本研究を要約すると, 以下のようになる.
1) 多段イオン交換膜電気透析による同符号イオン種の分離を行うためには, 還流を行う必要性があることがわかった. そして, この場合の各段の濃度に関する理論的検討を行った.
2) 中央の二つのユニットセルに対し, その両隣の室からの還流が混合し, 中央の2室に供給されるクロス型モデルと, 中央の一つのユニットセルに両隣の室からの還流が混合され, 供給されるストレート型モデルの二つのモデルを取り上げた.
3)選択透過係数が
T21=2.25となるイオン1とイオン2の2種の1価イオンを, 0.1mol/
lずつ含む原料液を,還流付電気透析装置にかけ, 30A/m
2で運転した際に, 得られる希釈液中のイオン1のモル分率は, クロス型の場合, 18, 14, 10, 6室で, それぞれ0.93, 0.86, 0.76, 0.63, ストレート型の場合, それぞれ0.73, 0.71, 0.68, 0.63となった.
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