泌型で有意に高い出現率 (p<0.05) が, またIb型に比べII細気管支閉塞型においてさらに有意に高い出現率 (p<0.01) が観察された.
    3. 気管支喘息の予後との関連では, 予後不良例では, 老年症例で若年症例に比べ好中球の著増傾向 (p<0.05) がみられた. また若年症例では, 好酸球の著増傾向がみられたが, 老年症例との間に有意の差はなかった.
  • 千田 宏司, 大川 真一郎, 前田 茂, 久保木 謙二, 今井 保, 坂井 誠, 渡辺 千鶴子, 松下 哲, 上田 慶二, 蔵本 築
    1990 年 27 巻 5 号 p. 595-604
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老年者肥大型閉塞性心筋症 (HOCM) 例の臨床的特徴を検討した. 心エコー検査を受けた6,400例中, 1) 心室中隔の著明な肥厚, 2) 僧帽弁の収縮期前方運動 (SAM), 3) 大動脈弁の収縮中期半閉鎖の3所見を有する7例を対象とした. なお, 2例は, 3) の大動脈弁の収縮中期半閉鎖の所見を認めなかったが, 左心カテーテルにて左室流出路で圧較差を認めたため, 対象に含めた. 平均年齢は78.9歳で, HOCM診断時の年齢も72.6歳と高齢であった. 全例女性で, 肥大型心筋症の家族歴はなく, 軽症の高血圧を有していた. 心電図では1例を除き, 著明な左側高電位差と strain 型のST, T変化を認めた. ホルター心電図を施行した4例にて, 上室性及び心室性不整脈は多くなかったが, 発作性心房細動を2例に認めた. 心室中隔の肥厚は, 17~26mmと高度であり, 5例に左室後壁の肥厚 (16~23mm) も認められ, 2例のみが非対称性中隔肥大 (ASH) を呈した. 全例に左室壁の肥厚による左室内腔の狭小化が認められ, また, Aortoseptal angle (80度~120度) の狭小化と上部中隔の左室流出路への突出 (Proximal septal bulge), 一部の症例では僧帽弁輪石灰化による僧帽弁後尖の前方への変位により著明な左室流出路の狭小化が認められた. SAMは, 左室流出路狭窄に加えて, 良好な左室収縮機能により, 左室流出路に高速度血流が生じ, Venturi 効果により出現すると考えられた. 心カテーテルを施行した5例全例に, 左室流出路での著明な圧較差を認めた. 心筋生検を施行した2例に心筋細胞の著明な肥厚を認め, その中の1例に軽度の錯綜配列を認めた. 老年者肥大型心筋症の特徴として, 女性が多く, 高血圧が関与していること, 形態的には, 中隔肥大に加えて左室後壁も肥厚するため, 左室内腔が狭小化し, さらに, S字状中隔, 心室中隔上部の突出, 僧帽弁輪石灰化などにより左室流出路の狭小化することがあげられる.
  • 閉経後骨粗鬆症と僧帽弁輪石灰化との関係について
    杉原 伸幸, 松崎 益徳, 加藤 由起子
    1990 年 27 巻 5 号 p. 605-615
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    目的: 高齢者において骨カルシウム代謝が, 非炎症性の心内石灰化病変である僧帽弁輪石灰化 (MAC) および大動脈弁硬化・石灰化 (AVS) に関与しているか否かを検討した. 方法: 高齢者 (265例, 男性91例, 女性174例, 60歳から96歳, 平均78.3±7.5歳〔Mean±SD〕) を対象として, 断層心エコー図と腰椎コンピューター断層撮影 (CT) 検査を2週間以内に, 血液検査を1カ月以内に施行した. 骨量は腰椎CT検査に骨量ファントム (中外製薬, B-MAS) を用い腰椎(L2, L3, L4) の椎体海綿骨部の骨量 (BMC: mg/m3) を推定計算した. 原則として, 第3腰椎の骨量をBMC値として求めた. 対象を断層心エコー図により, MACとAVSともにない群 (C群), MAC陽性群 (M群) およびAVSのみ陽性群 (A群) との3群に分類し, 各群におけるBMC値を比較検討した. また, 血液検査は血清Ca・P, 副甲状腺ホルモン (PTH-c), カルチトニン (CLT), ビタミンD (25-(OH)D) およびオステオカルシン (OC) を測定し, 3群間で比較検討した.
    結果: BMC値の3群間の比較では, 男性において, 有意な差異はみられなかった. 女性において, BMC値は70・80歳代で, M群がC群に比べ有意に低値であった (70歳代, C群54±36vsM群35±19;p<0.05: 80歳代, C群47±33vsM群21±22mg/cm3; p<0.01). 一方, BMC値はA群とC群の間では有意な差異がなかった. 70・80歳代での血液検査では, 男女とも, 血清Ca・Pはほとんど正常範囲内で, PTH-cは正常範囲でも低値が多く, CLTは測定感度以下の低値が多く, 25-(OH)Dは正常値以下が多く, OCは女性が高値であった. 血液結果は, 女性での3群間の比較では有意な差異をみなかった.
    結語: 高齢女性におけるMACは, 骨カルシウム代謝との関連がより強く, 閉経後骨粗霧症との関連が高いことが示唆された. MACの病態背景には, 閉経後骨粗鬆症と同様に, 副甲状腺ホルモン・カルチトニン・ビタミンDの低値傾向とオステオカルシンの高傾傾向が存在する. しかし, それらの明確な関与は証明されなかった. 一方, AVSと骨代謝との関連は弱かった.
  • 発症時刻の面からの検討
    猪股 久岳, 神田 直, 丸山 博志, 金子 尚二, 田崎 義昭
    1990 年 27 巻 5 号 p. 616-617
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1990 年 27 巻 5 号 p. 618-659
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1990 年 27 巻 5 号 p. 660-671
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
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