日本海水学会誌
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24 巻, 2 号
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  • 鹿島 要
    1970 年 24 巻 2 号 p. 49-53
    発行日: 1970年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 畦地 昭二
    1970 年 24 巻 2 号 p. 54-67
    発行日: 1970年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    1) 同符号イオン間の選択透過係数TABを, 膜中でのイオンの移動速度uA, uB, 原液中のイオン濃度COA, COB, 分離係数KAB, 電流密度i, 拡散層の厚さδ, 原液中でのイオンの拡散定数DA, DB, 膜中でのAイオンとBイオンの輸率t±, 原液中でのイオンの輸率tA, tBおよびファラデー定数Fの関数として表わした (15) 式を導いた.(15) 式によれば, iδはTABに対する一つのパラメーターとみなすことができる.
    2) 極限の電流密度icritおよびその時の選択透過係数TABcritを表わす (20) 式と (21) 式を導いた.
    3) 希釈室のバルク溶液のBイオン濃度COBと, 膜面の溶液のBイオン濃度CSBが等 しくなるときの選択透過係数TABおよび分離係数KABを表わす (23) 式と (26) 式, およびTABTABcritと 同じ値 を示す時 の分離係数KABcritを表わす (28) 式を導いた.
    4)(15),(20) および (21) 式を数値計算した結果は図-8, 図-9, 図-11の とおりであつた. これらの結果から, 電流密度iの増大とともにTABが 一定値TABcritに漸近し, icritにおいてTABcritとなる過程が明らかにされた.
    既往の試験結果の中には計算結果と傾向が極めてよく一致するものがあつた. これは, 物質移動モデルの妥当性 を示すものである.
    5)(15) 式からTABと同時に膜面溶液のイオン濃度CSA, CSBおよびKABを求め, これらと (23),(26) および (28) 式から得られたTAB, KABおよびKABcritの関係を考察した. 概要次のとおりである.
    (1) KAB>KABcritであるときはTABTABcritより大なる値からTABcritに近づき, KAB<KABcritであるときはTABTABcritより小なる値からTABcritに近づく.
    (2) KAB<KABの ときはCSB>COBであり, 電流密度の増大とともにKAB>KABになるとCSB<COBとなり, icritにおいてCSB=0, CSA=0となる.
    6) 原液の温度の影響について考察した結果, TABおよびicritは温度の影響をうけるが, TABcritは温度にはほぼ無関係な特性値であることがわかつた.
  • 海水中のウランの採取 (第4報)
    尾方 昇, 井上 信子, 垣花 秀武
    1970 年 24 巻 2 号 p. 68-72
    発行日: 1970年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    硫酸チタンを原料とし, アルカリ溶液による中和法, 尿素または酢酸アンモニウムを加えて加熱する均質沈殿法, および加熱による加水分解法で調製したチタン酸を吸着剤とした海水中のウラン吸着について検討した.
    チタン酸の調製条件がウラン吸着容量におよぼす影響として, 第1にどの方法でも液の均一性と酸性を保つことにより吸着容量が増加すること, 第2に中和法または酢酸アンモニウムを用いる均質沈殿法で調製したチタン酸のように, 綿状の沈殿では比較的吸着量が大となることがわかつた.
    海水中でチタン酸に吸着されるウラン量について次の結論をえた.第1に吸着量は海水温度の上昇および海水中のウラン濃度の増加とともに増加すること.第2に塩分濃度の増加, リン酸, フツ素, 銅などの共存によりウラン吸着量は若干低下するが, その影響は通常の海水ではほとんど無視できると思われる.第3に天然海水では人工海水に比し, ウラン吸着量は約20%低下した.
  • 斎藤 博, 堀合 喜朗
    1970 年 24 巻 2 号 p. 73-75
    発行日: 1970年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    逆浸透膜特性の安定性を向上させるため, 実験用のLoeb型膜 (ホルムアミド系) の製膜装置作動するナイフの移動機構およびガラス板の取り出し機構からなつており, 装置は一定環大きさは長さ1m, 幅20cmである.本装置によれば, 製膜液の流延は, 定速度でホッパーからフイルム状でガラス面に流出し, 流延中に空気を巻き込まないため, 膜に気泡ができない.流延環境をアセトン雰囲気, 蒸発温度を5℃とした条件において, 本装置によつて調製した膜の除塩率および水透過係数は98.2±0.5%, 0.72±0.061/m2・hr・atmであり, 従来法では96.3±2.4%.0.8g±0.31/m2・hr・atmであった.この結果, 本装置は従来法より膜特性の安定性において優れていることを示した.
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