エネルギー高価格時代に対応して, 多段フラッシュ蒸発式海水淡水化装置の最適設計計算の見直しを行なった. とくに, 造水・発電二重目的プラントでは, ブライン最高温度を下げれば加熱蒸気コストが低下することを想定して, 低温度範囲の多段フラッシュ蒸発装置の最適化計算を行ない, 次の知見を得た.
1) 低温, 安価な蒸気を使っても, 淡水化コストは安くならない.
2) しかし, 廃熱で加熱エネルギー費が無視できれば, 動力費の増加は支配的ではないから, これは低温の廃熱を利用し得ることを示唆している.
3) 低温の多段フラッシュ蒸発装置では, プロセスも大幅に変ったものになろうから, 概念設計が必要になる.
4) この場合, 感度解析で示したように非平衡温度差の影響が大きいので, この点を考慮する必要がある.
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