イオン交換膜法製塩におけるCaSO
4・1/2H
2OおよびNa-ペンタソルトスケールの生成におよぼす各種リン酸ナトリウムの影響を明らかにするために, 過剰の硫酸カルシウム二水塩を添加した脱炭酸かん水を用いて95℃で実験を行なった. その結果,
1) P
2O
5含量を基準とした場合, オルト, ピロ, トリポリ, ヘキサメタおよびウルトラのリン酸ナトリウムの中で, P
2O
5含量の大きいヘキサおよびウルトラが析出抑制効果が大きかった.
2) 不溶性リン酸塩への分解率は, 添加1時間後においてヘキサ, ウルトラでは20%以下, その他のリン酸ナトリウムでは75~80%であった.
3) これらのリン酸オトリウムの中で, ヘキサメタは添加量50PPm以上においてCaSO
4・1/2H
2OおよびNa-ペンタソルトの生成を防止し, II・CaSO
4に転移する現象を示した.
4) 以上の結果から, ヘキサメタリン酸ナトリウムがこれらのスケールの防止に最も有効であると判断された.
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