電流密度を無限大としたときに観測さるべき選択透過係数 (
T<USP>B</USP><USB>Na</USB>)<USB>
i=∞</USB>は, 式 (9) によって表される. 一方, 電流密度ゼロにおける選択透過係数 (
T<USP>B</USP><USB>Na</USB>)<USB>
i=0</USB>を求めることができた. 実用的な電流密度において測定された選択透過係数
T<USP>B</USP><USB>Na</USB>(
i) を (
T<USP>B</USP><USB>Na</USB>)<USB>
i=0</USB>と (
T<USP>B</USP><USB>Na</USB>)<USB>
i=∞</USB>のできるだけ少ないパラメータで表現できる関数型を求めたところ, Co<USP>2+</USP>とFe<USP>3+</USP>については, 次式によって電流密度
iの関数として表現できることがわかった.
T<USP>B</USP><USB>Na</USB>(
i)=(
T<USP>B</USP><USB>Na</USB>)<USB>
i=∞</USB>+ {(
T<USP>B</USP><USB>Na</USB>)<USB>
i=0</USB>
-(
T<USP>B</USP><USB>Na</USB>)<USB>
i=∞</USB>}
e<USP>-β
i</USP>(12)
ここのβの値はTable-7に示すよである. CMV膜については, Co<USP>2+</USP>, Fe<USP>3+</USP>ともに, ほぼ同一の値を示す. なお, キレート膜を用いたFe<USP>3+</USP>の場合には, 式 (12) による表現は
T<USP>Fe3+</USP<USB>>Na</USB>の値が (
T<USP>Fe3+</USP><USB>Na</USB>)<USB>
i=∞</USB>=1.36以下となるためできなかった. Fig.-4, 6中の実線およびFig.-7中のFeおよびCoに対する実線は式 (12) によって計算したものであり, 一致は良好である.
T<USP>Cr3+</USP><USB>Na</USB>については, ある程度の電流密度で, 値が (
T<USP>Cr3+</USP><USB>Na</USB>)<USB>
i=0</USB>の値の1/10近くまで減少してしまうために, 式 (12) による表現は不可能であった.
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