天然海水と接触させてウランを吸着させたチタン-活性炭系複合吸着剤からの酸性脱着液 (0.5N硫酸および0.5N塩酸) によるウラン脱着をカラム法で試み, 次の結果を得た.
炭酸ガスの発生による吸着剤の破壊は認められなかったが, 気泡が吸着剤粒子表面に付着した. また硫酸脱着において, 硫酸カルシウム二水和物は, 溶出液として採取した後結晶析出し, 脱着液の通水の妨害要因とはならなかった.
Fig.-6に示すフローシートに従ってウラン脱着を行うことにより, ウランとアルカリ土類金属との分離が可能であり, ウラン脱着液中には鉄および溶解したチタンが共存することが認められた. 1サイクルの酸の消費量は, 0.87eq/
l-Adであった. またウラン脱着率, ウラン濃縮比およびチタン溶解率は, それぞれ80% (59%), 680 (490), 0.3% (0.26%) であった. なおカッコ内の値は塩酸の場合の値である.
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