塩に含まれる不純物を, 海洋塩5成分系から析出する塩類 (塩化マグネシウム, 塩化カリウム, 硫酸ナトリウムおよび塩化カルシウム) と考えて試料塩を調製し, 加圧および吸放湿による固結基礎試験ならびにと積付け試験により固結傾向を検討して次の結果を得た.
1. 加圧による固結基礎試験では, 4~12kg/cm
2の固結強さを示し, 塩化マグネシウムを固体および溶液として添加した場合の固結強さは小さかった. 吸放湿による固結基礎試験では0.2~6kg/cm
2の固結強さを示し, 塩化マグネシウム, 塩化カルシウムおよび硫酸マグネシウム区のように臨界湿度が低下する塩類を, 固体および溶液として添加した場合の固結強さは小さかった.
2. 添加不純物, 水分および包装の固結に及ぼす影響をみる積付け試験では, 包装の防湿性が比較的良好であったため, 含水塩は全区とも0.4~1.6kg/cm
2のほぼ同程度の固結強さを示した. 乾燥塩の固結強さは, 0~11kg/cm
2(C, M, X区は0.2kg/cm
2, K, N, B区は8~11kg/cm
2) と大幅に差異ある値を示した.
3. 乾燥塩を用い, E
1(25℃, 40% R. H.) とE
2(25℃, 70% R. H.) の環境の積付け試験では, C, M区は包装に関係なく固結しなかったのに対して, K, B区は0.2~2.7kg/cm
2の固結強さを示した. K, B区内ではE
2がE
1より大きな固結傾向を示した.
4. 固結基礎試験および積付け試験の結果から, 塩の不純物塩類の差異が, 水分量, 包装条件, 環境条件の差異と組み合わさって, 塩の固結傾向を大幅に変化させることを明らかにした.
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