日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
10 巻, 5 号
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  • 大豆の水抽出液の凍結による蛋白質の不溶性化
    渡辺 篤二, 中山 修, 岩崎 典子
    1963 年 10 巻 5 号 p. 163-166
    発行日: 1963/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 大豆の水抽出液を加熱後凍結すると蛋白質の一部が不溶性化するが,その程度は水抽出液の加熱の程度,抽出液の蛋白質濃度,凍結速度,冷蔵時間および温度の影響を受ける。加熱の程度の激しいほど,蛋白質濃度の高いほど不溶性化率高く,急速凍結より緩慢凍結が,低温冷蔵よりも高温冷蔵が,短期よりも長期の冷蔵が不溶性化率が高い.
    (2) 大豆の水抽出液を加熱,凍結,解凍して起こる蛋白質の不溶性化は,加熱前にショ糖を添加することによりある程度おさえられ,加熱後に超音波処理することによりほぼ完全におさえられることを認めた。
  • 大豆蛋白凝固物の凍結による性状変化
    渡辺 篤二, 深町 千晴, 阿部 和可
    1963 年 10 巻 5 号 p. 167-169
    発行日: 1963/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 大豆の水抽出液を90℃以上に加熱,あるいは90℃以上の熱水抽出を行なった豆乳から,酸またはカルシウム塩を加えて得られる凝固物は凍結,解凍すると著しく脱水性がよくなり,容易に水分を60%台にすることができる。
    (2) この脱水物を2%の食塩とともにこねるとよくまとまり,これを加熱すると弾力に富むゲルを形成し,魚肉ソーセージまたはかまぼこ類に似た性質を示す。
    (3) この種の脱水物は単独または食肉類と混合し,ソーセージ類似の食品の素材として利用できる可能性がある。
  • トマト,ニンジンおよびカキ(貝)貯蔵中のカロチノイド,脂肪の変化について
    木村 進, 塩田 和子
    1963 年 10 巻 5 号 p. 169-174
    発行日: 1963/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    凍結乾燥方法により食品を乾燥した場合に,その得られた乾燥食品は組織が多孔質であるため,カロチノイド,脂肪は酸化がすみやかで,そのために品質が低下する場合がしばしばある。
    この酸化現象を抑制するためには,物理的に酸素の影響を取り除くか,化学的に酸化の第1次,第2次またはその後の連鎖反応を阻止するかが考えられる。前者は従来から不活性ガス中に製品を貯蔵するとか,可溶性澱粉CMCなどによる表面のコーティングによって防止しているし,後者は各種の抗酸化剤を添加している。
    本実験において見出し得た結果はつぎのごとくである。
    (1) 凍結乾燥製品はcase-hardeningがなく,酸化表面積が拡大されているため,明らかに酸化されやすい状態の組織になっている。
    (2) 酸化速度は共存する成分によって明らかに差がある(カロチノイドについて)。
    (3) カロチノイドの酸化防止にはフェノール系抗酸化剤よりLまたはD-イソ・アスコルビン酸のほうが酸化防止効果が高い。
    (4) L-アスコルビン酸とD-イソ・アスコルビン酸のカロチノイドの酸化防止効果は後者のほうが高い。
    (5) D-イソ・アスコルビン酸をカロチノイドを含む凍結乾燥食品の酸化防止剤として使用する場合の添加量は,乾燥前の被乾燥食品に対し100~300mg%が適当である。
    (6) 凍結乾燥したカキ(貝)の脂肪の酸化防止には,フェノール系抗酸化剤のほうが,LまたはD-イソ・アスコルビン酸より効果が高かった。
    フェノール系抗酸化剤とLまたはD-イソ・アスコルビン酸を混合使用した場合は,その効果はそれぞれ単独に使用した場合よりすぐれていた。
  • 桑原 穆夫, 西条 了康
    1963 年 10 巻 5 号 p. 174-178
    発行日: 1963/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    切断機にたばこ試験用裁刻機,揉ねんにふたなし機を試作し,実験的規模でLCTを製造し,製茶法,品質の特徴を常法を対照に検討,つぎの結果を得た。
    特殊な茶で,製茶法が明瞭でないため,いろいろ操作条件を変えて製造し,インドの茶にそん色のない茶の製造に成功,暫定的ではあるが,標準となる製茶法が設定できた。LCT製茶法は,かなりな品質で,紅茶製造の大きなあい路である萎凋工程は省けるし,方法によっては揉ねん後の発酵工程の省ける見込みもあり,生産経済上きわめて興味のある方法であることがわかった。
    切断幅と能率,品質は密接な関係があるが,1.5mm内外に刻んだものは,仕上がりの粒度,揉ねん発酵もよく,インドの茶に近似のものであり,適当と認めた。
    揉ねんは20~30分で,その間に紅茶として適度と思われる発酵のほとんどが完了する特徴を認めた。この特徴については,茶葉温度,タンニン,水色などの変化からも確かめられた。
  • 白井 裕, 永田 善次
    1963 年 10 巻 5 号 p. 179-182
    発行日: 1963/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    温州ミカンおよび夏柑の内果皮より製造したパルプ状粗ペクチンと水飴を用い,ゲル化する場合のゲル化のopt. pHについて検討した。
    (1) MパルプとSパルプのゲル化のopt. pHは明らかに異なり,前者においては2.8~3.1,後者においては3.5~3.6を示した。
    さらに粉末ペクチンを添加した場合はSパルプを用いたゲルではopt. pHが酸性側へ移動が認められたが,Mパルプにおいては顕著な差は認められなかった。
    (2) MおよびSパルプのopt. pHの異なる原因の1つとして,抽出条件によるペクチンの劣化によるのではないかと考え,パルプ状粗ペクチンとして製造されたものをさらに加熱してH-P/T-Pを変え試料を調整した。ゲル化のopt. pHについては変化なく,ただ再加熱によるゲル強度の低下のみ認められた。
    (3) リンゴパルプにMおよびSパルプを加へてゲル化した場合,SパルプはジャムのpHの比較的高い例においてゲル強度の増加を示し,MパルプにおいてはpH 3.60~3.30においてはほとんどゲル強度の増加を示さず,(1)および(2)の結果と一致する。
  • 神野 廉平, 中村 武次郎
    1963 年 10 巻 5 号 p. 183-185
    発行日: 1963/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 日持ちが悪い長十郎種を,冷蔵室(2~3℃および10℃)に貯蔵したところ,10℃を除き,処理区分の別なく1ヵ月ならば品質も生果と大差なく保存できた。さらに,合成樹脂フィルムの袋に入れると,減量も品質の劣下も少なく効果的と思われた。
    (2) 入庫時の熟度・採取後の日数など,生果の検討が入手の事情によりできなかった。貯蔵は熟度により個体差が大きく,若取りが効果的と思われた。これらについては,さらに検討しなければならない。
  • 樽谷 隆之
    1963 年 10 巻 5 号 p. 186-202
    発行日: 1963/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 10 巻 5 号 p. 203-210
    発行日: 1963/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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