日本海水学会誌
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48 巻, 6 号
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  • 宮井 良孝, 大井 健太, 西村 友伸, 隈元 純二
    1994 年 48 巻 6 号 p. 411-415
    発行日: 1994年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    高性能吸着剤 (Li1.33Mn1.67O4型) の粒状成形体を用いて吸着特性と吸着処理条件ならびに吸着-脱着のくり返し試験などについて検討した結果, 次のようなことが明らかになった.
    海水濃度での平衡吸着量は粉末吸着剤の場合25.5mg・g-1,粒状吸着剤の場合18mg・g-1に達した. この吸着量はこれまでの最高の値である.
    リチウム吸着速度に及ぼす粒径の影響は大きい. 粒径0.7~1.4mmの場合, 吸着時間30日間で13~15mg・g-1となり, 平衡吸着量の80%程度に達した. この吸着量はリチウム鉱石品位に相当する.
    粒径1.0~1.4mmの粒状吸着剤の場合, 空間速度220h-1以上においてリチウム吸着量はほぼ一定となり, 粒内拡散が律速になったと推定された. また, 吸着時間35日間, 空間速度110h-1の場合の海水からのリチウム採取率は約25%であった.
    吸着-脱着のくり返し試験を10回行った結果, リチウム吸着量はくり返し回数とともに若干低下したが, 良好な吸着性能を保持していることが確かめられた.
    くり返し試験後の粒状吸着剤は, 結晶構造および振とう試験強度とも変化がなく安定であった, さらに長期のくり返し使用が可能と考えられる.
    今後, 脱着条件ならびに脱着液からのリチウムの分離条件について検討する予定である.
  • マンガン酸化物系吸着剤による海水からのリチウム採取 (第18報)
    宮井 良孝, 加納 博文, 馮 旗, 大井 健太
    1994 年 48 巻 6 号 p. 416-420
    発行日: 1994年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    塩酸を脱着液として用い, 回分式およびカラム式脱着条件について検討した結果を次のように要約する.
    塩酸濃度は両方式とも0.5Nが適切であった. その場合, 回分式では脱着時間1時間で脱着率83%が得られた. カラム式では吸着剤量の1.5倍の脱着液量の使用により, 脱着率92%が得られた. また, 吸着剤からのマンガンの溶出率は1~1.5%であった.
    溶離リチウム濃度は, カラム式の場合1,400mg・dm-3となり, 回分式多段脱着処理を5回行った場合は2,100mg・dm-3に達した.
    リチウムと他の吸着元素との分離は, カラム式においても困難であることがわかった.
    回分式多段脱着法およびカラム脱着法には, それぞれ特徴があり, 実用的な脱着法としてどちらを選定するかは今後の課題の一つと考えている.
    脱着処理における吸着剤の溶解性を抑えるために, 化学的により安定な吸着剤の開発と脱着法の改善の検討が必要である.
  • 小嶋 健博, 山岡 憲二, 阪田 嗣, 重富 康正
    1994 年 48 巻 6 号 p. 421-426
    発行日: 1994年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    漬物中の着色剤タートラジン, サンセットイエロー, およびソルビン酸のTOA抽出を併用した高速液体クロマトグラフィー法について検討した. タートラジン, サンセットイエロー, およびソルビン酸を含む試料25cm3(pHをりん酸緩衝溶液で5.5に調整) 10-2moldm-3以上のTOA-クロロホルム溶液5.0cm3で抽出後, クロロホルム相をロータリー・エバポレーターで濃縮後, 10cm3のエタノールに溶かし, 試料を2から5μl HPLCに注入し測定した. 移動相としてりん酸緩衝溶液 (イオン強度,μ=0.1moldm-3) とメタノール混合溶液 (7:3) にn-プロパノールを30%(v/v) 添加した溶液を用いた. また, TLC分析により添加物を同定した. 前処理としてTOA抽出法を併用すると酸性の添加物のみが抽出するので分離のよいクロマトグラムがえられ, タートラジン, サンセットイエロー, およびソルビン酸は, それぞれ2.0μgcm-3, 1.0μgcm-3, および0.5μgcm-3まで定量可能であった. また本法により実試料を分析し, 良好な結果を得た.
  • 鈴木 喬, 坂田 進, 初鹿 敏明, 杉田 静雄, 阪根 英人
    1994 年 48 巻 6 号 p. 427-430
    発行日: 1994年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    高選択性無機系イオン交換体の開発の一環として, 層間にナトリウムイオンが位置するナトリウム形合成フッ素雲母を用い, それらのセシウムイオンに対するイオン交換除去特性およびイオン選択性について詳細に検討した結果について述べた. NaTならびにNaHは低セシウムイオン濃度領域でセシウムイオン選択性を示した. また過剰のナトリウムあるいはカルシウムイオンが存在する系, アルカリ金属やアルカリ土類金属が同時に存在する系などにおいてもNaTのセシウムイオン高選択性は顕著であった.
    以上の結果より, ナトリウム形テニオライトはセシウムイオンの選択的分離除去剤としての利用が期待される.
  • 硬組織の分析による魚の生息環境履歴の解明と最近の環境毒性学
    角田 出
    1994 年 48 巻 6 号 p. 431-438
    発行日: 1994年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 相川 洋明
    1994 年 48 巻 6 号 p. 439-450
    発行日: 1994年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 大矢 晴彦
    1994 年 48 巻 6 号 p. 451-459
    発行日: 1994年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 海の幸を生かす人の知恵
    島田 淳子
    1994 年 48 巻 6 号 p. 460-464
    発行日: 1994年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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