青潮の発生レベルにある水圏からの硫化水素の光バイオ除去をめざして, 光独立栄養細菌である緑色硫黄細菌
Chlorobium limicolaの連続培養実験 (23℃, pH6.5±0.3) を嫌気条件下で行い, 硫化水素の液相酸化速度に及ぼす光源の影響について検討した. 光源に白色蛍光灯 (5000lx) と近赤外色発光ダイオード (ピーク波長73+5±25nm, 光強度10lx) を併用して測定された酸化速度は, 白色蛍光灯だけの場合に比べて30%増加した. なお, 近赤外色発光ダイオード (10lx) だけを光源に使用した場合には, 白色蛍光灯 (5000lx) と同程度の酸化速度が得られた.
C. limicolaの光合成色素が最大吸光度を示す近赤外線光の照射は, 溶存硫化水素の酸化を促進させるうえで有効な手段であることが示唆された.
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