日本海水学会誌
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26 巻, 1 号
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  • 部坂 恒夫
    1972 年26 巻1 号 p. 3-10
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 中根 堯, 石坂 誠一
    1972 年26 巻1 号 p. 11-15
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    In order to study the applicability of reverse osmosis technique to the removal of harmfull metalions from the waste water of mines, factories ane others, a funamental experiment was carried out on the membrane separation of properties of some chloride and sulfate salts contained in aqueous dilute soiutions. For this experiment was used a bached type reverse osmosis test apparatus combined with ‘loose’ Loeb type cellullose acetate semipermeable membranes which were cured at 75°C and 80°C. In case the membrane cured at 75°C and having the salt rejection of 75 percent for aqueous sodium chloride solution was tested by the applied pressure of 4o atm with 0.01mol/l feed solutions, the salt rejections of zinc, manganese, cadmium, cupper and nickel sulfates were more than 98.7 percent, and the fluxes were about 1.05m3/m2/day. Under the same conditions, the membrane rejected about 93 percent of chlorldes of these heavy metals with the fluxes of about 0.9m3/m2/day.The membrane cured at 80°C resulted the salt rejections of more than 99.7 percent ane the fluxes of less than 0.8m3/m2/day for these heavy metal sulfates. It was observed that the membrane permeation of these sulfate salts was due to purely diffusive transport, and a volumetric flow combined with diffusion also contributed to the permeation of chloride salts.
  • 本山 正夫, 門田 稔, 岡 俊平
    1972 年26 巻1 号 p. 16-20
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    NaCl-KCl-H2O系, NaCl-MgCl2-H2O系およびNaCl-CaCl2-H2O系の各3成分系における25℃での塩化ナトリウム溶解度のデータからNaCl-KCl-MgCl2-CaCl2-H2O系5成分系の塩化ナトリウム晶出領域の溶液の塩濃度 (g/100g溶液) を推算する次の近似式を導いた. NaCl=26.43-104.0 (n-3.45n3.33)(I) KCl=195.7nx/x+2.06y+1.76z (II) CaCl2=195.7ny/x+2.06y+1.76z (III) CaCl=195.7nz/x+2.06y+1.76z (IV) ここでnは溶液100gに対する補正した塩化カリウム, 塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムのモル数の和, すなわちn=[0.762K2Cl2+MgCl2+CaCl2] mol/100g溶液, x, y, zは塩化カリウムと塩化マグネシウムと塩化カルシウムの重量分率である. 塩化カリウム, 塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムの含有重量比が約3:1:1, 1:3:1および1:1:3の各溶液について (I)-(IV) 式から計算した塩濃度は, 塩化ナトリウムについては±0.15wt%, 他の塩については±0.03wt%の誤差内で測定値と一致した.
  • イオン交換膜海水濃縮法におけるスケールに関する研究 (第3報)
    武本 長昭
    1972 年26 巻1 号 p. 21-26
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    塩酸を添加した海水を, イオン交換膜法によつて濃縮した場合のpH, 全炭酸濃度 (CO2+HCO3-+CO3--) の変化, ならびに濃縮成績への影響を検討し, つぎの結果を得た.
    1) 海水に塩酸を添加した場合のpHの低下は, pH4までは急激で, その後緩徐になる.
    2) 酸添加海水を濃縮すると, 供給海水pHにらべて脱塩液pHは0-0.7程度上昇し, 濃縮液pHは0.3-1.4程度低下する.
    3) 供給海水および脱塩液中の全炭酸濃度はpHが6程度まで, また濃縮液中のそれはpHが5程度まで低下する過程で急激に減小し, それ以降は減少が緩徐になる.
    4) 供給海水に塩酸を添加することによつて濃縮液中の全炭酸濃度を減少させるには, 供給海水pHを4.5-5.5に調整するのが効果的で, その場合の塩酸の使用量は50-70g-HCl/m3-海水程度, 濃縮液中の全炭酸濃度は0.4-0.55mmol/l程度となる.これは酸を添加しない海水を濃縮した場合の1/5-1/7程度である.
    5) 海水のpHが低下すると, 電流効率 (全塩分) は低下し, 2価陽イオンの透過性は小に, 硫酸イオンの透過性は大になる傾向がある
  • イオン交換膜海水濃縮法におけるスケールに関する研究 (第4報)
    武本 長昭
    1972 年26 巻1 号 p. 26-32
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    イオン交換膜法で海水の濃縮を行なう場合に, 海水利用率を向上させてコストの低減をはかると, スケール析出の危険が増大する. 本報では別報に述べた脱塩過程を検討する手法をもちいて, 炭酸カルシウムスケールの析出限界条件を推定し, これを確認する実験を行なつて次の結果を得た.
    1) 海水中の全炭酸 (CO2+HCO3-+CO3--) の減少過程において, 透過性の急激な増大を示す変化が見られ, この変化は温度が高いほど早期に起る.
    2) この変化が起ると, アニオン膜の濃縮側膜面における炭酸カルシウムケスール成分濃度が急激に増大し, 析出が予測される.
    3) 炭酸カルシウムスケールの析出に対する限界条件は, 30℃においてφCl (塩素イオン残存率) =0.4~0.5と推定され, これは炭酸カルシウムスケールのこ析出が水分解発生を伴なわないで起る場合もありうるとを示す.
    4) 100時間程度の連続濃縮実験の結果, 炭酸カルシウムスケール析出の限界条件はφcl=0.5~0.55にあり, 推定値とほぼ一致した.
    5) 析出した炭酸カルシウムスケールの結晶は, いずれも楕円形のAragoniteであつた.
  • イオン交換膜海水濃縮法におけるスケールに関する研究 (第5報)
    武本 長昭
    1972 年26 巻1 号 p. 32-37
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    イオン交換膜法によつて海水を濃縮する際に, 全炭酸 (CO2+HCO3-+CO3--) の透過性の異常な変化のために, 水分解が発生しなくても炭酸カルシウムスケールが析出する可能性があることは, すでに報告した. 本報では, この全炭酸の異常な透過性を検討するために, 水分解現象との関係, ならびに炭酸水素イオンとしての電流効率の変化を検討し, つぎの結果を得た.
    1) 塩化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合溶液では, 高電流密度において水分解発生に先立ち全炭酸の透過量が急増し, 水分解に類似のの分解 (炭酸分解) が発生していると推定される.
    2) 炭酸水素ナトリウム溶液の電気透析の結果, 全炭酸の透過量をHCO3-としての電流効率で示すと, 0.8~0.9および0.4~0.5付近の2段に変化し, 上記の炭酸分解の発生を裏付けているように思われる.
    3) 2) の実験における炭酸分解についての限界電流密度ICO2-limは, 水分解の場合と同様脱塩液濃度に比例する.
  • イオン交換膜の選択透過性に関する研究 (第5報)
    畦地 昭二, 山本 秀夫, 永塚 敏, 秋山 政夫, 伊丹 良夫
    1972 年26 巻1 号 p. 38-48
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    イオン交換膜電気透析法において, 陽イオン交換膜に2価イオン難透過性を与えるために添加する給液添加剤の濃縮特性に及ぼす効果を有効膜面積5dm2の装置を用いて試験した. また, あわせて工業規模装置により, 実用化試験を実施した.
    結果は次のとおりであつた.
    1) 給液添加剤α液およびβ液の効果はほとんど変わらなかつた.
    2) 純塩率が増大するとセル電圧が減少するので, 原単位電力量が著しく減少する.
    3) 純塩率が増大すると, 1価イオンであるカリウムイオンの選択透過係数TNaKも小さくなる.
    4) 電流密度と濃縮特性, 選択透過係数の関係は, 従来の2価イオン難透過性膜と類似であつた.
    5) 電流密度2.6amp/dm2, 給液pH6のもとで微量 (0.05~0.5ppm) の給液添加剤を連続添加することにより,(Cl-Ca-Mg) (N) ×100/Cl (N) で表わした純塩率を93~96%に維持することができた.
    また, 給液への添加量が大きい程, 到達純塩率は高い値となつた.
    6) 給液pHを低下すると, 純塩率が増大する.
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