日本海水学会誌
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28 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 本山 正夫, 門田 稔, 岡 俊平
    1974 年 28 巻 3 号 p. 146-150
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    NaCl-KCl-MgCl2-CaCl2-H2O系5成分系の塩化ナトリウム晶出領域を平行投影と放射投影で三角座標上に描き, 二つの状態図を重ね合わせて用いると, 任意の塩試料の組成を図示し, また座標上の2点の位置から, その組成を読み取るなど, その取扱いが比較的簡単になることがわかった. 作図法の利用の一例として現在操業中のイオン交換膜法製塩工場で造られたかん水を25℃で蒸発濃縮した場合の液組成の変化を25℃の状態図を用いて検討した.
  • 白田 利勝, 後藤 藤太郎, 石坂 誠一
    1974 年 28 巻 3 号 p. 151-155
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    大気圧下で塩化ナトリウム, 塩化カリウム, 硫酸ナトリウム, 炭酸ナトリウム, 塩化カルシウム, 塩化マグネシウムの6種の無機塩水溶液に対して, 沸点上昇を1wt.%から15wt, %まで, 双子型エブリオメーターを用いて測定し, 精度の高い結果を得た.
    各無機塩水溶液の沸点上昇を, 塩の重量%と相関させるため三つの式を選定し, それぞれの式の定数を最小自乗法によって決定した. 実験値と計算値を比較してみた結果, 無機塩水溶液の沸点上昇は塩の重量%の三次式で精度良く近似できることが判明した.
  • 白田 利勝, 後藤 藤太郎, 石坂 誠一
    1974 年 28 巻 3 号 p. 156-161
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    海水の沸点上昇は海水淡水化装置の設計に対しても, また力学定数としても重要であるが, 今まで報告されたデータの中には信頼性の乏しいものもあり, 精度の高い沸点上昇データが必要となってきている.
    本研究は60.0℃から130.0℃の温度域, 約1.7wt.%から11wt.%の濃度範囲で, 新しいステンレススチール製の双子型エブリオメーターを用いて海水の沸点上昇を測定した.
    得られた沸点上昇は, StoughtonとLietzkeの推算値およびBromleyの実測値と非常に良く一致しており精度の高いものと思われる.
    海水の沸点上昇データを, 6定数式で近似しその定数を最小自乗法によって決定し, 次の式が得られた.
    B. P. E.=0.528764×10-1x+0.826030×10-3×xT-0.315082×10-7×xT2+0.320553×10-2×x2-0.144367×10-4×x2T+0.184416×10-6×x2T2
  • 神田 幸雄, 栂野 秀夫, 中内 博二, 大里 一夫, 佐々木 英次
    1974 年 28 巻 3 号 p. 162-167
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Deaerated hot fresh-water produced by a multi-flush evaporator has much corrosive effect on ferrous materials used for the evaporator. To examine the effect of some environmental factors of the fresh-water on the corrosion of ferrous materials, autoclave tests were conducted. In this study, mild steel and 2 1/4 Cr-1 Mo steel were used as test samples and exposed to the fresh-water of various dissolved oxygen levels, chloride ion contents, and temperatures. The results obtained from this study were as follows.
    Speaking in general, both the corrosion losses and the effects of the environmental conditions were small under static condition. Under a dynamic condition (flow rate 2m/sec), however, the corrosion losses indicated a remarkable increase, and at the same time, the effect of each environmental condition became clear. In all the test conditions, the corrosion resistance of 2 1/4 Cr-1 Mosteel was proved to be superior to mild steel. The corrosion rate of mild steel in the fresh-water at a high flow rate was larger than expected, and it was as large as twice than that in 3% sodium chloride solution according to conditions. These unusual results were assumed to depend on the instability of some oxide film (it may be magnetite) formed in the fresh-water.
  • “蒸発法海水淡水化における原料海水中の汚濁物質の影響” (第1報)
    遣沢 哲夫, 白田 利勝, 大久保 悌二, 清水 和雄
    1974 年 28 巻 3 号 p. 168-174
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    汚染水域において蒸発法によって海水淡水化を行なう場合, 汚濁物質が生成淡水の水質に与える影響を調べる目的で, 汚濁物質の一つであるアンモニウムイオンをとりあげ, フラスコ蒸留試験により基礎的なデータを得るとともに, 蒸発法海水淡水化プラントを用い, 原料海水に微量の塊化アンモニウムを添加し, その挙動を調べた.
    アンモニウムイオンはアンモニアとして水蒸気とともに揮発して生成淡水に混入する. その留出はブラインのpHによって著しい影響を受ける. 緩衝液を加えたブラインを常圧で蒸留した場合, 初留3.6%の容量の留出の濃縮限界値はpH6.4で, それ以上のpHでアンモニアは蒸留水に濃縮し, 以下では残留液に濃縮する. 初留14.3%の容量を留出させた場合の限界pHは6.6付近となるが, プラントでは高圧から低圧までの範囲で蒸留が行なわれるため, 気液平衡の平均値が変わり, pH6.9付近が限界値となる. この装置の循環ブラインpH7.0~7.4の通常の運転では, アンモニウムイオンは1.5~1.7倍量が生成淡水に濃縮してくる. したがってアンモニウムイオンによって汚染された海域での海水淡水化では, アンモニウムイオン除去のためなんらかの処理または循環ブラインのpH6以下での運転を行なうなどの注意が必要となる.
    この研究にあたり, 東海大学海洋学部学生である川端知治, 北村光夫, 稲美富佐夫, 土屋稔, 山川耕平, 内田樹三男氏らの協力を得た.
    またプラント運転試験には (株) 笹倉機械製作所および石川島播磨重工業 (株) の協力を得た.
  • 山辺 武郎, 関山 繁利, 高井 信治, 梅沢 香代子
    1974 年 28 巻 3 号 p. 175-181
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    温度変化した際のアセチルセルロースに配位した水, および塩化ナトリウム水溶液のNMRスペクトルを測定した結果, 次のことがわかった.
    アセチルセルロースと水分子との相互作用はかなり強い. 温度, 塩化ナトリウムの添加によりその相互作用は変化するが, このうち温度の影響はことに大きく, 低温であるほど相互作用は強くなる. 溶液中の解離イオンの存在は, 水分子とアセチルセルロースの相互作用を妨害する. しかしながら, その大きさは, 塩化ナトリウム水溶液の濃度差の効果があまり見られないことから, それほど大きいものでないことがわかった.
  • 佐藤 和男
    1974 年 28 巻 3 号 p. 182-190
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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