日本海水学会誌
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27 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • イオン交換膜海水濃縮法におけるスケールに関する研究 (第10報)
    武本 長昭, 林 恵子
    1973 年27 巻2 号 p. 85-89
    発行日: 1973年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    海水濃縮用のイオン交換膜には, 効率の向上とスケール析出防止を目的として, 通常同符号イオン間の選択性を付与する処理 (選択処理) がほどこされているが, 通常の海水濃縮においては, 選択処理による全炭酸 (CO2+HCO3-+CO3-) の膜透過の減少効果は小さい. すなわち選択処理をほどこしていない膜を選択処理する過程では, 硫酸イオンの透過性はしだいに減少するが, 全炭酸の透過性の変化はわずかである. これは通常の海水濃縮の条件では, 全炭酸のほとんどすべてが1価の炭酸水素イオンとして膜を透過するためで, pHを高めて炭酸イオンとして膜透過させる条件とすると, 選択処理の効果が現われる. すなわち選択処理の効果は透過イオンの荷電数によるところが大きいといえる, pH<2の, 硫酸系イオンのかなりの部分が硫酸水素イオンとして存在する条件では, その透過性が増大するので, 海水に酸を添加して濃縮するさいなどには注意を要する.
  • イオン交換膜海水濃縮法におけるスケールに関する研究 (第11報)
    武本 長昭
    1973 年27 巻2 号 p. 90-95
    発行日: 1973年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    炭酸イオンを電気透析によって濃縮室に導入し, 濃縮室液中のカルシウムイオンと反応させることにより炭酸カルシウムを析出させるさいの, 析出条件と結晶形との関係を検討した. 析出速度は0.6~10g/l・hr程度と大きくした. 析出結晶のX線回折による分析には, 内部標準としてAl (OH) 3をもちいた, 得られた結果は次のとおりである.
    1) Al (OH) 3を内部標準にもちいたカルサイト, アラゴナイトおよびバテライトの定量分析は, 良好な結果が得られた.
    2) 濃縮海水等マグネシウムを含有する溶液中でも, 4~10g/l・hr程度の析出速度ではカルサイトが生成し, その生成比は温度が高く, 析出速度が大であり, またマグネシウムイオンの共存量が少ないほど大きい.
    3) マグネシウムイオンが共存しない溶液中では, カルサイトとバテライトが生成し, 析出速度が大きくなるとバテライトの生成比が大になる. マグネシウムイオンは, バテライトの生成を抑制するように思われる.
  • 藤井 綾子, 菅坡 和彦, 宮崎 秀甫
    1973 年27 巻2 号 p. 96-100
    発行日: 1973年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    かん水・苦汁中のリチウムを原子吸光法により分析する場合の, 共存イオンの干渉ならびに粘度の影響について検討した. 適当に希釈したのち, 標準添加法を用いて原子吸光分析を行なえば, 精度良く, かつ迅速に定量しうることを確かめた. イオン製塩の生苦汁は海水の約100倍, 濃厚苦汁は同じく約250倍のリチウムを含有しており, これは塩田法の苦汁にくらべて非常に高い値である.
  • オン交換膜海水濃縮法におけるスケールに関する研究 (第12報)
    武本 長昭
    1973 年27 巻2 号 p. 101-105
    発行日: 1973年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    選択処理剤C-10をもちいて, 陽イオン交換膜の選択処理を行なう場合の, 処理効果および過処理による水分解の発生について検討した. 結果は次のとおりである.
    1) 選択処理時間と処理効果 (濃縮海水の簡易純塩率) との関係は, 処理条件に無関係に1本の曲線で表おされる.
    2) 脱塩室液濃度および温度が高いほど, 水分解の発生は遅くなるので, 濃縮海水の到達純塩率は高くなる.
    3) 濃縮海水の到達純塩率と脱塩室液の電気伝導度との間には, 処理剤濃度に無関係な直線関係がある.
  • イオン交換膜法製塩におけるスケール防止に関する研究 (第4報)
    杉田 静雄
    1973 年27 巻2 号 p. 106-114
    発行日: 1973年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    イオン交換膜法製塩におけるCaSO4・1/2H2OおよびNa-ペンタソルトスケールの生成におよぼす各種リン酸ナトリウムの影響を明らかにするために, 過剰の硫酸カルシウム二水塩を添加した脱炭酸かん水を用いて95℃で実験を行なった. その結果,
    1) P2O5含量を基準とした場合, オルト, ピロ, トリポリ, ヘキサメタおよびウルトラのリン酸ナトリウムの中で, P2O5含量の大きいヘキサおよびウルトラが析出抑制効果が大きかった.
    2) 不溶性リン酸塩への分解率は, 添加1時間後においてヘキサ, ウルトラでは20%以下, その他のリン酸ナトリウムでは75~80%であった.
    3) これらのリン酸オトリウムの中で, ヘキサメタは添加量50PPm以上においてCaSO4・1/2H2OおよびNa-ペンタソルトの生成を防止し, II・CaSO4に転移する現象を示した.
    4) 以上の結果から, ヘキサメタリン酸ナトリウムがこれらのスケールの防止に最も有効であると判断された.
  • 藪本 滋
    1973 年27 巻2 号 p. 115-122
    発行日: 1973年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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