日本海水学会誌
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39 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山本 龍也, 高瀬 久男, 福岡 文雄
    1985 年 39 巻 1 号 p. 3-18
    発行日: 1985年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    堆積スラリー法による海水からのウランの回収プロセスのコスト・エスティメーション
    山本龍也, 高瀬久男, 福岡文雄
    堆積スラリー法による海水からのウランの回収コストが研究室規模の実験と理論的計算及び有効なデータに基づいて見積られた. 吸着率と海の深さは, 液側抵抗と粒子内拡散の両方を考慮した海水中の吸着剤へのウランの吸着速度により決定された. 海水中への吸着剤の損失と, 海底でウランのリッチな堆積スラリーを集めるための設備に関する最適化が非線型問題の場合における直接探索法を用いて議論された、吸着剤からのウランの溶離に使われた重炭酸ナトリウムの回収コストが電気透析装置を用いた小さな規模の実験から見積られた. 電流の間かつ的な逆転がスラリーからの溶離剤の回収を可能にする. スラリーの脱塩のための遠心分離とシックニングのコストが議論された. ウランの2次濃縮のためのイオン交換膜法のコストが, ウランの吸着と溶離に関する実験より見積られた. ウランの合計回収コストが種々の経済的制約条件のもとで計算された.
  • 和泉 健吉, 沢 俊雄, 山田 章
    1985 年 39 巻 1 号 p. 19-26
    発行日: 1985年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    多段フラッシュ蒸発式海水淡水化プラントにおいて, アルカリスケールの析出に関連する炭酸物質の循環ブライン中での物質収支を計算し, 造水量100m3/d, 10段フラッシュ蒸発プラントを用いたpHコントロール法に関する実験の実験データと比較検討し, 以下の結論を得た.
    (1) ブライン中の炭酸物質の物質収支は炭酸物質の解離平衡の過渡状態を基本に置いて計算できる.
    (2) 多段フラッシュ蒸発プラントでは, ブラインは各蒸発段の凝縮器およびブラインヒータの伝熱管内と一連のフラッシュ室を順次循環している. このブライン中の炭酸物質の物質収支計算には, 熱管内ではスケール析出をフラッシュ室では脱炭酸とスケール析出を考慮すればよい.
    (3) フラッシュ室でのブライン流れについて, フラッシュ蒸発域と滞留域の二つの領域に分けるモデルが得られた. 脱炭酸はフラッシュ蒸発時に速く進み, 滞留時には遅くなり, スケール析出は滞留時に起きるという考え方が適当である
  • 山口 茂六, 上杉 勝弥
    1985 年 39 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1985年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    5-クロロサリチルアルドキシム (5-Cl・SA) を抽出試薬として用い, クロロホルムを抽出溶媒として銅および鉄を濃縮分離し, さらに逆抽出後原子吸光分析する方法を検討し, 銅および鉄を同時定量するための最適条件を求めて海水および天日塩試料中の銅および鉄の定量に適用した. 本法は海水および天日塩中の銅および鉄の定量に対して有効な方法であった.
    終りに分析試料をご提供くださった製塩工場および日本専売公社関西支社に厚くお礼申し上げます.
  • 中沢 宣明, 佐古 猛, 小畑 健三郎, 大久保 悌二, 白田 利勝
    1985 年 39 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 1985年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    蒸発法海水淡水化装置に油分が混入した場合, それらは海水と二液相を形成し, 蒸発室で一種の水蒸気蒸留によって生成淡水中に混入してくるおそれがある. 沸点の低い軽質成分はほぼ全量が生成淡水中に留出する. たとえば軽質油100ppmが混入した海水を原料海水として300ton取水し, 造水率0.42で運転した場合には生成淡水126tonに移行されうる油分は最悪の場合238ppmとなり造水率の逆数倍まで濃縮されることにこなる.
    また沸点の高い重質成分でも, 生成淡水中に微量流出し, 異臭味を与える可能性が高い.
    これらのことより原料海水中に油分が混入しないよう海水の取水方式を考えるとともに, もし万が一油分が混入した場合には, たとえ微量であっても生成淡水中に移行する危険性が高いので, 活性炭処理などにより吸着除去する方策をたてることが重要となろう.
  • 坂根 幸治, 加藤 俊作
    1985 年 39 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 1985年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Inductively coupled plasma-optical emission spectrometry (ICP-OES) was applied to the determination of uranium in the eluate that was obtained in the extraction process of uranium from sea water.
    Optimization of operating parameters of ICP-OES and spectral line profiles were examined. A linear calibration curve up to 30μEg/ml and a detection limit of 0.02μEg/ml for standard solutions were obtained by using the uranium 409.01nm line.
    Uranium in the acidic eluates from amidoxime resin was determined by ICP-OES. Analytical results agreed with those obtained by spectrophotometry with Arsenazo III and fluorometry. As a result, ICP-OES was found to be useful for the rapid determination of uranium in the eluate.
  • 環境分析に関する研究 (第17報)
    齋藤 豊, 前田 嘉道, 米田 昭夫, 安積 敬嗣
    1985 年 39 巻 1 号 p. 42-47
    発行日: 1985年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    海水中のバナジウムの蛍光X線分析において, 有機沈殿剤のDDTCと無機共沈剤を併用するとバナジウムは定量的に沈殿する. そこで種々の重金属共沈剤のpH3~5における共沈効果について検討した結果.
    1) マンガン (II) およびクロム (III) には共沈効果がまったく認められなかった.
    2) ニッケル (II), 銅 (II) および亜鉛 (II) 共沈剤を用いた場合は, 沈殿を放置熟成すると, バナジウムのX線強度も共沈剤のX線強度も放置熟成時間の経過に伴い次第に低下する傾向が認められた.
    3) マンガン (VII) 共沈剤を用いた場合には, 沈殿を放置熟成するとバナジウムのX線強度は低下しないが, マンガンのX線強度は低下する.
    4) クロム (VI), 鉄 (II), 鉄 (III) およびコバルト (II) 共沈剤を用いた場合には, 沈殿を放置熟成してもバナジウムのX線強度も共沈剤のX線強度も変化しなかった.
    5) クロム (VI), 鉄 (II), 鉄 (III) またはコバルト (II) 共沈剤を用いて海水中のバナジウムを分析した結果, 海水中に含まれる1μg/l程度のバナジウムも検量線法で精度よく定量できることがわかった.
  • 溝口 忠一
    1985 年 39 巻 1 号 p. 48-54
    発行日: 1985年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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