リン酸ジルコニウムLiZr
2(PO
4)
3のジルコニウムサイトを種々の3価の金属イオンで固溶置換すると, イオン交換特性が変化した. とくにH
2.5Cr
1.5Zr
0.5(PO
4)
3は, リチウムに対する高い選択性が発現するとともに耐酸性にもきわめて優れていることを見出した.
この試料は高濃度のナトリウム共存緩衝溶液中からもリチウムを効率よく回収でき, その分離係数はおよそα
LiNa=2,000となった. またpH8付近で最大のリチウム回収量を示し, 大分港から採取した実海水を用いてのリチウム回収実験では, リチウムの濃縮係数Kdは約7,500となった. また山香の地熱水からは, イオン交換体1g当り最高14.5mgのリチウムを回収することができた.
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