日本海水学会誌
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26 巻, 2 号
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  • 山本 秀夫, 柚木 法子
    1972 年 26 巻 2 号 p. 66-73
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    イオン交換膜法かん水について炭カルの析出に及ぼす共存イオンおよび析出抑制剤添加の影響を調べた.
    (1) 密閉条件下においては, NaCl, MgCl2, CaCl2などの塩類を試料かん水中に大量 (2eq/l) に添加しても, 常温で20時間放置した状態では炭カルの析出は起こらなかつた. しかし, NaHCO3の添加によリアルカリ度が5×10-3Nに達する場合, またはNaOHでpH7.6に上昇させると炭カルの析出を生じた.
    (2) 大気開放条件での攪拌はCO2の放出とともにかん水中のCO32-濃度が増大し, 密閉条件でOHを添加した場合と類似の結果を示した.
    (3) マグネシウムイオン, リン酸系イオン ([NaPO3] 6, NaH2PO4) はともに炭カル析出抑制効果が強い. 両者の炭カル結晶への影響をX線回析出法によつて調べた結果, リン酸系イオンはアラゴナイトをカルサイトおよび炭カルの1水塩に変化させるが, マグネシウムイオンは上のような影響を示さなかつた.
  • オン交換膜法による高温高濃度液の透析 (第3報)
    田中 良修
    1972 年 26 巻 2 号 p. 74-83
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    フラツシユ蒸発法海水淡水化装置より排出されるフラツシユかん水を原料としてイオン交換膜法により製塩を行なつた場合の有利性ならびに技術的問題点を検討するために大型装置により約4000時間にわたる2倍海水の連続透析試験を実施し, 次のような結果を得た.
    (1) 海水透析に比べて電流密度を増加させても水分解を起すことなく.ほぼ安定した濃縮成績が得られた.
    (2) 電流密度を増加させることにより濃縮液濃度, NaCl生産量は増加し, 一方透析電力量の大幅な増加は生じないので海水透析に比べて製塩コストを低減できることが予想された.
    (3) 透析中に陽イオン交換膜の2価イオン難透過性が劣化したときには選択処理が必要となる.2倍海水透析における選択処理効果は海水透析の場合に比べて劣つているが, 処理剤を多量に添加して処理効果を高めることはある程度可能と思われる.
    (4) 濃縮液中の硫酸カルシウムイオン積および炭酸カルシウムイオン積は飽和溶解度積または析出限界よりも充分低いので硫酸カルシウムまたは炭酸カルシウムスケールの析出の危険は少なく, また実際に透析に伴なうスケールトラブルは生じなかつた.
    (5) 小型装置によるフラツシユかん水の透析試験の結果と2倍海水の透析試験の結果とはほぼ同程度であることをみとめた.
    (6) フラツシユかん水または高温高濃度液を高電流密度で透析する場合には給液の前処理, 膜の破損および陽極の破損等について検討する必要があると思われる.
  • イオン交換膜透析法における濃縮操作に関する試験 (第12報)
    渡部 忠行, 山本 秀夫, 秋山 政夫, 柚木 法子
    1972 年 26 巻 2 号 p. 83-90
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    イオン交換膜透析法における炭カルの析出防止を目的として, 酸添加法についての試験を行なつた. 試験条件としては, かん水pHが4~5になるように脱塩室または濃縮室に酸を添加しながら脱塩率17~75%の範囲の透析を行ない, 酸添加の濃縮特性におよぼす影響および炭カル析出防止効果について試験した.
    試験の結果, 酸添加の濃縮成績への影響はほとんど認められず, かん水pH5以下では炭カルの析出を防止できた. また, 通常の透析条件における酸添加コストは濃縮室中に硫酸を添加した場合, 塩1トン当り約10円と試算された.
  • 佐藤 真士, 田原 浩一, 外山 茂樹, 菅田 孟
    1972 年 26 巻 2 号 p. 91-100
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    A study was made on the designing of an apparatus for the MSF process in connection with the national research and development project on desalination.
    A simple and similar model was employed for this study, and on the basis of this model, such parameters as the number of evaporating stages, the length of each stage, the velocity of brine flowing in tubes, and the ratio of brine concentration were optimized in full consideration of the production cost of water. A sensitivity analysis made in this study indicated quantitatively that major parameters to the production cost of water were the cost of heat-transferring tubes and the cost of steam, and that the most sensitive parameter to the performance ratio was the number of evaporating stages.
    In addition, a more detailed model was used for this study, and a computer program was prepared to again stage-by-stage variables by marking a heat transferring area constant for each stage. A sensitivity analysis was also made on the number of stages, fouling factors, the temperature of exhausted brine, the temperature of sea water, and concentration ratios. As the result, the temperature of sea water was found the most sensitive.
  • 馬野 周二
    1972 年 26 巻 2 号 p. 103-112
    発行日: 1972年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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