日本海水学会誌
Online ISSN : 2185-9213
Print ISSN : 0369-4550
ISSN-L : 0369-4550
28 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 竹内 紀男, 後藤 藤太郎, 石坂 誠一
    1974 年 28 巻 2 号 p. 85-92
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    0~48wt%の水酸化ナトリウム水溶液中に塩化ナトリウムと塩化カリウムとを5.5~70℃で同時に飽和させて平衡液の組成を測定した. そしてその平衡値をもとに次の点を明らかにした.
    1) 水酸化アルカリ水溶液中に同時に飽和するときの, 塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの微分溶解熱と微分溶解エントロピー変化が平衡値より求められる.
    2) 塩化ナトリウムならびに塩化カリウムが, 同じ水酸イオン濃度のNaOH-KOH-NaCl-KCl-H2O系 (系1), NaOH-NaCl-H20系 (系2) およびKOHKCI-H2O系 (系3) の各水溶液中に同時あるいは別々に飽和するとき, 系1と, 系2あるいは系3とにおける同じ塩化物の微分溶解熱およびエントロピー変化を比較すると系1におけるほうが系2あるいは系3におけるより大きい. しかし水酸イオン濃度が十分に高い水溶液中では系1と, 系2あるいは系3とにおける塩化物の微分溶解熱およびエントロピー変化の差は小さくなる.
    3) 塩化ナトリウムおよび塩化カリウムが系1, 系2そして系3に飽和するとき, それらの塩化物の微分溶解熱およびエントロピー変化は水溶液中の全イオン濃度の関数としてで表わされる.
    4) 水酸化アルカリ水溶液中に塩化ナトリウム, 塩化カリウムを同時に添加したときの塩化物の挙動を平衡値より推定することができる.
  • 竹内 紀男
    1974 年 28 巻 2 号 p. 93-97
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    NaOH-KOH-NaCl-KCl-H2O系において水溶液中に塩化ナトリウムと塩化カリウムとが同時に飽和した場合の溶液組成を, NaOH-NaCl-H2O系およびKOH-KCl-H2O系の平衡値を利用して推算する方法を提案した. 水溶液中の溶質の活量と溶解度積とBの関係にもとづく本研究の推算法は, NaOH-KOH-NaCl-KCl-H2O系の水溶液中の塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの平均活量係数をNaOH-NaCl-H2O系ならびにKOH-KCl-H2O系の水溶液中の塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの平均活量係数で置き換えることを特徴とする. したがつて, 本研究では水酸化ナトリウム水溶液中ならびに水酸化カリウム水溶液中にそれぞれ25℃において飽和した塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの平均活量係数をすでに知られている平衡値より算出して溶液中の全イオン強度との関係を求めた. また, 水酸化アルカリ水溶液中に25℃においで同時に飽和した塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの平均活量係数も本研究の実測による平衡値より求めた. 本研究の推算法は水酸イオン濃度が約6g-ion/1kgH2O未満の水酸化アルカリ水溶液に対しては比較的有効であるが, それ以上の濃度の水溶液に対しては効果的ではない.
  • 増沢 力, 米井 祥男
    1974 年 28 巻 2 号 p. 98-103
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    塩に含まれる不純物を, 海洋塩5成分系から析出する塩類 (塩化マグネシウム, 塩化カリウム, 硫酸ナトリウムおよび塩化カルシウム) と考えて試料塩を調製し, 加圧および吸放湿による固結基礎試験ならびにと積付け試験により固結傾向を検討して次の結果を得た.
    1. 加圧による固結基礎試験では, 4~12kg/cm2の固結強さを示し, 塩化マグネシウムを固体および溶液として添加した場合の固結強さは小さかった. 吸放湿による固結基礎試験では0.2~6kg/cm2の固結強さを示し, 塩化マグネシウム, 塩化カルシウムおよび硫酸マグネシウム区のように臨界湿度が低下する塩類を, 固体および溶液として添加した場合の固結強さは小さかった.
    2. 添加不純物, 水分および包装の固結に及ぼす影響をみる積付け試験では, 包装の防湿性が比較的良好であったため, 含水塩は全区とも0.4~1.6kg/cm2のほぼ同程度の固結強さを示した. 乾燥塩の固結強さは, 0~11kg/cm2(C, M, X区は0.2kg/cm2, K, N, B区は8~11kg/cm2) と大幅に差異ある値を示した.
    3. 乾燥塩を用い, E1(25℃, 40% R. H.) とE2(25℃, 70% R. H.) の環境の積付け試験では, C, M区は包装に関係なく固結しなかったのに対して, K, B区は0.2~2.7kg/cm2の固結強さを示した. K, B区内ではE2がE1より大きな固結傾向を示した.
    4. 固結基礎試験および積付け試験の結果から, 塩の不純物塩類の差異が, 水分量, 包装条件, 環境条件の差異と組み合わさって, 塩の固結傾向を大幅に変化させることを明らかにした.
  • 小畑 健三郎, 杉野 邦雄, 田原 浩一
    1974 年 28 巻 2 号 p. 104-109
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    充填塔を用いて水の真空脱気を行ない, 塔性能と操作諸因子との関係ならびに給液のフラッシュ, ストリッピングスチームの効果について明らかにした. すなわち,
    1) 給液量の増加に伴い, 塔性能は漸減する.
    2) 真空度が高くなるにしたがい, 塔性能は向上する.
    3) 給液温度の上昇は, 塔性能を向上する.
    4) 給液がフラッシュ蒸発しない域では, ガス放散の物質移動を, 次のような無次元項で, 関係諸因子を相関できる.
    5) 給液の一部がフラッシュ蒸発する場合, 本実験の条件下では, 溶存酸素残量が半減, 塔性能で約20%急増する不連続な変化を示し, ストリッピングにとって給液のフラッシュ効果が認められた.
    6) 給液を塔圧における飽和温度以上に保ち, ストリッピングスチームを流しても, フラッシュの効果以上に塔性能を高められなかった.
  • 中根 堯
    1974 年 28 巻 2 号 p. 110-124
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top