日本海水学会誌
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49 巻, 6 号
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  • ファージと宿主細菌に対する食塩の作用 (第3報)
    村田 晃, 佐藤 大輔, 谷 拓, 山本 純子, 神田 康三, 加藤 富民雄
    1995 年 49 巻 6 号 p. 333-340
    発行日: 1995年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    J1ファージとその宿主L. casei S1, 並びに, M2, SPO1ファージとその宿主B. subtilis YS11に対する食塩の作用について検討した.
    37℃において食塩は, J1ファージとL. caseiの場合, 1) 0.8Mで菌の生育を完全に抑制した. 2) ファージを不活化しなかった. 3) ファージの吸着を阻害した. 4) 1.0Mでファージの増殖を完全に抑制した. M2, SPO1ファージとB. subtilisの場合, 1) 1.2Mで菌の生育を完全に抑制した. 2) ファージを不活化しなかった. 3) SPO1ファージの吸着を阻害した. 4) 1.2~1.3Mでファージの増殖を完全に抑制した.
    37℃より高い温度の影響について, J1ファージと
    L. caseiの場合, 1) 42℃まで菌の生育は変わらなかった. 2) 40℃でファージの増殖は完全に抑制された. M2, SPO1ファージとB. subtilisの場合, 1) 43~50℃で菌の生育は37℃より速かった. 2) 45~46℃でファージの増殖は完全に抑えられた. つまり, 高温で培養することによりファージを制御できることが示された.
    高温における食塩の作用について, 次のことが分かった. J1ファ-ジとL. caseiの場合, 39℃において0.4Mの食塩は, 菌の生育にほとんど影響せず, ファージの増殖をほぼ完全に抑えた. つまり, 温度を上げると, より低い食塩濃度でファ-ジを制御できる可能性が示された. M2, SPO1ファージとB. subtilisの場合は, 44, 45℃において検討したが, このようなことは示されなかった.
  • 須藤 雅夫, 山本 潤
    1995 年 49 巻 6 号 p. 341-346
    発行日: 1995年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    電極の種類および電極間距離固定法, 電極間距離変化法, 膜厚変化法の3種類の交流抵抗法, および電位ステップ法の直流法による膜伝導度を推算し比較した. 0.05~5kmol・m-3の塩化ナトリウム水溶液と平衡にしたNeosepta C66-5T膜の298Kでの膜伝導度を推算した. 測定された交流抵抗は, 等価回路に基づき電極反応抵抗および容量成分による抵抗を補正し, 溶液と膜の総括抵抗を計算した. 得られた膜伝導度は, 外部水溶液濃度の増加と共に増加する傾向を示したが, 測定法により膜伝導度は大きく変化した. 平滑白金電極では容量成分が15~60μFと, 白金黒付き白金電極の500~2,500μFに比べ小さいことがわかった. 従って, 溶液のみと溶液中に膜を挟んだときの1kHzの交流抵抗の差から, 膜伝導度を推算する方法では, 電極の容量成分による抵抗成分の影響が無視できる条件で測定することが望まれる. 白金黒電極を使用する場合でも, 溶液濃度が0.1kmol・m-3より低い場合, 交流抵抗にキャパシタンスの影響が無視できなくなった. 平滑金白電極を用いて推算された膜伝導度は, 4測定法の中で最も高い値を示した. 膜厚変化法は, 電極と膜界面の容量成分の影響が存在した. そこで, 交流抵抗法に代わって, 電位ステップ・クロノアンペロメトリー法による直流電流の非定常変化から膜伝導度を推算した. 白金黒電極を用いれば, 本実験での広い濃度範囲の膜伝導度が精度良く測定できることがわかった.
  • マンガン酸化物系吸着剤による海水からのリチウム採取 (第22報)
    宮井 良孝, 加納 博文, 馮 旗, 大井 健太
    1995 年 49 巻 6 号 p. 347-351
    発行日: 1995年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    異なる径の粒状マンガン酸化物のリチウム吸着速度をバッチ法で測定した. フロインドリッヒ型吸着等温線に基づく吸着速度の数値解析結果を用いてリチウムの粒内拡散係数を求めた, 拡散係数は, 粒径に依存せずほぼ2×10-6cm2・s-1となった.
    カラム吸着実験結果について,無限槽内での吸着モデルを用いて解析し粒内拡散係数を求め, バッチ法とほぼ同じ拡散係数値を得た. カラム法では空間速度200h-1以上で, 粒内拡散律速であることが予測された.
    リチウム採取コストは, リチウムの吸着速度に大きく影響される. 今回求めた粒内拡散係数は溶液内でのリチウムの自己拡散係数と同じオーダーである. このことは, 液中硬化被覆法で造粒した今回の吸着剤は良好な吸着速度性能を保持していることを示している. 今後の課題としては, 吸着終期付近で見られる吸着速度の低下を防ぐこと, さらに多孔化して吸着速度性能を上げることが挙げられる.
  • 山口 茂六, 上杉 勝弥
    1995 年 49 巻 6 号 p. 352-355
    発行日: 1995年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    2-ヒドロキシー1-ナフトアルデヒド-4-フェニル-3-チオセミカルバゾソ (HNA・PS) を抽出試薬として用いる海水および天日塩中の微量鉄および銅の溶媒抽出-原子吸光分析法を検討した.鉄および銅とHNA・PS錯体をクロロホルムで抽出するときの最適条件を求めるために, pHの影響, HNA・PS濃度の影響, 振り混ぜ時間の影響などを検討した. また共存塩の影響についても調べた. 数種の海水および天日塩中の鉄および銅を定量し, 良好な結果を得ることができた.
    本研究および既報より, HNA・PSは海水および天日塩中の微量の鉄, 亜鉛, マソガン, およびニッケルの抽出試薬として有用であった.
  • 篠原 篁, 秋田 太真樹
    1995 年 49 巻 6 号 p. 356-361
    発行日: 1995年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 2. 甲殻類の脱皮とミネラル
    皆川 恵
    1995 年 49 巻 6 号 p. 362-364
    発行日: 1995年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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