市販の6-ナイロン繊維にアニオン交換基をもつグラフト高分子鎖を付与した後,不溶性フェロシアン化コバルトおよびニッケルを担持した.まず,フェロシアン化物イオン(Fe(CN)
64-)をアニオン交換繊維に吸着させた.つぎに,コバルトまたはニッケルイオンと沈殿生成反応させ,不溶性フェロシアン化コバルトまたはニッケルを繊維上に担持した.比較のため,市販の多孔性アニオン交換樹脂ビーズを担体として不溶性フェロシアン化コバルトおよびニッケルを担持した.繊維のフェロシアン化金属の含有率は,ビーズのおよそ半分であった.不溶性フェロシアン化コバルトおよびニッケルを担持した繊維およびビーズの吸着等温線は,いずれもLangmuir型に整理できた.吸着等温線を,不溶性フェロシアン化金属重量あたりのセシウム吸着量として整理すると,繊維とビーズとで吸着等温線が一致した.
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