日本海水学会誌
Online ISSN : 2185-9213
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70 巻, 3 号
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巻頭言
若手会報告
2016年度日本海水学会第67年会研究技術発表会講演要旨集
報文
  • 鈴木 祐麻, Benito J. MARIÑAS
    2016 年 70 巻 3 号 p. 186-195
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/09/27
    ジャーナル フリー
    H3AsO3に対して高い除去率を示すRO/NF膜を開発するためには,H3AsO3が逆浸透膜/ナノろ過膜(RO/NF膜)を透過するプロセスについて理解を深め,既存のポリアミド系複合RO/NF膜が異なるH3AsO3除去率を示す理由を明らかにする必要がある.そこで,本研究では8種類の市販RO/NF膜を対象とし,RO/NF膜が異なるH3AsO3除去率を示す要因を水およびH3AsO3の膜透過プロセスの観点から検討した.その結果,ポリアミドとH3AsO3との親和性を示す水-ポリアミド層分配係数は膜による違いが比較的少なかったのに対して,H3AsO3のポリアミド層内拡散係数およびポリアミドの厚さの違いを補正した水透過係数はRO/NFにより大きく異なった.つまり,高いH3AsO3除去率を示すポリアミド系複合RO/NF膜は,H3AsO3の拡散を効果的に抑制することで高いH3AsO3除去率を示すタイプと,水を効率的に透過させることで高いH3AsO3除去率を示すタイプの2種類があることが分かった.
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