アミドキシム樹脂を用いて海水中のウラン (VI) を前濃縮後, TOPO抽出比色法で定量する方法について検討した結果を要約すると,
1) 海水5
lにアミドキシム樹脂 (ダイヤイオンCR-50) 2.0gを加えバッチ法にて4日間かくはんするとウラン (VI) は定量的に吸着する.
2) 海水と分離濾別した樹脂を100cm
3三角フラスコに移し, 脱着剤として0.50moldm
-3硫酸溶液20cm
3を加えて恒温槽中で5時間振り混ぜれば定量的に樹脂からウラン (VI) を脱着できる.
3) この脱着液10cm
3を100cm
3分液漏斗に移し, TOPO-シクロヘキサン抽出後, 有機相を2moldm
-3硝酸溶液で洗浄して, 10cm
3メスフラスコに移し, 5-Br-PADAPとTEAを加えて発色30分後575nmの波長で吸米度を測定する.検量線は0~5μgcm
-3の範囲で良好な直線性を示し, ウラン (VI) 10μgに対し1mgのスカンジウム (III), バナジウム (V), コバルト (II), 鉄 (III), ニッケル (II) およびジルコニウム (IV) が妨害したが, 2moldm
-3硝酸溶液で2回洗浄すればその妨害は除去できる.ジルコニウム (IV) は抽出時に5%CyDTA溶液と2%フッ化ナトリウム溶液を併用すれば除去できた.
4) 本法で海水中のウラン (VI) を定量した結果2.81ppbであった.
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