海洋細菌の
Marinobacterium sp. DMS-S1は, 光の存在下でのみ硫化メチル (DMS) を硫黄源として生育できる海洋細菌である. この細菌の増殖の際に菌体外に放出されるフラビン類を定量したところ, 硫酸塩が充分にあればFAD, FMN, リボフラビンの順で多く, それぞれ100nmol/L, 10nmol/L, 1nmol/Lのオーダーであった. リボフラビン類, メチレンブルーとクロロフィルaを光増感物質としてDMSの光分解を検討したところ, リボフラビン類の場合はジメチルスルポキシド (DMSO) 以外にメタンスルホン酸が数十パーセント, 硫酸イオンが数パーセント生成したが, メチレンブルーとクロロフィル
aでは生成物のほとんどはDMSOであり, リボフラビン類によるDMSの光分解にはメチレンブルーやクロロフィル
aとは異なる機構が存在することが示唆された.
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